新興ビジネス

ライフスタイル製品・サービス

ライフスタイル製品・サービス

シンガポールは世界でも暮らしやすい場所の1つとされていて、その国際色豊かな国民を通して、世界のライフスタイルのニーズを把握することができます。優れたビジネス環境を誇るシンガポールは、世界的な成功を目指すライフスタイル産業の活動拠点および国際拠点となるでしょう。

豊かさを増すアジアの中心に位置するシンガポールは、多様性にあふれ、洗練されたライフスタイル製品やサービスを求める消費者にとって魅力的な玄関口となっています。成長しているライフスタイルビジネスの例として、美術品・収集品、スポーツ関連企業等が挙げられます。

ビジュアル・アーツ

オークションハウスから、美術保存修復管理、美術品ロジスティクス、美術品投資会社、美術品印刷に至るまで、美術品や収集品を扱う様々な企業がシンガポールに拠点を設け、アジア太平洋地域の市場に貢献してきました。2004~2008年の間に、こういった企業の営業収益は30%という高い成長率を記録しました。

高価な美術品や収集品の管理・取引を行うアジア最大の高セキュリティ倉庫施設「シンガポール・フリーポート」が2010年5月に稼動、美術品大手クリスティーズはこのフリーポート施設内に「クリスティーズ・ファインアート・ストレージサービス」を設立して世界中の顧客に保管サービスを提供しています。コイン、切手、メダルや紙幣など収集品専門の大手競売会社スピンクは、拡大するアジアの収集品市場に参入する足がかりとして、シンガポールを選びました。

さまざまに展開するシンガポールのアートシーンは、進出する美術品関連企業を大いに刺激し、プラスになっています。世界最大の現代アートフェア「アート・バーゼル(スイス)」のアートディレクターを務めたロレンツォ・ルドルフ氏2011年1月、第1回アート・ステージ・シンガポール」を手がけ、シンガポールアジア太平洋地域の芸術拠点と位置付ける初の一大イベントとなりました。同フェアには、躍進めざましいアジアのアート市場の有名画廊や、欧米の国際的な一流ギャラリーが集結し新進気鋭のアーティストや著名アーティストの作品を通して、ここシンガポール東洋と西洋の芸術の交流地点となっています。

シンガポールは東南アジアの美術に焦点を当てた国立美術館を2015年にオープンする予定です。この新美術館によって、シンガポールが東南アジア美術の振興、調査、研究、展示の中心地となることが期待されています。一方、スクール・オブ・ジ・アート(SOTA)はシンガポール初の国立高等芸術専門学校として設立され、13~18歳を対象として6年間、独自の総合的芸術と教育カリキュラムを提供しています。同校はあらゆる分野における次世代の芸術家やクリエイティブ・プロフェッショナルの育成に邁進します。

舞台芸術

シンガポールの舞台芸術シーンは多様で活気があります。シンガポールでは、シンガポール芸術祭、モザイク・フェスティバル、シンガポール・サン・フェスティバル、さらにLIVE!シンガポールやConversAsians等の主要なイベントが年間7500公演あり、これにより世界最高の芸術家や芸術団体がシンガポールを訪れます。また、シンガポールは、インターナショナル・ビジティング・プロダクションの開催地となり、テンペスト(The Tempest)の世界ツアーにおいて、アジア初で唯一の滞在地となったほか、世界最高峰のフラメンコダンサー・マリア・パヘスと振付師シディ・ラルビ・シェルカウイによる、フランメンコとコンテンポラリー・ダンスの作品「Dunas」の上演(2009年エスプラネード・ダンスフェスティバル)など、国際的作品のワールドプレミアを開催しています。加えて、イ・ラ・ガリゴ(I La Galigo)やヴィレッジ(The Village)の様に世界的な成功を収めたアジアのコンテンツの共同制作をしました。

この活気あふれるアートシーンを支えているのが、世界トップレベルの芸術のインフラです。シンガポールには劇場が56箇所あって、その総収容人数は44,000以上、2つの総合リゾートと劇場「エスプラネード」では大規模なミュージカルやロングランのショーを開催することもできます。シンガポールはアジアの文化や芸術の発展のためのプラットフォームとしても国際的な注目を集めています。ニー・アン・ポリテクニック、スクール・オブ・アーツ、ラサール芸術大学といった地元や海外の芸術教育機関は、優秀かつ信頼性の高い育成基盤として舞台芸術の人材や専門家など、豊かな人的資源の構築に役立っています。

このビジネスチャンスに注目したアイエムジー・アーティストやベースド・エンターテイメント等の国際的な製作会社は、シンガポールを地域のビジネス活動の拠点として、そしてアジアでのビジネスの足がかりとして選択しています。また、英国クリエイティブ・テクノロジー、アラップ音響、アンユージュアルグループ・オブ・カンパニー、アリーナ・ホーガン・ビルダーなど専門サービスを担う強力なサポート基盤もあります。

スポーツ

アジア太平洋地域のスポーツ産業は、2011年までに推定267億シンガポールドル、年間6.5%成長すると予想されます。シンガポールでは、2015年までに20,000人がスポーツ関連事業に従事し、スポーツ産業のGDPへの貢献は20億シンガポールドルに達すると予測されています。2009年、シンガポールは市内各地で700以上の国内または国際試合等スポーツイベントを開催し、2010年4月に開催されたスポーツアコード国際会議にて世界第2位のスポーツ都市に選ばれました。

シンガポールは、スポーツ関連企業がアジア太平洋地域で事業を展開するにあたって、ビジネスに有利な環境が整ったシンガポールを大いに活用してもらいたいと考えています。

国際的なスポーツ用品大手メーカー「ナイキ」の傘下にあるスポーツシューズ・ウェア専門アパレル企業「コンバース」は、国際取引業務を統合して域内へ事業を拡大する足がかりとしてシンガポールを選んでいます。特に注目すべきは、コンバースの国際ビジネス企画部門、そしてサプライチェーン管理部門がシンガポールの拠点に集約されることにあります。

アジアで開催されるイベントの増加とインフラの整備にともなって、シンガポールはスポーツマネジメント企業の注目を集めるようになりました。アジアトップクラスのスポーツマネジメント企業ワールド・スポーツ・グループは、国際本部をシンガポールに置いてクリケットのインディアンプレミアリーグなど主要スポーツの運用権の管理にあたっています。同社はアジア・サッカー連盟の専属マーケティングパートナーも務めています。スポーツエージェントの国際大手エムピー&シルバは、世界最大の収益を誇るプロサッカーリーグ、イタリア・セリエAのメディア使用権を管理しています。同社は中東やアジアに向けたスポーツの商品化、イベント運営やメディア使用権を、シンガポールの拠点を活用して運用しているのです。

スポーツ関連のトレーニングサービスの需要拡大により、マンチェスター・ユナイテッド・サッカー・スクール(MUSS)は、東南アジア拠点(MUSS SEA)をシンガポールに設立しました。日本や韓国などさまざまな国からの若者が参加するサッカー・クリニックやトーナメントがMUSS SEAで開催されています。

こういったビジネスが、シンガポールで展開されるスポーツのインフラや活動の基盤をますます強化することになります。 今後予定される最新のスポーツハブやチャンギ・モータースポーツ・ハブも、スポーツ業界におけるシンガポールの国際的な位置づけを決めるものとなるでしょう。

35ヘクタールの広さを誇るシンガポール・スポーツ・ハブは、エリートスポーツ選手やスポーツイベントの拠点となって、シンガポールがアジアの中心地としてスポーツビジネスやイベントの分野でも発展していくための礎となります。

シンガポールは、F1のナイトレースや2010年の世界初ユース・オリンピックなど、数々の国際的な人気スポーツイベントの開催地になりました。2015年には第28回東南アジア(SEA)競技大会も開催されます。

注目の人、製品、場所

ポール・ベネット、IDEOチーフクリエイティブオフィサー

ポール・ベネット、IDEOチーフクリエイティブオフィサー

ポール・ベネット氏はシンガポールで育ち、米国ブルーミングデールズのアートディレクターおよび同氏が共同設立したニューヨーク拠点のブランディング事務所nickandpaulでの勤務期間を経て、デザイン会社IDEOのアジア拠点(他に東京、上海、ムンバイ)を立ち上げるためにシンガポールに戻りました。

IDEOはシンガポールにおいてチャンギ病院をはじめとする数々のクライアントを有しています。チャンギ病院には、机にL字型の穴を設けて杖を立てかけておける工夫も取り入れています。

このようなアイデアは、小さな工夫で大きな変化もたらします。「シンガポールはとてつもなく楽観的な場所です。変化が可能であるという信念を基にしている国です。シンガポールはものの見方の創造と変革を続けています」とベネット氏は語ります。

ベネット氏は社会を良くするためのアイデアを誰もが売り込めるOpenIDEOというフォーラムを展開中です。「シンガポールには、この種の参加型イノベーションと貢献に対する非常に高い関心がある土地です」とベネット氏は述べています。

ソフシェルの防護服 ボディアーマーのパッド

ソフシェルの防護服
ボディアーマーのパッド

ソフシェルは、巧みな技術を駆使してボディアーマーを根本的に変えようとしている新興企業です。ソフシェルチームは、A*Star(シンガポール科学技術研究庁)の支援を得て革新的なパッドを開発しました。この衝撃力を吸収かつ分散する素材は、市場にある他の製品とは違って強い衝撃にも耐えられます。「新興企業として、当社は非常に恵まれています」とソフシェルのCEO、エルジン・ヤップ博士は述べています。「A*Starには技術の商品化の実績を持つチームがあり、今年初め正式に独立するまで補佐していただきました。」最も有望な適用例の1つは、防弾チョッキです。防弾素材と組み合わせた場合、ソフシェルは弾丸の衝撃を顕著に抑えることができます。

ギルマンバラックス 現代美術

ギルマンバラックス
現代美術

ギルマンバラックスは、現代美術の新しい拠点であり、美術界において外せない訪問地としてシンガポールを位置づけるものです。旧軍事拠点を作り変えた6.4ヘクタールにおよぶ丘陵地のいたる所に、美しく修復された植民地時代の建物があり、国際的なギャラリーが数多く入っています。最終的には美術研究所および居住プログラムもその目玉となる予定です。「ギルマンバラックスは、シンガポールに限らずアジア内のエコシステムを開発するために構想されました」と経済開発庁(EDB)のライフスタイルプログラムオフィスのプログラムディレクター、ユージン・タン博士は述べています。「アジアにある美術センターおよび美術市場を補完し、ここシンガポールに研究および制作用のセンターを設立するものです。」

アジア、ヨーロッパおよびアメリカ各地から収集された美術品を展示する13のギャラリーが9月にオープンしました。来年にはさらにギャラリーが2ヶ所オープンする予定です。ベルリンのマイケルヤンセンギャラリーと日本の小山登美夫ギャラリーにシンガポールで初めてスペースを提供している点も注目です。セバスチャン・サルガドからパブロ・ピカソまで著名人は他にもここに名を連ねています。ギルマンバラックスには全部で19のギャラリーが入居する予定です。「シンガポールには国際的に重要な美術の中心地になる見込みがあると思います」とタン博士は述べています。「将来的にギルマンとシンガポールは、東南アジアの芸術家達が国際的な舞台に立つための現実的なプラットホームになれると考えています。」

モノクル誌の協力のもと、EDBは比較的小規模な国土面積や人口をものともせずシンガポールを高水準の国に押し上げている人、場所、製品を紹介します(モノクル誌で出版された内容となります)。

天然資源

天然資源

天然資源産業の拠点としてシンガポールの展望は急速に実現化に向かっています。資源が豊富なアジアにおけるその戦略的な有利性から、世界有数の天然資源企業がシンガポールに拠点を置くことを決めています。

EDBの天然資源戦略は、水産養殖、農業、金属、鉱物の分野を広く網羅しています。こういった資源の国際的な需要を満たし、将来的な持続可能性を確実にする技術を創出する中核となることをシンガポールは目標としています。そして現在、多数の国際企業が次々と参入し、事業を展開しています。シンガポールの農産物関連企業の多くは輸出入にとどまらず、ビジネスバリューチェーンにそって、マーケティング、貿易金融、輸送、シェアードサービスをはじめ、幅広くビジネスを確立しています。

世界の消費・生産傾向は次第に欧米からアジア太平洋にシフトしています。シンガポールはアジア太平洋地域の中心に位置し、農産物のトップ企業数社が拠点を置いているため、農作物や天然資源分野の企業にとってシンガポールは事業の中心地として魅力的なロケーションとなっています。国際ビジネス都市として財政、物流、海運、ビジネスに有利な環境や政治・経済の安定、効率的な法規制、優秀な人材に裏付けられたシンガポールの貿易インフラと国際協定の統合ネットワークは、企業がシンガポールに地域事業本部を置く際に重要なポイントとなっています。

セキュリティ関連産業

セキュリティ関連産業

国民の安全そして安心した暮らしを守ることは、どの国においても最重要課題です。物理的な安全からサイバー犯罪、民間防衛など様々な問題が急速に広がり、より革新的なソリューションが求められるようになっています。英市場調査会社ビジョンゲインが発表した報告書「国家安全保障市場2011-2021年」によると、国家安全のための政府支出総額は年間2,000億USDと推定されています。急速に都市化が進むアジアでは、セキュリティ関連市場が著しく拡大しており、2015年までの複合成長率は年8%と予想されています。(出典「アジア太平洋地域ホームセキュリティ市場2011年」米調査会社フロスト&サリバン)

シンガポールは世界でも有数の安全な国のひとつとされています。少ない汚職、高い生活水準、信頼性、法規の遵守、知的財産の保護などが高く評価され、例えば世界経済フォーラムの「国際競争力ランキング2012-2013年」では、シンガポールの警察は信頼性において世界第3位、アジアではトップにランクされています。高い信頼性を勝ち得た理由は、市民を守るという強い信念です。安心と安全を維持するために、日々技術革新に邁進し急速に変化する課題に立ち向かっています。

EDBは内務省(MHA)と連携し、シンガポールでセキュリティ産業を推進する戦略的機関「セキュリティ産業プログラムオフィス(SSIPO)」を立ち上げました。MHAが中心となって国土の安全や都市化に関する諸問題を特定し、セキュリティ関連企業と協力してソリューション開発を行っていきます。EDBの役割は官民連携を通じて企業が公的機関と協力できる土台作りを進めることで、企業が開発したソリューションをシンガポールの生きたビジネス環境で実証できるようにします。企業はシンガポールを通して多様なアジア環境にアクセスできるという利点があり、地域特有のニーズにあったソリューション開発やカスタマイズ化を実施することができます。シンガポールにとっては、セキュリティ関連の技術革新が進むことで、住みやすい、ビジネス活動がしやすいより安全な国にすることが可能となります。

シンガポールには現在200社以上のセキュリティ関連企業があり、バイオメトリクス、海洋・航空セキュリティから火災予防まで様々なソリューションを提供しています。仏タレス、独ボッシュは研究開発拠点をシンガポールに新設、また米NICEシステムズなどはシンガポールにアジア地域本部を設置し、成長著しい地域への足がかりとしています。またSTエンジニアリング、NSC、サーティスシスコ(Certis Cisco)など地元有力企業もシンガポール内外で事業を拡大しています。企業は、産業集積が生み出す相乗効果に加え、シンガポールのエレクトロニクス、情報通信、エンジニアリング分野の強固な産業基盤を活用することもできます。

シンガポールはセキュリティ関連分野においてアジア太平洋地域の先駆者として頭角を現しています。インターポール(国際刑事警察機構)はシンガポールにグローバル活動を強化する施設「Global Complex」を新設します。ここでは最先端の技術を導入して、犯罪や犯罪者の特定、革新的な研修、活動支援や捜査連携などの研究を行います。仏リヨンにある本部の事務総局を補完するもので、2014年に活動を開始します。

SSIPOはセキュリティ関連企業のシンガポールへの誘致を積極的に進めています。同時に、地元セキュリティ企業を支援し、より多くの企業や研究機関がシンガポール内外のニーズにあった革新的なソリューションを開発して、アジアをはじめ世界各国にシンガポールの技術力を輸出できるよう後押ししています。

シンガポール・リアルタイム

シンガポール・リアルタイム

シンガポールでは、リアルタイムでビジネスデータを活用できる活発な都市づくりを目指す取り組みを実施しています。リアルタイムでのデータ利用性を高めることは、企業に事業効率性の向上や新たな価値を生み出す革新的なビジネスソリューション創出の機会をもたらします。同時にスマートシティーに向けたソリューション作りを推進し、シンガポールの都市機能の効率性を高めてより住みやすい都市への改善を進めています。

EDBは企業とデータ事業者、エンドユーザー間の連携を働きかけ、新しいソリューション開発の支援を行っています。開発されたソリューションは、リアルタイムでデータを活用する新たなビジネスモデルやプラットフォーム、スタンダードを作り出す動きを加速することとなります。シンガポール国内で他都市でも応用できるソリューションを開発し、将来的に輸出することを目指しています。

宇宙

宇宙

宇宙技術・産業企画室(OSTIn)

シンガポールの宇宙産業の発展を推進する専門機関として、シンガポール政府は2013年2月に宇宙技術・産業企画室(OSTIn)を開設しました。

EDB長官ベー・スワンジン(Dr Beh Swan Gin)が率いるOSTIn運営委員会は、次の各省庁によって構成されています。

• シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)

• シンガポール経済開発庁(EDB)

• 情報通信省(MCI)

• 防衛省(MINDEF)、教育省(MOE)

• 外務省(MFA)

• 通商産業省(MTI)

• 運輸省(MOT)

• 国家研究基金(NRF)

OSTInは以下の使命を掲げて開設されました。

• 宇宙関連分野の研究開発促進をはじめ、シンガポールの宇宙産業の継続的成長を促す経済戦略を計画し実行する。

• 宇宙関連の国際機関や関係企業との協力を促進するなど、宇宙産業においてシンガポール国内のみならず国際的な協力体制を作る。

• シンガポールの人材育成を支援し、宇宙産業に貢献する。

 

シンガポールの宇宙産業概観

衛星技術の開発

シンガポールは2011年に、南洋工科大学(NTU)が設計・開発した国産の衛星打ち上げに東南アジアで初めて成功しました。ST Electronics(Satellite Systems)はこの技術を商用化し、高度な地球観測衛星の設計と開発、製造を行っています。

シンガポールは大手衛星サービスプロバイダーに機器を供給しているアイディレクト(iDirect)、アドバリュー・テクノロジーズ(Addvalue Technologies)、アンプラス・コミュニケーション(Amplus Communication)など通信機器メーカーの拠点にもなっています。各社ともシンガポールでパートナーと提携し、衛星機器開発を意欲的に進めています。

地球観測アプリケーション

現在、デジタルグローブ(DigitalGlobe)、ジオアイ(GeoEye)、スポットイマージュ(Spot Image)など主だったグローバル企業が、画像配信および地域ビジネスの統括を目的としてシンガポールを拠点に活動しています。また、シンガポール国立大学のリモートセンシングセンター(CRISP: Center for Remote Imaging, Sensing and Processing)が、Synthetic Aperture Radar(SAR)や、マルチ/ハイパースペクトルデータ解析などの分野で研究を進めており、都市開発、海洋・沿岸観測、気候変動、災害監視や農業への応用研究に役立てられています。

衛星通信サービス

シンガポールは、インマルサット(Inmarsat)、スラーヤ(Thuraya)、インテルサット(Intelsat)、SES、シンガポール・テレコム(SingTel)など、アジア地域でビジネスを展開している多数の衛星運用企業と通信サービスプロバイダーの統括拠点にもなっています。この分野の企業は、シンガポールの情報通信や海洋・宇宙産業における強み、海と空の主要航路に位置する地理的な優位性を十分活かして、ビジネスとイノベーションを展開しています。

衛星技術・サービスを超えて

宇宙は魅力的で新しいチャンスに満ち溢れています。技術の進歩の結果、準軌道宇宙飛行の可能性がさらに高まる中、航空宇宙旅行の未来に革命が起こる日も遠くはないでしょう。

欧州宇宙最大手EADSアストリウム(Astrium)は、シンガポールを拠点とする企業や機関と協力し、準軌道宇宙飛行機開発プログラムの実現に向けた取り組みをしています。

宇宙産業が進化・発展し続ける中で、OSTInは技術革新の機会を提供する世界中のパイオニア企業や関係機関との連携を積極的に進めていきます。

シンガポールの宇宙機構・企業との協働

世界の宇宙産業市場規模は推定約2,900億米ドル(2011年)と言われ、まだ多くのチャンスとさらなる発展の可能性を秘めています。宇宙開発を構想する国や企業は、良好なビジネス・研究環境が整ったロケーションを求めています。

OSTInはシンガポール国内と海外の宇宙関連機関・企業が協力しあうことで、ともに宇宙への進出を実現することを目指しています。

補完的な研究開発パートナーシップを通した費用効率の高い革新的ニッチ・ソリューションの開発

宇宙関連技術を新たに開発し、専門性を高めようとしている国や企業にとって、技術の壁を乗り越えることはひとつの大きな課題です。そのような国や企業は、即戦力になるパートナーを常に探し求めています。すでに宇宙開発に着手していながらも、さらに一歩進んだ立ち位置を確保したい国や宇宙関連企業は、費用効果の高いニッチ、革新的なソリューションを開発するための補完的な専門性を求めています。

そのような中、特に衛星分野での宇宙技術開発に取り組もうとしている宇宙関連企業は、研究開発分野におけるシンガポールの強みを十分に活用できるでしょう。

衛星機器
衛星機器、センサーシステムやその素材の開発に取り組む宇宙関連機器メーカーは、シンガポールの公共研究機関と協力することができます。例えば、データストレージ研究所(DSI: Data Storage Institute)やマイクロエレクトロニクス研究所(IME: Institute of Microelectronics)などシンガポールの研究機関は、メモリーシステム、微小電子機械システム(MEMS)、そしてパワーアンプなどに関する豊富な専門知識を有しています。企業はDSIやIMEと協力して不揮発メモリーシステムや宇宙用高周波パワーアンプをベースとしてMEMSを開発することが可能です。

衛星インテグレーション
ST Electronics(Satellite Systems)など商用衛星インテグレーション企業のほかに、小型衛星の開発に取り組もうとする宇宙関連企業は、シンガポールの大学と協力することもできます。

現在、南洋工科大学とシンガポール国立大学は、マイクロ/ナノ衛星開発プログラムを運用しています。編隊飛行、高度・推力サブシステム、そして選択的クリティカル冗長性の開発をはじめとするさまざまな研究がおこなわれています。

衛星ベースのサービス
知的レベルの高い衛星ベースサービスが開発されるにつれ、莫大な量のデータを管理、処理、分析する必要性が生じます。データの管理・解析を実施する宇宙関連企業は、シンガポールの主要な研究機関と協力することが可能です。

一例として、シンガポール国立大学のリモートセンシングセンター(CRISP: Center for Remote Imaging, Sensing and Processing)は、SARおよびマルチ/ハイパースペクトルデータ分析を行っています。信号処理や、データ管理・解析アプリケーション開発を専門としているその他の研究機関としては、インフォコム研究所(I2R: Infocomm Research)やハイパフォーマンスコンピューティング研究所(IHPC: Institute of High Performance Computing)が挙げられます。

アイデアを現実化する専門知識の育成

コスト削減を図らず、商用化のチャンスを有効活用せずに宇宙技術の開発を行うことは、宇宙関連企業の長期的な持続可能性を妨げることにつながりかねません。宇宙産業でイニシアチブをとりたいと考えている宇宙関連企業はシンガポールでそれを実現できます。

アジア、そして世界の宇宙開発市場への参入を目指している宇宙関連企業は、シンガポールの優れたネットワーク性と安定した地理的・政治的環境を活用して、拡大しつつある宇宙産業向けの衛星や衛星アプリケーションを開発することができます。

企業が衛星ソリューションの開発、実証、商業化を成功させるためには企業、研究施設、政府機関との間に開かれた連携システムが必要です。企業はシンガポールでさかんに行われている連携システムを利用して衛星ソリューションの開発、実証、商業化を実現させることができます。これは、災害管理、鉱物探査、精密農業での遠隔探査や海上・航空宇宙通信を可能とする衛星通信に役立てられています。

大きな資本を必要とする宇宙プロジェクトでは、宇宙関連事業の構想に取り組む宇宙関連企業にとって財政面での支援も重要です。その点において宇宙関連企業はアジアの金融の中心地シンガポールでプロジェクトの資金を調達し、節税効果の高い有利な環境を活かして、成功に向けて前進することができます。

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