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未来に向けて: フューチャー•シンガポール

フューチャーシンガポールとは、シンガポールの強みを生かして発展をめざすイニシアチブで、「シンガポールにおける未来」ならびに「未来におけるシンガポール」を表しています。「シンガポールにおける未来」とは、シンガポールが世界の新しいアイデアや製品のワーキングモデルとなることです。そのように、常に新鮮なアイデアをテストし、磨き上げて行く進取の精神に富んでいる国がシンガポールです。シンガポールには、未来への道を切り開くべく、新しいアイデアをいち早く導入する態勢が整っています。理由は次の通りです。

  1. Trust, Knowledge, Connected, Life という中核的な特性を有しているため、シンガポールは、新しい経済環境で発展を遂げる好位置にいます。
  2. その住環境、多人種・多宗教の社会、オープンな移民政策のため、シンガポールは、新しいアイデア、文化、革新技術を容易に受け入れます。現在、シンガポールは F1 から近々オープンする総合リゾートや 2010 年のユース・オリンピックまで、さまざまなイベントに活気づいています。アートシーンも全盛です。世界各地から集まる才能豊かな人々は、この国で歓迎されていることを実感し、シンガポールの未来づくりに参加するチャンスが与えられるのです。シンガポール市民は、未来都市、シンガポールの一部を構成していることに誇りを持つことでしょう。
  3. シンガポールは、アジアの縮図ともいえる国であることから、企業はまさにシンガポール国内で、アジアを母集団とするサンプルで新製品や新サービスをテストすることができ、異なる文化や国民性を背景にセンスや嗜好の違いを知ることができます。例えば、ライフスタイル製品、食品および健康製品の処方を、ここでパイロット製品としてテストし、インドや中国における商品化の可能性を評価することができるのです。
  4. 信頼できるハブ―すなわち、堅固な知的財産制度、透明性の高い政府、一貫性があり予測可能な親ビジネス的な政策―としての評判が浸透しているため、革新的な新製品や新サービスの開発を目的として、多くの企業がシンガポールに進出を希望しています。
  5. シンガポールは、ビジネス支援環境、増加傾向の中産階級、高等教育を受けた国民、国際的な優秀な人材を惹きつける魅力を備えた国としての成功を背景に、新しいアイデアやコンセプトが育まれ、未来のビジネスへと発展させる場所となりうるのです。

FutureSingapore(フューチャー・ドット・シンガポール)は、私たちが夢に描き、立案、実行するための舵となっています。ソリューションをテストするための「生きた実験室」としてのシンガポールの利用を企業家に約束し、そのおかげで私たちは世界に先んじることができるのです。こうして EDB は、シンガポールが優れたソリューションを必要とし、新しいアイデアのテストベッドとなり得るビジネスチャンスが存在する分野として、以下のビジネスの発展分野を定めました。

  1. 都市ソリューション
  2. 医療、ウェルネス、人口の高齢化
  3. ライフスタイル製品・サービス
都市ソリューション

世界中で急速な都市化が進む中で、EDB は、将来を見据えた都市化の課題に対するソリューションを企業と共に開発したいと考えています。EDB は、グリーンビルディング技術、水、エンジニアリングサービス、輸送、eガバナンスといった分野のソリューションを、企業が試験、開発、適合させるために活用できるプラットフォームを開発します。

つまり、シンガポールでは「生きた実験室」として、最先端の都市ソリューションを開発し、他国に輸出することが可能なのです。

水は、このコンセプトに沿った現在進行中のいい事例です。シンガポールは水資源が乏しいため、新しい水管理技術の革新、開発が促進されました。公益事業庁(PUB)は、世界初の16インチ逆浸透膜システムのような最新テクノロジーを、企業がテストベッドとして使えるプラットフォームとして、Ennovate プログラムを開発しました。日東電工、GE、シーメンスなどの企業が、さまざまな最先端の水に関する技術をテストするためにPUB のインフラを活用し、シンガポールに世界的な研究開発センターを開設しました。国内の水処理システム企業であるハイフラックスは、シンガポールで革新的な水ソリューションを実施し、現在では、中国や中東の市場へ順調に輸出を行っています。

都市交通の分野では、1998年に渋滞料金の自動料金支払いシステム(ERP)を導入した世界初の国家であり、その後、ロンドンなどの都市で類似のシステムが生まれるきっかけとなりました。陸上交通2020 マスタープランに基づき、陸上交通管理局(LTA)は人間中心の陸上交通システムを創設する革新的な方法について考えています。

交通管理以外に、持続可能なモビリティももう一つの主要な関心分野です。自動車会社は、最新の持続可能なモビリティソリューションをテストするために、シンガポールを利用しています。例えば、ダイムラーは、2004 年、シンガポールで A クラスの燃料電池車のテストを開始しました。2007 年には、ボッシュと共同でバイオディーゼル車のテストを行いました。ダイムラーは、2010 年までに次世代 B クラスの燃料電池車のテストを行う予定です。

水と交通の他、都市ソリューションの分野には、公共住宅、廃棄物処理、eガバナンス、セキュリティといった数多くのビジネスチャンスが存在します。これらのソリューションが都市を動かしており、世界中で強い需要があります。EDB は、政府関係機関と民間組織が共同で、世界の各地域のために革新的な都市ソリューションを開発し実施できる環境を生み出すことを、目指しています。

医療・ウェルネス・人口の高齢化

国連は、世界の 60 歳以上の高齢者人口が、2050 年までに現在の 3 倍に増えると予測しています。この人口動態の変化により、将来、深刻な社会経済的課題が生じると考えられます。とりわけ高齢者の健康とウェルネスに対する関心が高まる中、EDB は、このシルバー・チャレンジをゴールド・オポチュニティに変えるチャンスがあると考えています。

アジアでは、シルバー市場の購買力が著しく増大すると見込まれています。この巨大市場を開拓するため、シンガポール政府は、シルバー産業委員会(SIC)を創設し、世界中の先進的リーダーが、高齢者の消費意欲をいかに取り込むかについて、経験とアイデアを共有するためのプラットフォームを提供します。シルバーコミュニティのテストベッドとなるプログラムでも、「実際の」住まいを使って高齢者にやさしいソリューションを試みるユニークな機会を、企業に提供しています。

シンガポールは、良質で手ごろな費用の医療の提供と高齢化問題に取り組む方策を探るために統合ケアを採用しているため、臨床効果の改善および医療システムのコストと事業効率をさらに改善できる革新技術を歓迎します。

IT システム、医療機器、製薬、栄養食品、コンシューマーライフスタイルといったさまざまな産業の企業は、医療サービスプロバイダーと協力して、新製品やビジネスモデルの開発とテストを行うことができます。また、研究成果を上げるために、基礎的なバイオメディカルサイエンスの研究におけるシンガポールの強力な基盤およびトランスレーショナル・リサーチや臨床研究への投資を利用することも可能です。

これらのイニシアチブやプラットフォームを通じて、シンガポールは「生きた実験室」を提供します。そこで企業は、医療とウェルネスのソリューションを地域や全世界のマーケットに輸出する前に、相乗的に作用する共同研究の価値を実感することができます。この仕組みにおいて、EDB は、医療とウェルネスのコンセプトをアイデアに変え、アイデアが革新的ビジネスに成長するのを支援します。そして、これがシンガポールと世界の双方に役立つこととなるのです。

ライフスタイル製品とサービス

世界で住みやすい場所の一つとして (2007 年 ECA 国際調査)、シンガポールは世界のライフスタイルの需要を的確に把握しています。国際的な市民が、世界のライフスタイルニーズを作り出し、バロメーターにもなっています。世界で最もビジネスに適した環境(2008 年 EIU 国別予測)であることも考え合わせれば、グローバルな成功を目指すライフスタイルビジネスにとって、シンガポールはうってつけの跳躍台であり、国際的なハブといえます。

ライフスタイルのコンセプトと製品は、アジア市場や世界市場で量産する前に、シンガポールでテストを行い、より洗練されたものにすることが可能です。シンガポールの海外の人材に対するオープンな姿勢と、トップクラスの技能研修を行う国際的に有名な教育機関があるおかげで、確実に専門分野の高度なノウハウの蓄積が可能となります。

ライフスタイル企業は、シンガポールの世界水準のビジネスインフラを活用して、国際ビジネスを管理・推進することも可能です。活気あふれる MICE(会議、イベント、国際会議、展示会)のカレンダーには、2008 年の世界初 F1 ナイトレース、2010 年の第 1 回ユース・オリンピックが入っています。これらのイベントによって、活動的な都市国家のライフスタイルの発展に弾みがつき、そのペースが加速されます。

スピンクは、コイン、切手、メダル、紙幣を扱う世界最大のオークション会社です。同社は、熱意があり有能な人材を獲得できることと、活気溢れる国際的な文化を理由に、アジアで成長過程にある収集品市場に参入する出発点として、シンガポールを選択しました。

MP & Silva は、世界で最も高収益のプロサッカーリーグであるイタリアセリエ A のイベントやメディア権を管理する、世界トップのスポーツエージェントですが、中東とアジアにおいてイベントとメディア権の商業化および管理を行うため、この地域を統括する本部をシンガポールに開設しました。

また、世界的なフィットネス機具・ソリューション企業である、ライフ・フィットネスもシンガポールを選択しました。シンガポールにある同社の研究開発施設は、本拠地米国以外で重要な研究が行われる唯一の研究所です。

これらのビジネスは、フューチャーシンガポールのコンセプトの妥当性を確認するものであり、私たちの今日および明日の生き方、働き方、余暇の過ごし方に影響を与えるライフスタイルビジネスによって、シンガポールがテストベッドとして、また国際的なハブとして利用されている証なのです。