工作機械産業は、シンガポールが積極的に推進している高度な知識集約型セクターの一つです。現在、シンガポールの工作機械産業は、シンガポールのみならず地域にとって、金型・ダイス型、航空宇宙、自動車、石油・ガスなどの重要産業を支える不可欠な役割を担っています。ヤマザキマザックシンガポールとマキノ・アジアは、R&D および製造などシンガポールで広範囲の業務を行っている大手工作機械メーカーです。
ヤマザキマザックは、世界最大の工作機械メーカーです。マザックは1988年にシンガポールに進出し、販売・マーケティング事務所を設立しました。1992年、同社は、シンガポールに海外初の製造工場を建設し、シンガポールでの業務を拡張して技術センターを工場内に設置、またコンピュータ制御の自動生産システムを組み込んだコンピュータ統合生産(CIM)工場も建設しました。1996年、マザックは国際市場向け小型高精度のCNC ターニングセンターの最終組立事業を行うため、シンガポール工場を拡張しました。 2005年、同社は東南アジアで同社初のサイバーファクトリーをシンガポールに大々的にオープンしました。サイバーファクトリーは、先進的なコンピュータ技術を使い、工場全体の統合を通じて、高い生産性を実現し、製造過程の在庫を削減できるのです。
日本に本社を置く同社がルブロンド・マシンツールという社名でシンガポールに初めて進出したのは1973年でした。それ以来、マキノ・アジアは成長し、中国、インド、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポールの各市場を統括するアジア本社となりました。シンガポールでの事業は、R&D、エンジニアリング、生産および業務管理がすべて統合されています。マキノ・アジアは、世界の市場に向けてSシリーズ、E シリーズのフライス盤、CNC 放電加工機(EDM)、CNC ワイヤカット機を生産しています。さらに、マキノ・アジアは顧客向けに完全なターンキーソリューションも提供しています。同社は、プロジェクトごとにチームを組成し、設計、生産計画、購買および請求を含むクライアントのニーズをチェックしています。マキノ・アジアは、シンガポール本社で約450人、シンガポール以外のアジア地域内でさらに550人を雇用しています。
シンガポールのサプライヤーの多くは、エレクトロニクスやハードディスクドライブ(HDD)セクターへ簡単な部品コンポーネントを供給する仕事からスタートしました。シンガポールの製造業全体が変貌するに従い、国内サプライヤーは能力を向上させ、航空宇宙、石油・ガス、医療機器および複合機器などの新規成長分野へ事業を拡大しました。例えば、国内のプラスティック会社、メイバン・グループ・リミテッドは、R&D と設計力を武器に、請負メーカーへ簡単なプラスティック射出成型サービスを提供する会社から成長してきました。MMI ホールディングズ・リミテッドとUMS ホールディングズ・リミテッドは、多額の投資を行い航空宇宙および石油・ガスセクターへ進出しました。国内サプライヤーは、世界市場における競争力を強化するために、製造工場の拡張も行いました。例えば、小さな工具メーカーだったHi-P インターナショナル・リミテッドは、今や、売上高9億シンガポールドル超、シンガポール、中国、メキシコ、タイ、ポーランドに25もの製造工場を持つ世界的なサプライヤーに成長しました。世界に通用する競争力を持ったこれらのサプライヤーの堅固な基盤は、シンガポールの複合製造業を支える重要な要素となっています。
半導体、LCD、太陽光発電などのハイテク産業へ生産システムを納入しているトップメーカー、アプライド・マテリアルズは、7,000万米ドルを投じてシンガポールにアジア・オペレーション・センターを設置しています。このセンターは、45ナノメートル技術ノード以下の最先端半導体チップを含む、様々な同社製品の主要な製造および統合センターとなります。同社のマイク・スプリンター社長兼CEO は、「シンガポールは、インドと中国を結ぶ重要な十字路にあたっており、盤石な交通・ロジスティクスのネットワーク、大規模なサプライヤー・ベース、優秀な労働者を有する、ビジネスに最適な場所であることがわかった」と述べています。アジア・オペレーション・センターは、同社の原料費削減およびサイクルタイムの短縮に役立つ一方で、マージ・イン・トランジットや世界的なサプライチェーンの能力を強化しています。