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業界概要



倍以上の成長可能性を秘めた好調な産業

今日、人口約30 億人の多くが密集した都市部で暮らすアジアにおいて水質汚染と環境破壊は、特に深刻な課題です。しかし、環境・水関連産業界にとって、アジア地域のこれら課題に取り組み、貢献することは、多大なビジネスチャンスでもあるのです。

 

給水制限が何日も続いた 1960 年代以降、シンガポールは長い道のりを歩んできました。水の管理および水処理能力の発展のための研究と技術に投資し、自国の弱点を見事に力に変えたのです。過去40 年にわたって、シンガポールは大規模かつ革新的な環境産業を構築してきました。また、「国家の4つの蛇口」として知られる、国内の貯水池、輸入水、ニューウォーター(再生水)、脱塩水を利用した多様で持続可能な水供給システムも確立しました。



グローバル・ハイドロ・ハブへ

シンガポールは、環境関連産業にとって必要不可欠な科学技術とエンジニアリング能力を十分に備えています。活気に満ちた水資源・環境生態系産業に携わる企業70社あまりを有するシンガポールは、今日「グローバル・ハイドロ・ハブ」として高く評価されています。2003 年に 5 億シンガポールドルだった水処理部門単独の GDP 貢献額は、2015 年に17 億シンガポールドルまで増加する見込みです。この部門の雇用者数は現在の2倍の 1万1,000 人となる見込みで、その大部分が専門知識や熟練を要するポジションに就くとみられます。シンガポールは水処理以外にも、廃棄物管理・リサイクル分野でビジネス規模の拡大を図っています。国内には埋立地での処分場がプラウ・セマカウに 1 カ所しかなく、この埋立地への依存度を下げるための革新的な廃棄物リサイクルや処理のソリューションが求められています。



資源への資金投入

環境・ウオーターインダストリー開発評議会(EWI) は、シンガポールの環境・水産業の発展を推進するために設置された組織です。首相が議長を務める研究・イノベーション・企業評議会 (RIEC) が、「環境・水産業をシンガポールの主要成長分野に位置づける」と発表したのを受けて発足しました。さらにシンガポール政府は、2006 年7月、今後5年間で3億3,000万シンガポールドルを投入すると表明しました。この資金は国内の環境・水産業を活性化させるための研究開発および人材開発に使われます。

 

EWI は PUB (シンガポールの水資源を管理する政府系機関)および EDB の主導により、より多くの企業をシンガポールに誘致することを目指しています。また、国内の環境系企業の成長を促し、多くの企業や研究所による環境・水の最新テクノロジー開発を支援し、さらにはシンガポールの能力を中東、中国をはじめとする成長市場に積極的に輸出する予定です。



環境ノウハウを輸出

シンガポールは、環境イノベーションの最前線に立ち続けてきました。ニューウォーター(再生水)、深層トンネル下水道システムなどのソリューションも早くから導入しています。シンガポールで開発された水処理・廃棄物処理の技術は、海外市場でも徐々に採用され始めています。アメリカのブラック&ビーチ、CH2Mヒルといった世界的大手企業 は、シンガポールで得た専門技術をアメリカをはじめとする世界各国での自社プロジェクトに利用しています。また、地元企業のハイフラックスは、世界最大の海水淡水化プラントをアルジェリアに建設中です。



増大するグローバル企業と国内企業

シンガポールは、アジア太平洋地域に進出を計画している環境・水部門の企業にとって理想的な跳躍台となるロケーションです。すでに、以下の様な大企業の誘致に成功しています。

 

  • ゼネラル・エレクトリック、ブラック&ビーチ(Black & Veatch)、マーモン・ウォーター(Marmon Water)、ポール(Pall Corporation) (アメリカ)
  • 日東電工、東レ(日本)
  •  シーメンス (ドイツ)
  • ヴェオリア(フランス)


また、アジア地域のリーダー的存在となった国内企業も現れました。それらの中には、世界有数の環境ソリューション企業となったハイフラックス、東南アジア最大の廃棄物管理会社、セムコープ・エンバイロメンタル・マネジメントが含まれます。

 

さらにシンガポールは、水関連事業以外に廃棄物処理・公害対策事業における環境産業の育成に力を注いでいます。



広がる研究パイプライン

シンガポール国立大学 (NUS) は、環境・水処理技術に関する専門知識を大学全体から集めるため、NUS 環境研究所 (NERI: NUS Environmental Research Institute) を設立しました。NUS 、北京大学(中国)とオックスフォード大学(英国)によりNERI傘下に新設された三大学共同事業は、環境保全効果の高い次世代水処理技術に焦点をあてた画期的な取り組みです。

 

同じくNERIにある主要施設として、NUS 、PUBならびにオランダの国際研究・専門コンサルタント会社、Deltares Instituteによって設立されたシンガポール・デルフト水連合(SDWA)があげられます。SDWAでは、利水システム、スマート・センシング、都市水サイクル関連のエンジニアリングおよび技術の研究が行われます。またここでは、水力工学、水管理など各分野の修士および博士課程を履修することもできます。

 

一方、南洋工科大学 (NTU) は南洋環境・水研究所 (NEWRI) を設立しました。NEWRI エコシステムは以下で構成されます。

 

  • シンガポール膜技術センター(SMTC) (膜技術のエキスパートとして知られるアンソニー・フェーン教授が代表)
  • DHI-NTU 水・環境研究センター及び教育ハブ(NTUとデンマークの国際的コンサルタント・研究組織であるDHI水理環境研究所のコラボレーション)
  • 環境技術・エンジニアリング研究所(IESE)  NEWRIにおける製品化・転換部門
  • 残留物・資源再利用センター(R3C) 環境マネジメントを専門として、アジア・パシフィック地域における国際的レベルの都市廃棄物管理研究ハブを目指す
  • 先進環境バイオテクノロジーセンター ニューサウスウェールズ大学(豪)とNTUのコラボレーション

 

 

シンガポールはR&D拠点および独自のソリューションの提供者として、知的資本の世界中枢と呼べる存在です。それを証明する1つの例がシンガポール国際水週間(SIWW)です。毎年恒例となるこのイベントは、水に関する諸問題を協議する国際会議です。世界各国の政策立案者、企業、専門家、事業者が一同に会して課題に取り組み、また技術出展を通して新たなビジネス機会を開拓します。第3回SIWW は「持続可能な都市:クリーンで入手可能な水を提供する」をテーマとして2010年6月28日~7月2日に開催されました。今回は2年に1度行われる国際都市サミットも共催となります。この2010年大会には、1,000人以上の参加者・入場者が集まり、28億シンガポールドルを超える契約が会期中に結ばれました。

 
 

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