精密工業

精密工業

精密工業 業界概要

製造業の基幹

精密工業は、航空宇宙、石油・ガス、医療機器、エレクトロニクスなど多様な産業の発展に貢献する重要な技術です。超小型の半導体チップから最先端の医療機器、また石油掘削用超大型ドリルビットの製造には不可欠の技術なのです。

シンガポールの精密工業は、1970年代に第1号となった製造業投資の支援から始まりました。現在、精密工業には中小企業(SMEs)から多国籍大企業(MNCs)まで約2,700社があり、シンガポールにはハードウェアだけでなく、これらの企業の本社機能やR&D部門も置かれています。

優れた精密工業の世界的中心地、複合製造業の一大拠点

グローバル企業とのパートナーシップ
シンガポールの精密工業は、下請メーカーから、設計、試作品製作、生産およびサプライチェーン・マネジメントを行う総合ソリューション・プロバイダーまで、様々な分野の企業で構成されています。このセクターのユニークな強さが、シンガポールを航空宇宙、半導体機器、石油ガス機器などの分野で、世界のリーダーの地位に押し上げたのです。

地域とのつながり
シンガポールの精密工業が盛んである背景には、企業が強力なサプライヤー基盤および地域との広範囲なつながりを活用しているという現状があります。また、シンガポールの強固な研究開発のインフラによって、企業が競合他社より優位性を得ることができるのも、重要な点として挙げられます。

製造業 – シンガポール経済の屋台骨

製造業は、GDPの約25%を占めるシンガポール経済の主要エンジンです。基幹産業のセクターとして、エレクトロニクス、化学製品、生物医科学、情報通信およびメディア、ロジスティクス、航空機、船舶・海洋工学があります。

シンガポールが製造業のロケーションとして競争力が強まるにつれて、製造業への固定資産投資額は増加し、過去の記録を更新しています。世界的な不況の中、2009年末には118億シンガポールに達しました。

クリーンエネルギー、環境および水、天然資源など新規分野の成長が既存の主要セクターを補完しています。また、オセアニア、中国、インドなど新しい地域からの投資が拡大しています。

複合製造業の技術

精密工業は、複合装置、船舶、航空宇宙、石油・ガス、医療機器など多くの産業にとって不可欠な技術です。この技術があればこそ、複雑な部品から高度な機械類(超小型半導体チップから、人工心臓、深海探査用の頑丈なドリルビット、複雑な航空機エンジンまで)の設計および製造が可能になるのです。シンガポールは、冷却コンプレッサでは世界の約10%、補聴器では30%、半導体業界で使われるワイヤボンダの約70%を生産しています。また、シンガポールは石油・ガス設備の生産および航空宇宙機器の整備、修理、オーバーホールではトップの地位を占めています。

幅広い能力
シンガポールの精密工業は、当初単純な請負メーカーから出発し、現在では設計、試作品製作、生産およびサプライチェーン・マネジメントの高い能力を背景にソリューション・プロバイダーへと発展しました。サプライヤー・デベロップメント・イニシアティブ(SDI)では、サプライヤーに対して能力向上と大企業との連携を促しています。これにより、半導体機器のOEM メーカー、航空宇宙、医療技術、エレクトロニクスの各セクターは、シンガポール国内の請負メーカーやサプライヤーと取引関係を構築することができるのです。精密工業には約2,700社あるため、シンガポールは多彩な製品・サービスの提供が可能です。

熟練労働者
シンガポールは、ビジネスニーズに応えられる優秀な人材が豊富です。労働者の能力を常に向上させ、将来見込まれる需要に対応できるよう準備しています。2007年10月、7,600万シンガポールドル規模の精密工学マンパワー・イニシアティブがスタートしました。これにより精密工業への新世代の人材の呼び込み、そして精密工業のマンパワー・ベースの能力向上と充実をめざしています。また、このイニシアティブの一環として、2010年1月、精密工業のプロフェッショナルを育成するためのデジタル・精密工学センター(CDPE:Centre for Digital and Precision Engineering)を南洋理工大学に設立しました。

業界データ

  • シンガポール精密工業の2009年の生産高は、183億シンガポールドル(製造業全体の約9%)でした。同年の同産業の付加価値は56億シンガポールドルに上りました。
  • 精密工業の2009年の雇用者数は9万1,300人で、製造業全体の22%を占めました。これは、SMEsから大規模MNCsまでの約2,700社の数字です。
  • 精密工業がユニークな強みとなり、シンガポールは世界的なリーダーシップを取るに至りました。例えば、バックエンド半導体装置の生産量では、シンガポールは世界の10%超を占めています。さらに、シンガポールの精密工業の力により、ウエハー製造企業のトップ10のうち9社がシンガポールに進出し、国内サプライヤーから大量の調達を行っています。
  • シンガポールでは、ナノサイズの欠陥を発見できるウエハー検査装置を製造しています。これは、大きさで例えれば、地上に置いた白い毛の束を約2000フィート上空、つまりシンガポール・フライヤー(世界最大の観覧車)の4倍ほどの高さから見つけるようなものです。

関連リンク(英語)