シンガポールと東京は、ともに先進技術を取り入れた“ハイパーシティ”として知られ、デジタル化が進む都市の中において、文化がどのようなものを生み出すのかを、両国のさまざまなアーティストが多彩な表現で行っている。
シンガポール:インサイド・アウトは、シンガポール政府観光局が主催する現代アートの一大イベントだ。各国のクリエイターと様々なコラボレーションが行われるアート・エキシビジョンで、2015にはニューヨーク、ロンドン、北京で開催された。今回はその第二弾として、「ハイパーシティ」をテーマに東京で開催された。
2017/09/29
シンガポールと東京は、ともに先進技術を取り入れた“ハイパーシティ”として知られ、デジタル化が進む都市の中において、文化がどのようなものを生み出すのかを、両国のさまざまなアーティストが多彩な表現で行っている。
デジタル化時代の都市「ハイパーシティ」を多彩なアーティストが表現
シンガポール:インサイド・アウトは、8月25日から27日の3日間、東京表参道のバンクギャラリーで開催された。バンクギャラリーでの展示は、今回のテーマである「ハイパーシティ」を3つのチャプターから表現している。クリエイティブディレクターは、フォーブス・アジア版「30 under 30(アジアで活躍する30歳未満の30人)」に選出されたクララ・イー(Clara Yee)氏が、空間照明は、2016年DSA日本空間デザイン賞を受賞した照明デザイナー矢野大輔氏が務めた。
チャプター1では、「都市の印象」というテーマで都市のありふれた風景が、日常の体験という視点から表現された。この展示ではアーティストによるコラボレーションが行われ、例えば、シンガポールのデザイン界で最高峰ともいえる「プレジデント・デザイン賞」を受賞したスーパーママと、DIY家具メーカーの石巻工房によるコラボレーションや、シンガポールを代表するサウンドアーティスト、ズル・マハムードとミラノ万博日本館の装花展示を行った木村貴史による音と花による作品が登場した。チャプター2では、「変わりゆく都市」をテーマに、デジタル化によって急速に変化する、シンガポールと日本の都市を複数のアーティストが表現を行った。そしてチャプター3では「ハイパーリアルシティ」をテーマに、記憶や光、空間といった要素を融合した展示が行われた。この3つのチャプターは、バンクギャラリーの各フロアを使い、アート、ファッション、音楽、映像など多彩な方法で展示が行われ、トークイベントやワークショップ、パネルディスカッションなど、シンガポールと日本のアーティストによるさまざまなコラボレーションが行われた。
“食”のコラボレーション。ダイニングパートナーイベントも開催
シンガポール:インサイド・アウトは、会場以外の場所においても、パートナーイベントが開催されている。特に“食”の分野においても、両国を代表する代表的な食べ物でコラボレーションが数多く実現した。このダイニングパートナーイベントでは、期間限定や数量限定で、実際にお店で提供された。例えば、博多豚骨ラーメンの一風堂と、シンガポールの名物、チキンライスの名店Chatterboxとのコラボレーションでは、ラクサ豚骨ラーメンとチキンライスのセットメニューが登場した。またシンガポールのソウルフードと言われる海南鶏飯と天丼のコラボレーションが、天丼チェーンの天丼てんやと、海南鶏飯専門店「威南記」によって実現している。更に、シンガポールで10店舗以上を展開するラーメンけいすけでは、シンガポールで最もポピュラーな料理の一つ「バクテー」からインスピレーションを受けた「バクテーラーメン」を都内3店舗で提供した。こうしたB級グルメ以外にも、アジアのベストレストラン50(2017年)で23位となった、シンガポールの「コーナー・ハウス」のポップアップ店が期間限定で登場し、「フレンチの鉄人」として知られるシェフ坂井宏行シェフなどと最先端フレンチの饗宴を行った。
デザインとアートのイベントも開催
アートとデザインの領域でもシンガポールと日本のパートナーイベントが行われた。アートの分野では、紙と印刷のアートな実験が行われ、日本の現代アーティストとして知られる束芋氏や金氏徹平氏の作品が展示された。この作品は、アジアにおける現代美術の最先端の1つとして知られ、クリエイティブワークショップや現代アートギャラリーを提供するシンガポール・タイラー・プリント・インスティテュート(STPI)とのコラボレーションによって生み出されたものである。またデザインの分野では、パルコシンガポールとシンガポール政府観光局とのプロデュースにより、シンガポールを代表するブランドのプロダクトを集めたポップアップストアが南青山に登場し、ファッションからアクセサリまで様々な製品が期間限定で販売された。
デジタル時代の文化を生み出す可能性
シンガポールはデジタル化の分野において、世界の最先端を行く国だ。また東京もデジタルアートの分野において、さまざまな試みが行われている都市である。シンガポール:インサイド・アウトはこの両者が持つ二つのデジタルという特性を“ハイパーシティ”というコンセプトのもと、どう文化が変わるのか、どう生活が変わっていくのかをアートを通して表現したイベントだ。その範囲は空間や音、映像、食、プロダクトまで、あらゆる分野に及ぶ。国境を越えたクリエイターたちによるコラボレーションが、デジタル化時代の新たな文化を生み出すかもしれない。
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