その中でCFEは、経済再編のための目標に向けた各産業の問題に対するアプローチに集中的に取り組み、外国とのつながりを強化するよう政府に求めました。最終目標は、内外の急速な変化に速やかかつ柔軟に対応できる協調的な経済を作り上げることです。30名の委員から成るCFEは、2月9日に発表された報告書の中で「一丸となり、持続可能な賃金と有意義なキャリアを得られる幅広いチャンスがすべてのシンガポール人にもたらされ、世界に開かれ、つながっている価値創造経済を構築していく」と述べました。
CFEは、貿易依存のシンガポールを先進国に押し上げた潮流が弱まっていると指摘しています。世界的成長は抑制され、世界経済は人口動態における変化に直面しています。これに加え、急速な技術進歩による従来分野への大打撃があります。グローバルバリューチェーンもまた変化し、貿易の流れが混乱しています。さらに報告書では、クローバリゼーションを敬遠する雰囲気が生じているとも述べています。
国内総生産(GDP)の3分の2を外需による貿易に依存するシンガポールにとって、孤立への動きは成長予測を脅かす可能性があります。そのため、この先行きが不透明な時代において、CFEは年平均2~3%の成長率を維持するよう推奨しています。報告書では、世界がどのような方向へ動こうとも、シンガポールのような小規模な開放経済は、適応していく必要があると述べています。
CFEは経済成長を推進するため、国際関係の強化と多様化、高度な技術の習得と活用、革新・拡大のための企業能力の強化、強力なデジタル技術の構築、活気に満ちチャンスにつながる都市開発、産業変革マップ(ITM)の開発と実施、成長と革新を実現するパートナーシップの締結 ― これら7つの広範にわたる「相互補強」戦略をまとめました。
CFE報告書の主要テーマは、すべての当事者(労働者、企業、労組、業界団体、研究機関、政府)が協力し合い経済を成長させることにあり、CFEの共同委員長を務めるシンガポール貿易産業省のS・イスワラン(S Iswaran)大臣は、これらは今日の不透明感におけるリスクに対する最善策になるだろうと述べ、「協力し連携することで、リスクを緩和し、先行きをより明確にすることができるため、このことがこれまで以上に重要となります」と語りました。 ITMは、CFEのビジョンを実現するための主要戦略となり、すべての当事者の意見に基づき、23の産業部門ごとの成長・競争力強化計画が策定される予定です。
CFE委員長のヘン・スウィーキート(Heng Swee Keat)財務大臣は、報告書の提言はシンガポールの競争力を維持するためにフォーカスする必要があるものだとし、「シンガポールがどのように世界との関係を保つかという問題は、私たち皆にとっての問題です。つまり、これは何も新しいことではなく、私たちは世界との関係をどのように維持するかに注力し続けることなのです」と語りました。
リー首相は委員会への文書において、政府は提示された戦略を受け入れ、推進していくと述べました。