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EDB投資レビュー2009

2009年の投資実績、予想を上回る
2010年の見通しは前向き

 

成長するアジアの波に乗るシンガポール
世界的な景気後退の中にありながらも、強固なファンダメンタルズをもつシンガポールは2009年も資本・知識・イノベーション集約型の質の高いプロジェクトの誘致に成功しました。こられの投資案件は国内の産業クラスターを強化するだけでなく、新たな成長分野への参入も後押ししています。

 

急成長するアジアで商機獲得を目指しているのはアジア企業だけではありません。G3諸国の企業もシンガポールに本部機能や意思決定機能を移転することに強い関心をよせています。EDBの「Host-to-Home」ビジョンはまさにこのような企業戦略と合致するものです。

 

EDBは2010年もグローバル企業やアジア企業からの投資を引き続き拡大し、シンガポールをビジネス、イノベーションそして人材の拠点にしていきます。進出企業がアジアそしてグローバル事業戦略を進め、売上を増大する新たな価値を創出できるようビジネス拠点としての魅力をさらに高めていきます。「Host-to-Home」ビジョンの推進そして景気回復により、2010年の投資確定額は全体的に高くなると予想しています。

  

2009年の投資実績
2009年の確定済み固定資産投資額(FAI)および営業経費支出総額(TBS)はそれぞれ118億SGD(約7552億円)と68億SGD(約4352億円)で、昨年の当初予想額の上幅となりました。プロジェクト導入による年間付加価値創出額(VA)は125億SGD(約8000億円)を見込んでおり、これは予想額の100億―120億SGD(約6400億円―7680億円)を上回ることとなります。

 

これらの投資による雇用創出数は2万1900人で、そのうちの53%は製造業、そして残りは国際サービス業です。また創出される職業の69%は、専門職、管理職、エンジニア、研究員、技師、技術職となります。

 

表1:2009年投資指標 
<単位 10億SGD>
指標
2008
実績
2009
予想
2009
実績

年間付加価値創出額

(VA)

14.7
(約9400億円)
10.0-12.0
(約6400-7680億円)
12.5
(約8000億円)

固定資産投資額

(FAI)

18.0
(約1兆1520億円)
10.0-12.0
(約6400-7680億円)
11.8
(約7552億円)

年間営業経費支出総額

(TBS)

7.8
(約4992億円)
6.0-7.0
(約3840―4480億円)
6.8
(約4352億円)

雇用創出数

(高技術職)

16,400
12,000 – 15,000
15,200

 

G3諸国およびアジア・太平洋地域からの本部・地域本部機能移転プロジェクト
シンガポールは多くの欧米企業にとってアジアおよびグローバル戦略の事業拠点であり、アジア企業へは域内外に事業を拡大する土台を提供しています。2009年に域内外への事業拡大拠点としてシンガポールに本部、または地域本部機能を移転した企業は以下の通りです。(表2)

 

表2:2009年に発表された本部・地域本部
G3諸国
クインタイルズ(Quintiles)
米国
メドトロニック(Medtronic)
米国
ポール・コーポレーション(Pall Corporation)
米国
AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)
米国
ロールスロイス(Rolls-Royce)
英国
ユーロコプター(Eurocopter)
フランス
レミー・コアントロー(Remy Cointreau)
フランス
ゾディアック・エアロスペース(Zodiac Aerospace)
フランス
フランコチップ・ポスタリア(Francotyp-Postalia)
ドイツ
国際バカロレア機構(The International Baccalaureate Organization)
スイス
 
アジア・太平洋地域
AAC アコースティック(AAC Acoustic)
中国
リーニン(LI-NING)
中国
フォーカス・メディア(Focus Media)
中国
K S Oils
インド
NTTデータ
日本
日立データシステムズ
日本
アジリティー(Agility)
クウェート

 

2009年に発表、着工、開所された主な投資プロジェクト
2009年に着工、開所および発表された主なプロジェクトは以下の通りです。(表3)EDBでは製造業、研究開発、製品開発を中心とした資本・知識・イノベーション集約型プロジェクトに今後も力を入れ、高賃金で質の高い雇用を創出していきます。

 

表3:主な投資プロジェクト
3Mドラッグ・デリバリー・システムズ(3M Drug Delivery Systems)
米国
DDS(薬剤送達システム)研究開発施設の開所
CDM
米国
地域本部の設立および総合水資源・都市開発技術センターの開所
バクスター(Baxter)
米国
薬品工場の拡張を発表
アボット(Abbott)
米国
栄養食品工場の開所、栄養科学研究開発センターの新設を発表
ロールスロイス(Rolls-Royce)
英国
ワイド・コード・ファン・ブレード(WCFB)の製造工場を設立
シーメンス(Siemens)
ドイツ
都市開発問題を扱うソリューションセンターを設立
ABB
スイス
FPSO(浮遊式生産貯蔵出荷システム)のエンジニアリングセンターを開所
タタ・コミュニケーションズ
(Tata Communications)
インド
インターネット・データセンターの開設を発表
トゥアス・パワー(Tuas Power)
中国
熱電併給発電所を着工
セムコープ・マリーン
(Sembcorp Marine)
シンガポール
造船所の新設を発表

 

 

世界的な景気後退に対応する企業支援
EDBは雇用対策として、景気後退の中でも企業が雇用を維持し景気好転に向け科学、エンジニアそして技術分野の人材能力を強化する1億SGD(約64億円)の支援策「プレップ・アップ(PREP-UP)雇用プログラム」を2009年1月に発表しました。2009年末までに、5600万SGD(約36億円)の補助金が90社に支給され、2800人の雇用者の技能向上に充てられました。

 

2010年の投資見通し
景気が回復に向かいアジアを中心に投資が増大している状況を踏まえ、EDBはFAIを除く2010年の確定投資額は2009年を全体的に上回ると予測しています。しかし、G3諸国では需要が引き続き低迷しており、製造能力は未だ堅調な回復の兆しを見せていません。このことから、FAIの予測に関しては慎重な姿勢を保っています。

前向きな見通しの背景には、投資家から高い評価を得ている「Host-to-Home」戦略があげられます。EDBは、「Host-to-Home」戦略により、多くの企業がビジネス、イノベーションそして人材の拠点をシンガポールに築き、その結果、営業経費総額、付加価値額、高技術職数の増大という相乗効果が生まれると確信しています。進出企業が製造、研究開発、製品開発事業の拡張するにあたり、意思決定やイノベーションの発信、商品化活動をシンガポールで行い、またアジアやグローバル事業の拠点をシンガポールに築くことでアジア戦略のための人材をシンガポールで調達・育成するようになると期待しています。EDBの2010年の見通しは以下の通りです。(表4)

 

表4:2010年投資指標
<単位 10億SGD>
指標
2009 実績
2010 見通し
年間付加価値額(VA)
12.5
(約8000億円)
13 – 15
(約8320-9600億円)
固定資産投資額(FAI)
11.8
(約7552億円)
10 – 12
(約6400-7680億円)
年間営業経費総額(TBS)
6.8
(約4352億円)
7 – 9
(約4480-5760億円)
創出数(高技術職)
15,200
14,000 – 17,000

 

 

終わりに
「二つの大きな動きが世界経済を形成している。一つは世界経済におけるアジアの台頭。そしてもうひとつはアジア企業のグローバル化だ。多くのグローバル企業はシンガポールをアジア事業戦略の策定と事業運営を行う戦略的なビジネス拠点として見ている。成長著しいアジア企業では地域化そして国際化が進んできている。EDBの2010年の目標はこの二つのグループの企業とのかかわりを深め、これら企業の事業、イノベーション、人材管理活動をシンガポールに広げていくことだ。「Host-to-Home」戦略は企業との長期的な関係作りのためのベースとなる。これにより多くの投資を誘致し、産業クラスターの競争力が高まり、グローバルなビジネスロケーションとしてのシンガポールの地位が確固たるものになるだろう」とレオ・イップ長官は述べています。


*記事中の通貨換算レートは、1シンガポールドル(SGD)= 64日本円(2010年1月27日現在)で算出しています

 

投資プロジェクトの詳細は次のURLにご参照ください。http://www.edb.gov.sg/edb/sg/en_uk/index/news/articles/edb_year_2009_in_review.html(英文)



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