SG Trust Mark Logo

脱炭素関連サービス・取引

アジアの脱炭素関連サービスの拠点

Supertree Grove at Gardens by the Bay in Singapore image Supertree Grove at Gardens by the Bay in Singapore image

3000億米ドル

2030年までの東南アジアグリーン経済の年間潜在規模1

25%

 世界のNbS(自然を活用した解決策)供給量に占める割合2

150社以上

シンガポール各分野での炭素関連サービス企業3

シンガポールの戦略的優位性

Map with Singapore flag pin, representing strategic market access in Southeast Asia.

市場へのアクセス

シンガポールの戦略的な立地は、企業を東南アジア市場の中心に位置づけます。ASEAN加盟10カ国中8カ国が、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を発表しています。

シンガポールには企業アジア統括拠点の約50%が置かれており、その多くが意欲的な脱炭素化や温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた決意を表明しています。

DBSグループ、シンガポール航空、シングテル、セムコープ・インダストリーズなど4、シンガポール取引所に上場する大企業の7割以上が、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロをコミットメント(確約)しています。

この地理的優位性と脱炭素に積極的な企業群が相まって、炭素関連サービス企業は買い手との距離を縮めることができ、シンガポールは域内展開や炭素関連サービスビジネスの拠点として大きな強みを発揮します。

Hand with digital growth icons, symbolizing policy framework.

先進的な気候政策

明確で先見性のある気候政策が、炭素関連サービスの国内需要を生み出しています。

シンガポールは東南アジアで初めて炭素税を導入しました。その一環として、2024年以降、炭素税の課税対象企業は、課税対象排出量の最大5%を相殺するために、高品質な国際炭素クレジットを購入することが可能となっています。

また、2025年度よりすべての上場企業に、サステナビリティレポートにおいて、国際基準に沿った気候関連情報の開示が義務付けられています。

シンガポールは、企業が信頼性の高い脱炭素計画に沿い炭素クレジットを活用する際の指針として、ボランタリー炭素市場(VCM)に関するガイドラインを発行しています。

これらの施策は、低炭素化に向けた専門的な助言や監視、報告・検証(MRV)、炭素市場関連のサービスに対する持続的な需要を生み出しています。

Modern skyscrapers in Singapore’s financial district, reflecting a dynamic business environment.

事業環境

シンガポールは世界有数の国際金融センターで、法の支配、信頼できる諸機関、企業優遇の規制体制に支えられています。

シンガポールの産業エコシステムには、プロジェクト開発事業者から取引業者、専門コンサルタントに至るまで、すでに150社以上の炭素関連サービス企業が集結しています。ERMのアジアでの持続可能性事業拠点、サウス・ポールのアジア炭素卓越センター、CADトラスト(Climate Action Data Trust)、自主的炭素市場のための十全性評議会(ICVCM)のアジア太平洋拠点など、実績ある炭素関連サービス企業が集まり、地域レベルや世界規模の役割を担っています。炭素関連サービス分野で活発な企業の層の厚さと多様性は、全体での連携を円滑にします。

グローバル企業は、効率的な企業組織、手厚い知的財産権保護、域内へのアクセスの良さを活用できます。

Scientist examining plant samples in test tubes, representing research excellence.

卓越した研究体制

シンガポールの大学や研究機関は、持続可能性や自然を活用した気候解決策の分野で世界をけん引しています。シンガポール国立大学(NUS)の「Carbon Integrity SG」などのプログラムは、東南アジアの自然生態系に関する科学的研究や方法論の発展に貢献しています。

大学のほか、コンサベーション・インターナショナルなどの機関も、シンガポールに設立した国際ブルーカーボン研究所(IBCI)を通じて、科学と、イノベーションの研究を推進しています。

Multiple hands holding a green moss ball together, symbolizing a strong partner network.

イノベーションの機会

世界の気候変動危機を解決する解決策開発を加速させるには、イノベーションが不可欠です。シンガポールでは、気候関連ファンド、アクセラレーター・プログラム、スタートアップにまたがるイノベーション基盤とパートナーからなるエコシステムが急速に拡大しています。例として:

  • Blue Catalyst :WWFシンガポールとHatch Blueが主催。ブルーカーボン・クレジット関連の新たなソリューション創出を目的とした目的とする初のイノベーション関連の取り組みです。EDBの支援下で、アジア内外で質の高いブルーカーボンエコシステムの拡大を可能にする技術の創出・実装を目指す。
  • Blue Carbon Plus(BC+):コンサベーション・インターナショナルとTNC(ザ・ネイチャー・コンサーバンシー)が2024年に立ち上げたイニシアチブ。ブルーカーボン保全の促進、地域経済の活性化と効果拡大に向けた資金獲得増を図るビジネスモデルを推進している。
  • Temasek Liveability Challenge:熱帯地域の都市課題、特に低炭素開発解決策支援するイノベーターのためのグローバルプラットフォーム。参加者は、持続可能なソリューションの立ち上げに指導・助言と資金支援を受けられる。
Scientist examining plant samples in test tubes, representing research excellence.

大学での専門教育プログラム

シンガポールの諸大学では、炭素関連分野に関する包括的な教育プログラムを提供しており、炭素関連サービスを担う新たな人材を継続的に育成しています。

南洋理工大学(NTU)はCarbon Markets Academy of Singaporeを通じて業界ニーズに即した研修を提供しており、シンガポール国立大学(NUS)のSustainability Academyでは、炭素関連サービス・取引に関する専門認定資格を授与しています。

Three professionals having a discussion around a laptop and documents in a modern office setting.

中堅キャリア層向けのリスキリング支援策

シンガポールでは、中堅の専門職向けに、「Capability Transfer Programmes」や「Sustainability Career Conversion Programmes」など、政府が支援する幅広い技能向上施策が提供されています。

経験豊富な人材のリスキリングや研修を支援し、グリーン経済における新たな役割への移行を後押しすることを目的としています。

就労パス

シンガポールではさらに、プロジェクト開発者や炭素取引の専門家など、海外の炭素分野の専門人材が現地企業で働きやすい環境を整えています。この取り組みは、世界中の優秀な人材を受け入れるためのシンガポールの就労パス制度、COMPASSのもとで進められています。

活用可能なビジネスチャンス

シンガポールは、パリ協定第6条に準拠した高品質なカーボンクレジットを提供できるパートナー企業を歓迎します。信頼性の高いカーボンクレジットは、シンガポールの脱炭素化取り組みの根幹であり、気候対策の拡大を支える役割を担っています。

Person in a suit holding a green moss-covered globe with digital sustainability and carbon-related icons floating around it.
  • 信頼性の高い6条準拠クレジットの必要性
    シンガポールの炭素税制度では、企業が炭素税負担の最大5%を、パリ協定第6条に準拠した高品質なカーボンクレジットによって相殺することが認められており、こうしたクレジットに対する高い需要が生まれています。

    さらに、シンガポール政府は提案依頼書(RFP)を通じて、カーボンクレジットの調達を積極的に進めています。 2024年9月、政府は高品質な自然を活用した6条遵守のカーボンクレジットを対象としたRFPを実施し、4つのプロジェクトを通じて、総額約7600万シンガポールドル相当、 約217万5000トン分のクレジットを調達 しました。2025年10月には、自然活用、および技術ベースの6条準拠クレジットをパートナー国から調達するため、2回目のRFPを公募しました。

  • 国際協力
    シンガポールは2025年時点で、南米、アフリカ、東南アジアの諸国と国際的な炭素クレジット分野の協力に関する少なくとも10件の実施協定を締結しています。他の複数の国々とも覚書(MOU)を交わしています。

  • クレジットの品質
    シンガポールは、国際炭素クレジット(ICC)フレームワークを通じて明確な品質基準を定めており、クレジットに対して、高い環境健全性を担保するための一連の原則を満たすことを求めています。また、これらの原則に適合し、市場で広く認められている国際基準を参照した方法論を、適格手法として指定しています。
     
  • 初期段階からの資金支援
    EDBの炭素プロジェクト開発助成金「Carbon Project Development Grant」 は、炭素市場で確かな実績を持つ国内のプロジェクト開発事業者に対し、パリ協定第6条に準拠した高品質なプロジェクトの初期段階の実現可能性調査を支援するため、資金を提供しています。

    EDBは助成制度を補完するため、Temasek Trust Foundation Advisors(TTFA)と提携しています。TTFAは、EDBと共同でプロジェクトへの資金提供を行うため、2000万シンガポールドル規模の寄付者助言型基金を設立しました。
     
  • シンガポール炭素市場同盟(SCMA)
    EDBはIETAと提携し、海外の炭素クレジット供給者とシンガポールを拠点とする6条準拠クレジットの買い手がつながり、情報を共有し、協力するための国際プラットフォーム、 SCMA を立ち上げました。

一連の支援プログラムや制度を通じて補助を受ける

カーボンプロジェクト開発助成金

EDBが管理するこの助成金は、シンガポールに拠点を置く企業が、第6条カーボンプロジェクトの初期段階での開発や資金調達活動を行うことを支援するものです

詳細を見る

ビジネスを変革するプログラムを発見

シンガポールの企業の能力向上や事業範囲の拡大を目的として設計された追加プログラムをご覧ください。

詳細を見る

参考資料keyboard_arrow_down

  1. Bain & Company, GenZero, Standard Chartered and Temasek, Southeast Asia’s (SEA) Green Economy 2024 Report: Moving the needle
  2. Conservation International, Temasek, DBS Bank, NUS, Ecosperity. “Business case for Natural Climate Solutions – Insights and Opportunities for Southeast Asia”, 8 Dec 2020
  3. Singapore Ministry of Trade and Industry, Speech by SMS Low Yen Ling at the Launch of Singapore Carbon Market Alliance (SCMA)
  4. The Business Times, Over 70% of large Singapore listcos aiming for net-zero emissions by 2050: study, 8 July 2024