半数近い人が代替肉を認知し購入意向を持つ時代に
欧米を中心にブームが起きている代替肉。日本国内でも、マクドナルドやモスバーガー、ケンタッキーフライドチキンなど大手外食チェーンが代替肉の使用を開始し、大塚食品、伊藤ハム、日本ハムをはじめとする食品メーカーが続々と市場に参入するなど急速な広がりを見せている。
そうした現状、すなわち代替肉への関心の高まりを裏付けるデータがある。日本食肉消費総合センターが、代替肉のなかでも現在市場に出回っている植物肉への認知度や、消費者の意識の違いを探ることを目的に2020年に実施し、日本に暮らす1,800人から回答を得た意識調査だ。
調査対象期間は2020年10月下旬。「20歳以上、かつ本調査時点までの間に食肉(牛肉/豚肉/鶏肉)を自身で購入し食した方」を対象者にインターネット調査を実施。それによると、代替肉(植物肉)の認知度に関して、「代替肉(植物肉)について詳しく知っている」が2.4%、「ある程度知っている」が16.3%、「何となく知っている」が27.7%で、認知度の合計は46.4%という結果になった。欧米諸国での代替肉ブームがメディアで大々的に取り上げられている影響などで、認知度は半数近くまで上がっている。
さらに、「代替肉(植物肉)」の購入意向については、最多が「わからない」で 33.4%、次いで、「食肉より植物肉が安ければ、購入したい・食べたい」(31.0%)、「食肉と植物肉が同程度の価格なら、購入したい・食べたい」(14.0%)、「食肉より植物肉が割高でも、購入したい・食べたい」 (3.0%)の順となっている。購入したい・食べたいと答えた人の合計は 48.0%でこちらも半数近く、代替肉(植物肉)を認知するともに、興味を持っている人が多いことが表れている。
健康志向や社会問題への関心の高まりが代替肉ブームを後押し
実際に、外食チェーンや企業の参入で流通が増大している代替肉は、一般の人が手にする機会も確実に増えている。かつて、代替肉を購入するのはベジタリアンなど厳格なポリシーを持つ人が中心だったが、購入者の層が徐々に変わってきているのだ。メーカー側も、今後の世界人口増加による食料不足への危機感から、代替肉の開発の必要性を感じた結果、参入が相次いでいるものと推測される。
このように代替肉が市場で存在感を増している背景には、健康志向や環境問題意識、動物愛護の高まりなどがあると考えられ、事実、欧米では、環境や動物愛護などの社会問題への関心が高いミレニアル世代が代替肉の消費トレンドを牽引し、代替肉市場を成長させる形となっている。
同意識調査のデータもそのことを物語っている。対象者に代替肉(植物肉)についての考え(イメージ)を尋ねたところ、「健康に良い」が 61.2%で最も多く、「環境に良い」(46.1%)、「人、社会、環境、地域、動物に配慮している」(45.1%)、「長期的な食料供給源として持続可能である」44.2%、「新規性・新しさを感じる」(44.0%)、「安全である」(39.0%)と続き、代替肉(植物肉)は健康維持や環境問題の解決に役立つと考える人が多いことがわかる。