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業界概要



アジアに新しい成長のチャンス

アジアは、その市場の力強い成長力と豊富な人材および資源を背景に、生物医科学産業の世界的な原動力として急速に頭角を現しつつあります。アジアが、あえて他人とは違うユニークな発想をする人々にとって、とてつもなく大きなチャンスが生まれるダイナミックかつフレッシュな活躍の舞台である一方で、多様な政治制度、文化、経済発展を背景にした、やりがいのある新しい世界でもあります。このように、成功は、現地の状態や規制制度を深く理解することにかかっています。



アジア市場進出のための信頼の足掛かり

シンガポールは、アジアの複雑な環境における企業の事業運営および地域市場や人材、知的財産への進出を支援するという、重要な役割を担っています。

国際的な都市国家、シンガポールは、アジアで最高の生活水準を提供し、世界、また地域の有能な人材を惹きつけてきました。アストラゼネカ、バイエル、ベーリンガーインゲルハイム、ブリストルマイヤーズ・スクイブ、ジェンザイム、グラクソ・スミス・クライン、メルク、クインタイルズ、サノフィ・アベンティス、シェリング・プラウなど10社を超える大手製薬会社およびバイオテクノロジー企業が、シンガポールに地域本部を開設しました。さらに、シンガポールは、地域および世界の市場向けの新薬の開発をめざし、公益研究機関、他企業の研究所、公立病院と戦略的パートナーシップを結ぶことのできる、アジアで急成長するバイオクラスターの一つとなりました。また、シンガポールは、革新的医薬品のグローバルな製造地としてトップの地位を築きました。



世界の優秀な人材を確保

シンガポールは、世界最高の科学者やビジネスマンを惹きつける能力がよく知られています。エドワード・ホルムズ(カリフォルニア大学サンディエゴ校の前副総長)、ジュディス・スウェイン(カリフォルニア大学サンディエゴ校)、エディソン・リウ(米・国立がん研究所臨床科学部前ディレクター)、ニール・コープランドとナンシー・ジェンキンズ(米・国立がん研究所)、ジョージ・ラッダ卿(メディカル・リサーチ・カウンシルの前チーフ・エグゼクティブ)、コリン・ブレイクモア(英・メディカル・リサーチ・カウンシル)、アクセル・アルリック(ドイツ・マックス・プランク生化学研究所)、フィリップ・クーリルスキー(仏・カレッジ・ド・フランス)、シドニー・ブレナー(ノーベル賞受賞者、サルク生物科学研究所)、伊藤嘉明(日本・京都大学)の各氏は、シンガポールの研究機関、コンソーシアムおよび研究所を率いるため、シンガポールに移って来られた著名な科学者です。現在、シンガポールには世界各地から2,000人を超える研究者の本拠地となっています。

シンガポールは、専門職の人々にとって魅力的な環境であり、生活の質では常にアジア最高レベルにランクされ(マーサーHR、ECA インターナショナル)、優れた教育システムを有しています。シンガポールは、その人口の4分の1を外国人が占め、英語が通じ、ダイナミックな娯楽やリクリエーションの種類が豊富です。2008年、シンガポールは、シンガポールグランプリ期間中にフォーミュラワン初日のナイトレースの開催地となります。今後2年間で、世界水準のホテル、会議場、娯楽施設、カジノを1カ所にまとめた総合リゾートを2カ所完成させる予定です。これらのリゾート開発は、ラスベガス・サンズおよびゲンティング・インターナショナルが担当します。また、シンガポールは、地域で最高の観光地(例えば、カンボジアのアンコールワット、インドネシアのバリ島、タイのフアヒンやプーケット、中国のシャングリラなど)まで飛行機で片道7時間以内で行ける位置にあります。

シンガポールは、次世代の科学者を育てる必要性も認識しています。2001年以降、シンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)は、2015年までに世界のトップクラスの大学でシンガポール人の博士課程修了者を1,000人育成しようと、国民奨学金プログラムを開始しました。A*STAR は、現在まで約800人に国民奨学金を付与してきました。また、今年、シンガポールは、シンガポールの公共部門の研究機関で独自の研究を行ってもらえるよう、優秀な若い研究者のために、有名なハワード・ヒューズ医療研究所(HHMI)のインベスティゲーターシップ賞に倣い、A*STAR インベスティゲーターシップ(A*I)賞を創設しました。フランスのブルーノ・レヴェルサード氏とインドのプラーバ・サムパット氏が最初の受賞者となりました。この2人は、それぞれ、ヒトの発生学および幹細胞の研究を行うことになっています。レベルサード氏は以前、ハワード・ヒューズ医療研究所の研究員でした。一方、サムパット氏は、ワシントン大学出身者です。



加速する創薬

シンガポールは、臨床科学、ゲノミクス、バイオエンジニアリング、分子・細胞生物学、医学生物学、生体イメージング、免疫学などの重要研究分野で7 つの研究機関と5 つの研究コンソーシアムを有し、強力な科学基盤を築き上げました。著名な国際研究機関がシンガポールのこれらの研究機関と協力関係にあり、その中にはリギンズ研究所(代謝性疾患の後成的遺伝学研究)とルートヴィッヒ癌研究所も含まれています。

シンガポールは、トランスレーショナル・リサーチおよび臨床研究においても大きく進展しました。A*STAR-NUS シーメンス・クリニカル・イメージング・リサーチセンター、公立病院で早期段階の試験を専門に行う2つの研究医療ユニット、また後期試験の支援を中心としたシンガポール・クリニカル・リサーチなどの主要インフラを整備しました。2008年、シンガポールは、NUS がん研究センター(理事長:ダニエル・テネン・ハーバード大医学部教授)および医学部、バイオイメージング、バイオセーフティの設備を備えたトランスレーショナル医療センターを新設すると発表しました。これらの設備では、シンガポール国立大学(NUS)のヨンルーリン医学部およびデューク大学医学部シンガポール校を中心にシンガポールで増加傾向にある臨床医を支援しています。

25社を超える企業が、創薬、トランスレーショナル・リサーチおよび臨床研究を中心とした R&D に力を入れています。その主な企業は、グラクソ・スミスクライン、ノバルティス、リリー、武田薬品、コンビナート RX、S*バイオ、マーライオン・ファーマシューティカルズ、ファーマロジカルズなどです。

シンガポールは、その基盤を高度な科学とトランスレーショナル・リサーチおよび臨床研究の力に置いているため、今後数年間は、次世代の技術で創薬プロセスを加速させる取組みにおいて、業界を支援する準備は出来ています。その一方で、がん、代謝性疾患、神経変性疾患、感染症および眼病などの重要な病気にしっかりと取り組んでゆきます。



プラグ・アンド・プレイのR&D キャンパス

バイオポリスは、シンガポールにおける R&D の成功の証です。公共部門の研究機関と企業の研究室が同一の敷地内にあり、一つ屋根の下で研究機関や企業組織が協力する風土を培っていけるよう計画されたものです。研究者は、最先端の設備、科学的インフラ、特別なサービスを利用することができます。その結果、企業は R&D 費用の大幅削減と開発スケジュールの迅速化が実現できます。さらに、会議設備と会議室があり、企業はこれらを利用することができます。

研究者の間で活発な意見交換ができるよう、「仕事、生活、娯楽」の環境を生み出すカフェ、ショップ、娯楽設備が施設の中に配置されています。バイオポリスは面積が約24万平米あり、ほとんど全部のスペースが入居済みです。第3期の建設は、2008 年4月に始まりました。これが完成すると、生物医科学の R&D 用地が2009 年末までに4.4万平米増えることになります。 



新薬の製造

シンガポールでは、生物製剤の製造が拡大し、ロンザ、ノバルティス、グラクソ・スミスクライン、ジェネンテックは、2年以内に15億米ドルに上る投資で5つの大規模な生物製剤製造施設を建設すると発表しました。これは、低分子原薬および二次加工の両方で優れた実績があってこそ、実現したものです。

今日、世界の製薬・バイオテクノロジー企業の大手11社(アボット、アルコン、ジェネンテック、グラクソ・スミスクライン、ロンザ、メルク・シャープ・アンド・ドーム、ノバルティス、ファイザー、サノフィ・アベンティス、シェリング・プラウ、ワイス)が、シンガポールの25以上の商用規模の製造設備に投資しています。これらの設備は、アメリカおよびヨーロッパの規制当局によって認証されており、世界市場に向けて画期的な医薬品を製造しています。

 

シンガポールは、知的財産の保護、高度なインフラおよび熟練した人材基盤を提供することにより、プロセス開発を推進し、製薬業界の最も革新的な製品の商用生産を支援しています。

さらに、シンガポールには、世界的なメーカーの資本集約型投資に対して長期的なリターンを確保するための、安定した政治、市民生活環境があります。政府は、製薬および生物製剤メーカー向けに、トゥアス・バイオメディカルパーク(TBP)と呼ばれる、整地・区画された面積360ヘクタールの土地を準備しています。道路、排水システム、電気、給水、通信ラインなど TBP のインフラは万全で、大手生物医学企業は最短のリードタイムで製造設備を建設できるプラグ・アンド・プレイ環境になっています。ここに進出する企業は、スチーム、天然ガス、冷却水、廃棄物処理などのサードパーティのユーティリティやサービスを利用することもできます。TBP には、現在、アボット、アルコン、チバビジョン、ジェネンテック、グラクソ・スミスクライン・バイオロジカルズ、ロンザ、メルク・シャープ・アンド・ドーム、ノバルティス、ファイザー、ワイスなどの大手製薬会社、バイオテクノロジー企業および医療技術会社が進出しています。これらの会社は、TBP における製造設備に総額60億シンガポールドルを超える金額を投じています。

政府は、従業員の技能向上、新入社員の研修およびベストプラクティス推進に業界と共同で取り組んでいます。最近のシンガポール・アカデミー・オブ・GxP エクセレンス(SAGE)の立ち上げが、その好例です。SAGE はシンガポール政府、シンガポール国立大学、産業パートナーが連携した地域初の業界全体の研修イニシアティブであり、シンガポールの企業向け研修施設を補完しています。



戦略的パートナーシップの構築 

シンガポールはアジアにおける優れたバイオクラスターで、生物医科学の製造および R&D の事業で十分な実績と基盤を確立しています。シンガポールは国際都市であり、英語(自然科学の言語)を共通語として使い、他のアジアの都市から飛行機で片道7時間の、アジアの中心という戦略的な位置にあります。さらに、シンガポールは主要な地域市場とうまく結ばれており、国民は中国人、インド人、マレー人の3つの主要アジア民族で構成されています。地理的特徴と社会文化的な特徴以外に、シンガポールは公共部門の研究機関、大手製薬およびバイオテクノロジー企業の本拠地、病院の臨床研究ユニット、国際的な研究組織との多様なパートナーシップ構築の機会を提供しています。

例えば、シンガポール・ゲノム研究所は、ヒトゲノム国際機構のアジア太平洋 SNP イニシアティブの創設パートナーとして、アジアの遺伝的多様性の目録作りをリードしています。ノバルティス熱帯病研究所(NITD)は、2つのインドネシアの組織であるアイジクマン研究所と ハッサヌディン大学がパートナーとなり、シンガポールでデング熱と結核の研究を行っています。アストラゼネカは、自社のアジアにおける医薬品開発力を強化するため、シンガポールの国立がんセンター、国立大学病院(NUH)と連携して、アジアで流行している手術が不可能な肝細胞がん(HCC)のための抗がん剤を開発しています。今日、シンガポールは、マウスモデルでの前臨床開発と新規医薬品候補の初期段階の臨床試験が1カ所で実施できる世界水準の科学および臨床卓越性が確立しています。

 
 

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