またNEWRIは設立以来、セムコープ(Sembcorp)や東レなどの大手企業とのパートナーシップを確立し、ベトナムのハイフォンでは、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)と研究・教育関連での共同研究を行っています。
近い将来に水不足の脅威が迫りくる中、研究開発では商業的に実行可能な水ソリューションへの変換が不可欠であり、ここ数年にわたり多数の水事業会社と政府機関との共同開発にてそのような取り組みが行われています。
シンガポールの水事業会社ハイフラックスは、2005年9月にシンガポール初の海水淡水化施設となるシングスプリング淡水化プラントを建設し、水イノベーションのパイオニアとして広く認知されています。シンガポールの水需要の約10%に対応している同プラントは、世界で初めて膜技術も使用しました。
シンガポールで最もよく知られているもう一つの水プロジェクトがNEWaterです。2000年に最初のNEWaterプラントを設立し、精密ろ過、逆浸透、紫外線殺菌技術を使用して排水処理を行い、飲料水を製造しています。専門家は、2060年までにシンガポールの水需要の55%がNEWaterによって満たされると期待しています。
さらにシンガポール東部には、最先端技術を有する世界最大級の水再生プラントであるチャンギ水再生プラントがあります。同プラントは1日当たり1億7,600万ガロンの水を処理でき、処理された水は海に放出されるか、飲料水に加工するためNEWater施設に送られています。
6月初旬、水供給の自給自足を達成しているとして、シンガポール環境・水資源省のマサゴス・ズルキフリ(Masagos Zulkifli)大臣がブルームバーグにて紹介されました。しかしそれにもかかわらず、シンガポール政府は、今後5年間で水産業に2億SGD(160億円)を投資し、先手を打ち続けます。