JIDは製造業者や技術プロバイダー、研究・教育機関が連携して製造業の変革に取り組む、協力的でオープンなエコシステムを備えたワンストップの先進製造産業団地となります。同社のような業界の鍵となる企業が、スマート製造技術の採用を加速することによって先進製造能力の成長が促進されます。また、地元企業がインダストリー4.0の機能を活用できるようにするため、シンガポールのロボティクス・オートメーション企業であるPBAグループとそのパートナーネットワークは、それぞれの企業の事業に合わせた先進製造ソリューションとトレーニングプログラムの提供も行います。また、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の再製造技術開発センター(ARTC)をはじめとするJID内の研究機関も企業と協力し、研究開発を実用的なソリューションに変換すべく取り組みます。
JIDは南洋理工大学(NTU)に近いため、同大学の優秀な理系人材を活用しやすいという利点があり、JID内の研修機関や学術機関で、従業員研修の機会を提供するところもあります。シンガポール最大のリビングラボでもあるJIDは、アイデアや技術の開発からプロトタイプ作成、実証試験を行い、都市環境で商品化しています。また、企業と学術機関に密接したスタートアップやインキュベーターのエコシステムがあり、起業家にリソース、知識、人材を提供します。
シマノ、エンゼルプレイングカード、PBAなど業界の先端企業は、JIDで「未来の工場」(Factory of the Future)を設立していたり、設立することを発表しています。
シマノ代表取締役社長の島野容三氏は「シンガポールは、その戦略的な立地、優れたインフラ、質の高い人材、安定した政治・社会情勢により、未来の工場の設立地として傑出した選択肢です。JIDに建設予定の最先端の製造施設により、革新的な新ソリューションを生み出すとともに、価値創造企業としての当社のプレゼンスが高められるものと期待しています」と述べました。
JIDが完成すると、研究、革新、先進製造の活動において約9万5,000人の新たな雇用がもたらされると予想されています。