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シンガポールは周辺国の連携で 新たなグローバルサプライチェーンの拠点となる

General News

  • 物流・サプライチェーン管理

新型コロナウイルスによるパンデミックによって最も影響を受けたのがグローバルサプライチェーンに依存する製造業だ。感染の拡大を防ぐために世界各国でロックダウンが行われ、モノと人の動きが制限されることによる影響は甚大である。

原材料調達の遅延やロジスティクスの停止によって生産が止まり、在庫不足によるビジネスの機会喪失は計り知れない。そのような中、シンガポールは新型コロナウイルス拡大が続ける2020年3月に「サプライチェーンが開かれ、円滑であることを維持する」との声明を発表。その後シンガポールはサプライチェーンからの早い回復力を見せ、コロナ禍であるにも関わらず成長を遂げている。そしてさらにシンガポールはコロナ禍におけるサプライチェーンの弱点を補い、更なる経済成長を遂げるための取り組みに動きだしている。それが周辺のインドネシアやマレーシア、ベトナムなどと連携によりサプライチェーンの回復力を強化した新たな多元的製造拠点の構築だ。

サプライチェーンの回復力強化の取り組み

シンガポールはパンデミック下においても、早い段階からサプライチェーンの回復力を見せている。その理由の一つが、シンガポールを拠点に周辺の諸国にある製造拠点との連携体制だ。その代表的な地域がマレーシアのジョホールバルやインドネシアのバタム島との連携である。この2カ所はシンガポールとも距離が近く、製造拠点を分散させることによってロックダウンにおけるサプライチェーンの分断リスク軽減をもたらしている。こうした連携は以前から行われていたが、シンガポールは新型コロナウイルス拡大によって明確になった現在のグローバルサプライチェーンの弱点を克服するため、周辺国との新たなアライアンスを発表している。それが2021年2月3日に発表された東南アジア製造アライアンス(Southeast Asia Manufacturing Alliance:通称SMA)の立ち上げだ。東南アジア製造アライアンスはシンガポール経済開発庁(以下、EDB)とエンタープライズシンガポール(ESG)、インドネシアやベトナム、マレーシアなどの工業団地運営会社とのアライアンス協定で、シンガポールに拠点を置く企業に対して、その周辺国での製造拠点の展開とアクセスを可能にし、双方の拠点のシナジーを活かせるさまざまな支援を行う取り組みである。今回提携された工業団地の運営会社は、東南アジア最大級の不動産開発会社キャピタランドに加え、セムコープ・デベロップメント、ギャラント・ベンチャーの3社である。この3社はいずれもシンガポール企業で、他国に製造拠点を設ける場合にも、シンガポール企業がサポートする形になる。キャピタランドは、シンガポールの北部の国境を接するマレーシア南部ジョホール州で工業団地「ヌサジャヤ・テック・パーク(NTP)」を運営しており、セムコープとギャラントはインドネシアやベトナムなどで工業団地を運営している。今回のアライアンスで提携される工業団地の数は10カ所以上にも上る。

 

 

シンガポールと周辺国のシナジーを活かす連携

このアライアンスの目的の一つがサプライチェーンの回復力の強化にあるが、参加する企業にはどのようなメリットがあるのだろうか。第一が供給元である製造工場を複数持つことによって、ロックダウンなどの非常時における供給遅れをなくすことができる。シンガポールとこの協定に参加しているマレーシア、インドネシア、ベトナムは距離が近く相互に連携することで物流的なメリットも得やすい。マレーシアのジョホールバルはジョホール海峡をはさんでシンガポールのすぐ対岸にあり、インドネシアのバタム島はシンガポールの南海岸から約20キロの距離にあり数十分でアクセス可能だ。例えばマレーシアのイスカンダルにあるキャピタランドが所有する工業団地ヌサジャヤテクノロジーパークに進出する企業には、さまざまなサポートが提供される。ロジスティクスサービスの特別価格での利用や、マレーシアで事業を設立する際の無料相談サービスの提供、サプライヤーの選定やマッチングサービスなどだ。同時にシンガポールのソリューションプロバイダーによるインダストリー4.0パイロット実装の促進とサポートとシンガポールで行われるイノベーション活動のサポートなども得ることができる。こうした相互の恩恵とシナジーが得られることから、ヌサジャヤテックパークに存在する企業の85%がシンガポールと双方に拠点を持っている。この双方のメリットが活かされるアライアンスについてEDB長官であるBeh Swan Gin博士は、次のように述べている。「東南アジアは、サプライチェーンの回復力を強化し、単一ソースへの依存度を下げたいと考えている企業にとって理想的な製造拠点です。東南アジア製造アライアンスは、メーカーが、参加する工業団地やそれぞれのエコシステムの利点や強みを知ることを容易にし、企業がそこに事業所を設立するためのプロセスを簡素化します」。

 

 

次世代製造技術でサプライチェーンを強化

このアライアンスで特長的なのがシンガポールの役割である。上記のヌサジャヤテクノロジーパークとの連携では、シンガポールで得られるサポートとしてインダストリー4.0への支援とイノベーション活動だが、これは次世代製造技術の導入を推進することでサプライチェーンの回復力を強化することが狙いである。とりわけ製造業のデジタル化ではインダストリー4.0が代表的だ。AIやIoT、ロボティクスやアディティブ・マニュファクチャリングなどの次世代製造技術が実装されたスマートファクトリーでは生産全体が効率化され、オンデマンドで無駄のない生産サイクルを実現することができる。シンガポールではこのインダストリー4.0を実装するための拠点としてジュロン・イノベーション・ディストリクト(JID)が存在し、EDBやシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)や南洋理工大学(NTU)、企業が中心となって開発と実践を行っている。中でも東南アジア製造アライアンスでは、ソリューションプロバイダーといわれる自動化の推進がサポートされる。具体的には金属3Dプリンティングなどを中心にしたアディティブ・マニュファクチャリングの実装で、DMG森精機やソディック、シマノなどの企業から導入に向けたサポートが受けられる。例えばアディティブ・マニュファクチャリングが工場に導入されれば、仮にロックダウンなどでパーツの調達が難しくなった場合でも、現地でオンデマンドで3Dプリントができる。またJIDでは次世代製造技術を学べるトレーニングアカデミーも設けられており、デジタルを中心にした新たなスキルを習得した人材育成もできる。

既にシンガポールに拠点を構える製造業の中にはデジタル化と多拠点展開している企業も登場している。例えばSEIKOやシークスといった日本企業はシンガポールと周辺のマレーシアのジョホールバル、インドネシアのバタム島などの製造拠点と連携しサプライチェーンの強化に取り組んでいる。この東南アジア製造アライアンスができたことでデジタル化と複数拠点化によるサプライチェーンの強化の動きはますます強まっていくだろう。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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