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世界に広がる産業用IoTが拡大の潮流 その先端を走るシンガポール

INDUSTRY TRENDS AND INSIGHTS

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デジタル技術の進化によって製造業はいま大きな変革期を迎えている。産業用(Industrial)IoTの潮流が世界中に広がっているのだ。 シンガポールでも、GDPの約20%を占める基幹産業である製造業の国際的な競争力を維持するために、先端的な産業用IoTを活用したイノベーションの先頭を走ろうと官民挙げての取り組みを推進している。

2016年1月、シンガポールは政府の研究開発戦略「RIE(リサーチ・イノベーション・エンタープライズ)2020」を発表、2020年までの5年間で過去最大となる190億シンガポールドルの予算を充て、大学や政府機関、民間企業のR&D能力向上をこれまで以上に支援していく構えだ。

産業用IoTやロボティクス、クラウドコンピューティングなど最新の先端製造技術分野の研究支援には今後5年間で32億シンガポールドルを投資する予定だ。

こうした政府方針に後押しされ、産業用IoT分野のソリューションプロバイダーが世界中からシンガポールに続々と集結しつつある。

米エマソン・エレクトロニック社は、アジア地域で初の「パーベイシブ・センシング・センター・オブ・エクセレンス」を開設、1000万米ドルを投資した。工場内のあらゆる場所に設置したワイヤレスセンサーから集めたデータを分析し、従業員の安全確保やコストとリスクの削減など支援する。同社ではシンガポール経済開発庁(EDB)と協力してパーベイシブ・センシングに関する実験的なプロジェクトとトレーニングプログラムも提供している。

ITコンサルティングの世界大手、アクセンチュアも同社初となるIoT研究拠点「Internet of Things Centre of Excellence」をシンガポールに開設した。ビッグデータや人工知能、仮想現実、センサーなどIoTに関連する技術の研究を行う。EDBはここでも新しい技術パートナーを紹介するなどの支援を行っている。この拠点には、オーストラリアの資源大手リオ・ティント(Rio Tinto)のイノベーションハブも入居しており、アクセンチュアでは他の企業とも協業を進める等、当地の利を最大限活用している。

一方、日系企業では、横河電機の子会社であるYokogawa Engineering Asiaが2015年11月、顧客企業やIT企業とともにビッグデータを活用するための技術開発拠点として「Yokogawa Global IIoT Co-Innovation Centre」をシンガポールに設立した。今後3〜5年で1億1200万シンガポールドルを投資する計画で、すでに電力、化学、石油精製業界の企業と協業することで合意している。

 

化学産業でのIoT活用で、日本企業が主導的役割

シンガポールの製造業のなかでもエレクトロニクスと並ぶ最大セクターであるエネルギー・化学産業は、プロセス技術が非常に複雑な点や安全操業を最優先する立場から、先端技術の導入に対して保守的な面がある。

そうした中にあっても、シンガポールのエネルギー・化学産業では日本企業がIoT活用における主導的役割を果たしている。

例えばデンカは、蒸気トラップのモニタリングによりエネルギー損失と設備故障を特定するためのパイロット・プロジェクトを実施している。

このプロジェクトでは、エマソンのパーベイシブ・センシング技術を活用されており、61台の蒸気トラップのうちの15%が適切に稼働していないという分析結果が得られた。これは蒸気の発散に推定で年間2万9245シンガポールドルのコストがかかり、62トンの二酸化炭素が発生していることを意味する。これをデンカが保有する蒸気トラップ300台に換算すると、このプラントだけでエネルギー損失が年間14万4000シンガポールドル、二酸化炭素追加排出量が300トン超に達する。デンカではこの分析液化を生かして今後、蒸気トラップの適切な稼働や二酸化炭素排出量の削減を進めていく。

また、住友化学は2016年11月、EDBの支援を受けシンガポールでグローバルIoTプロジェクトを開始した。このプロジェクトはアクセンチュアと協力しながら進め、プラント関連業務のデジタル化、グローバルサプライチェーン情報の可視化・高度化など最新テクノロジーの積極活用に取り組む。住友化学ではこのプロジェクトで確立した技術をシンガポールからグローバルに展開していくことで、グループ全体のIoT化を加速させていくことを表明している。

産業用IoTの導入に関してEDBのエネルギー・化学産業担当局長,ダミアン・チェン氏(Damian Chan, Executive Director)は次のように述べている。「私たちは、日本の化学メーカー各社が、シンガポールで産業用IoTを活用していることをうれしく思います。これらのテクノロジーを通して、私たちは、製造分野の競争力を持続的に向上させるための大きな一歩を実現することができます」。

エネルギー効率や生産性、あるいは安全性の向上など、産業用IoTから得られるメリットは計り知れない。シンガポール政府は、新たな事業機会の創出とエネルギー・化学業界の変革を目指して、今後も世界各国の企業との協働を強めていく。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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