今回はシンガポールにおいて、コロナ後の旅行を楽しんでもらうファンづくりに臨む航空会社の取り組みをご紹介しよう。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的な旅行需要の消失が起きている。とりわけロックダウンや入国制限による航空業界への影響は甚大で、世界各国の航空会社はワクチン接種後の旅行需要の回復を見越して、さまざまな取り組みを行っている。
2021/03/26
今回はシンガポールにおいて、コロナ後の旅行を楽しんでもらうファンづくりに臨む航空会社の取り組みをご紹介しよう。
シンガポール航空はコロナ禍において旅行需要が戻った際のきっかけとなるさまざまな取り組みを行っている。数週間にかけて行われた「Discover Your Singapore Airlines」という取り組みは、空の旅ができない代わりに、体験を通してシンガポール航空のファンになってもらうというもの。全部で3つの企画で行われており、そのうちの一つが機内食レストラン“Restaurant A380@Changi”だ。これは昨年2020年10月24日、25日、31日、11月1日の4日の期間限定で行われたもので、世界最大級の大きさを誇るエアバスA380型機で、座席のクラスに応じた特別食を味わうことができる。さらにメニューの中にはシンガポールで有名なシェフ、シャーメイ・リー氏が特別に考案したとされる中華とマレー料理が合わさった伝統料理「プラナカン料理」も選択できる。クラスはエコノミークラスの53.5シンガポールドル(約4,300円)からスイートクラスの642シンガポールドル(約51,000円)のメニューまで幅広く、この画期的な取り組みは公開後30分で売り切れてしまうほどの人気であった。またこのツアーでは食事の前にエアバスA380を見学できる限定ツアーの開催や、限定ギフトといったプレゼントも行われた。シンガポール航空の機内食はメニューも豊富で世界的にも有名だが、その背景には有名料理人が機内食を監修しているという点が挙げられる。例えば、ミシュラン3つ星の京都の老舗料亭「菊乃井」の村田吉弘氏や、同じくミシュラン3つ星のフレンチのシェフジョルジュ・ブラン氏が監修を務めている。こうした有名シェフによって監修された機内食を自宅でも味わってもらおうと始めたサービスがSIA@ホームだ。ファーストクラスとビジネスクラスの全10種類のメニューが選択できて、ワインやシャンパンもついてくる。さらにシンガポール航空は機内食以外に、シンガポール航空の舞台裏を知ってもらうツアー「Inside Singapore Airlines」を開始した。このツアーは家族向けのツアーで、シンガポール航空の歴史やパイロット、客室乗務員が受けているトレーニングなど、航空会社の舞台裏を体験できる。大人向けにはフライトシミュレーターの体験や機内用ワインの試飲、子供向けのバルーンアートや客室乗務員の仕事体験など、ファンになってもらうための豊富なアクティビティーが楽しめる。
一方、シンガポールでは日本航空(JAL)もファン向けのサービスを提供している。これはJR東日本が運営する飲食店で機内食を提供するサービスで、2021年1月2日から31日までの期間限定で行われた。シンガポール中心部タンジョンパガー地区で運営するジャパンレールカフェで提供されたもので、食事は1日600食の限定で、提供されるメニューは上記でご紹介したシンガポール航空の機内食を製造するSATSによって用意された。メニューの内容は日本食をベースにしたもので、サーモンの味噌焼きや冷やしうどんなど、新型コロナ後の、日本への旅行を思い起こしてもらえる内容となっている。国際航空運送協会(IATA)の発表では、2020年における航空旅客数は新型コロナが拡大する前年比で約6割減の18億人、2021年は28億人に回復すると見られており、ワクチンの接種による鎮静化で徐々に旅行ニーズが回復していくと予測されている。こうした未来を見据え、シンガポールではファンづくりのためのサービスが着々と行われている。
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