競争力を強化し、新たなビジネスモデルを生む次世代製造技術とは
製造業の競争力を高める次世代製造技術について、私たちはこれを二つの分野にとらえて推し進めています。まず自動化というのは、ロボティクスによって製造プロセスを自動化する技術だけではなく、アディティブ・マニュファクチャリングのような、より破壊的な製造技術にも及びます。そして第二の分野がデジタル技術です。IoTやAIなど、センサー技術によって製造工程をデータ化しクラウドに統合することで、ビッグデータ解析を行うことが可能になります。これによって製造プロセスの“デジタルカイゼン”を行うことが出来ます。この二つの分野、自動化技術とデジタル技術をうまく取り入れることによって、製造を最適化し、人件費や資源・土地などに関わらず、生産性を高め、競争力を上げていくことができるのです。また、次世代製造技術のメリットは競争力の強化だけではありません。ビジネスの在り方そのものも変える力を持っています。例えばアディティブ・マニュファクチャリングを使うことで新たな機能やデザインを形にすることが出来ます。また、完全自動化が実現すれば、サプライチェーンを変革し、細かいニーズに対応したマスカスタマイゼーションを実現することもできるでしょう。更に、製造バリューチェーンのすべてのセグメントにおいて、データを取り込むことができるため、新しいサービスの形で、顧客に新たな価値を提供することができます。こうした動きが、進化すると、単純にプロダクトを売るだけの従来のビジネスモデルではなく、その上にサービスを提供するという新たな形に進化していきます。この次世代製造技術は、各業界や産業ごとに最適な形で取り入れることで、いろいろな活用方法が可能となると考えています。