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シンガポールの投資動向2017 製造業とイノベーションへ向けた投資

SINGAPORE INVESTMENT DATA

  • BRIDGE Magazine
  • シンガポール投資動向

世界各国の企業が、シンガポールをイノベーションと成長の一大拠点としてとらえる中、シンガポールへの投資動向を示す「YEAR-IN-REVIEW 2017」が発表された。この投資データは毎年シンガポール経済開発庁(EDB)が発表する経済パフォーマンスの振り返りと、将来の予測をするためのもので、今後、企業がシンガポールを中心にビジネスを展開するうえで、有益な情報が詰まっているデータだ。“今”と“未来”のシンガポール経済の分析をご紹介しよう。

2017年度の投資コミットメントはすべての指標で予測を上回る

2017年度の投資コミットメントは、すべての指標が予測値を上回っている。この結果は、シンガポールにおけるグローバル企業が、シンガポールをイノベーションと成長を促進するための、ビジネスにおける重要な戦略的拠点として認識していることを示している。この投資レポートによると、投資状況を示す指標は4つに分けることができる。第一が設備投資を示す固定資産投資額(FAI)だ。固定資産投資額では、施設や機材、機械などへの設備投資額を示す。この設備投資の状況は、94億シンガポールドル(約7,600億円)に上る。第二が年間事業支出総額(TBE)だ。こちらはシンガポールで発生した営業支出増分(減価償却を除く)で、主に人件費やオフィスなどの賃貸料などが含まれている。この金額は、およそ65億シンガポールドル(約5,300億円)だ。第三の指標が1年間付加価値創出額(VA)だ。この指標は、シンガポールの国内総生産(GDP)に対する乗数効果を除いた企業の直接貢献度で、主な要素として利益や賃金を含んでいる。こちらは172億シンガポールドル(約1兆4,000億円)に上る。最後に2017年度の投資から22,500件の雇用が創出された。

ハブとデジタルサービスの成長が堅調。高付加価値で複雑な製品の企業に魅力

それでは次に具体的な投資の事例をご紹介しよう。2017年度の投資は特に製造業の分野が堅調に推移した。昨年、シンガポールは、高付加価値で複雑な製品を作る企業の誘致を進めてきた。企業の方も、シンガポールの持つ強固な物流と周辺諸国との接続性、法律と知的財産の保護、更には熟練した労働力といった点に魅力を感じ、シンガポールを投資の場として選択している。
その代表的な例がインフィニオンだ。この半導体メーカーの巨人は、スマート工場の開発のためシンガポールに1億500万ドルを投資している。このシンガポールに建設されるスマート工場では、デジタル技術を使うことで、さまざまな製造プロセスをエンドツーエンドで管理し、垂直統合することができる。また同時に、このスマート工場では、シンガポール以外の国の製造プロセスも管理することが可能で、グローバルなレベルで製造管理を行うことが可能だ。
またシンガポールでは、ハブとデジタルサービスも継続して順調に成長している。特に中産階級の拡大によるASEANの経済成長と、こうした国々に対するシンガポールのアクセスの良さは、多くの企業にとって魅力だ。ASEAN市場への展開において、顧客までの物流サービスをいかにコンパクトで高密度にするかという点も、企業がシンガポールを選択するもう一つの要因だ。P&Gは、まさに今年、アメリカ以外で初となるE-Centreをシンガポールにオープンしている。このE-Centreは、この地域におけるP&Gのオペレーション変革を推進する核となるもので、サプライチェーンマネジメントからエンドツーエンドの領域までデジタル・イノベーションを活用し、ビジネスモデルで使用されるデジタル戦略、予測分析、流通とマーケティングの最適化を行うものだ。

日本からの投資も拡大。2017年度の日本企業の投資例

シンガポールへの固定資産投資額を地域別にみてみると、アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本で、全体の86%を占めている。中でも日本の投資比率は全体の9.6%を占める。特筆すべき点は、2016年7.4%から2.2%も増加している点だ。例えばHOYAは、日本以外で初めてとなるグローバルR&Dセンターをシンガポールに開設した。また、プライムエボリューは、ジュロン島に1億6,100万シンガポールドルの製造工場を新たに開設している。他にも、郵船ロジスティクスは、新たに6百万ドルのロボットを導入した自動化倉庫をオープンしている。

2018年度の経済予測。将来はイノベーション主導の経済に移行する

シンガポール経済開発庁(EDB)は、2018年度の投資コミットメントが2017年度とほぼ同じ水準を維持すると予測している。世界経済が不確かな状況にある中、アジアの確実な成長と、企業の成長とイノベーションを推進するシンガポールの戦略的な位置を反映したものだ。設備投資を示すFAIでは、2018年度は80~100億シンガポールドル、年間事業支出総額のTBEでは、50~70億シンガポールドルに達するとみられている。また、今後は投資主導の付加価値経済からイノベーション主導の価値創造経済に移行しつつある。こうした状況に合わせてEDBは、既存の強みを活かし、新たな領域へ挑戦するべく投資促進と経済発展の目標を絞ったアプローチを取っている。それが、生産性を向上させるための次世代製造技術や地域統括機能、ハブサービス、デジタルテクノロジーの導入促進だ。2018年度もシンガポールにおける日本企業の活動状況から目が離せない。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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