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EDB、 企業ベンチャーの創出を支援する助成金プログラムを展開 2,000万S$(約20億円)を追加出資

企業の革新的なビジネス・アイデアのインキュベーションや、グローバルベンチャーの創出を支援をする助成金プログラム「コーポレート・ベンチャー・ローンチパッド2.0」を展開します。

2022/10/03

シンガポール経済開発庁(EDB)は、より多くの企業の革新的なビジネス・アイデアのインキュベーションや、シンガポールから国際競争力のある企業に成長する可能性を持つベンチャーの創出を支援をする助成金プログラム「コーポレート・ベンチャー・ローンチパッド2.0(以下、CVL 2.0)」を展開します。これは、EDBが2021年5月に開始した1000万S$(約10億円)のパイロットプログラムをベースとしたものであり、アーリーステージのベンチャー企業の育成に注力しプログラムの助成金を2000万S$(約20億円)追加することで、2024年までに企業と連携して高成長分野での新たなベンチャーの創出を目指します。 

本プログラムは、シンガポールを拠点に事業を展開する既存の企業や地域ファミリー企業、高成長企業と連携し、迅速かつ効果的な新規事業の立ち上げや、革新的な製品・サービス・ビジネスモデルを持つ新規事業を構築したことによる新たな成長と収益源の創出などの支援を目的としています。 
 

CVL 2.0プログラムの要旨  

a. それぞれの「コンセプト・ヴァリデーション・スプリント(ベンチャー設立の初期段階におけるコンセプト検証期)」には、最大50万S$(約5000万円)のうち総額を企業と折半した額の助成金が支給されます。またEDBからは、アドバイスやコネクションの提供、必要に応じて企業ベンチャー創設メンバーにベンチャービルダーを参加させることも可能です。  

b. 将来性の高いベンチャーに対しては、設立、必要最低限の機能を実装した製品の開発、創設メンバーの採用などを促進する「ベンチャービルディング・ローンチ(新規事業の立ち上げ・創業期)」の段階でかかる費用に対し、50万S$(約5000万円)のうち総額を企業と折半した助成金が追加で支給されます。

c. ベンチャー設立に向けてのコンセプトをより明確にしたり、ベンチャー創設に対し組織的な準備状況の評価をしたり、適切なベンチャースタジオ1の選択をしたりするためのセルフヘルプ・ツールキットが利用できるようになります。
 

ベンチャービルディングのプロセスと支援 

本プログラムでは、企業が本業以外の新しい事業領域でベンチャーを立ち上げる際に直面する課題に対処するために、以下のように主に2段階に区分されたトランシェで構成されます。 

ベンチャービルディングのプロセスと支援

第1段階 - コンセプト・ヴァリデーション・スプリント2(トランシェ1) 
参加企業に対して、ベンチャー立ち上げの初期段階を支援します。ベンチャーの目標を明確に定義し、綿密な市場検証を経て、アイデアを確実に展開します。この期間では、ベンチャー育成の方法論を応用し、アイデアを投資可能なビジネスプランに発展させ、顧客やステークホルダーとのインタビューを通じて、データに裏打ちされた検証プロセスを加速させます。 

第2段階 - ベンチャービルディング・ローンチ(トランシェ2) 
トランシェ1を成功裏に終えた将来性の高いプロジェクトのみが、トランシェ2の支援を受けることが可能です。ベンチャーが本格的な製品やサービスを提供するステージであり、EDBからは、企業の創設メンバーによる新規事業の立ち上げを加速させたり、起業リスクに対し企業とEDBとが共同で助成金から負担して支援します。 

EDB のJacqueline Poh 次官は、次のように述べています。「CVL 2.0により、EDBは企業ベンチャーの創出に対する支援、起業リスクに対する助成金からの共同負担、そして、イノベーションエコシステムの強化を目指しています。シンガポールからグローバルに成長しようとしている、また新規事業の立ち上げに意欲的であるより多くの企業が参加することを期待しています。」 

CVLパイロットプログラムにより創業したベンチャーの事例 

これまでに、13 社が CVL パイロットプログラムに参加し、少なくとも6社がシンガポールで新たなベンチャーを創業しています。事業構築のために少なくとも総額5,000万S$(約50億円)の追加シード投資を行なっています。 

  • バイエル・ラボ・パートナーシップ:バイエルとオランダの協同組合系金融機関であるラボバンクのベンチャーは、Business-to-Business-to-Farmer(B2B2F)プラットフォームで、農家がより良い成果を得られるように、クレジットや農学などの要素を統合し、農業のリスクを軽減することに重点を置いた「ファーマー・アップリフト・ジャーニー」を提供しています。 
  • エレクトロラックス:スウェーデンに本社を置く大手家電メーカーのエレクトロラックスが創立したLevandeは、セットアップ、配送、サービス、48時間以内の交換保証を含むオールインワンの家電製品サブスクリプションサービスを提供し、電子機器の廃棄削減に貢献しています。 
  • マンダイ・ワイルドライフ・グループ:シンガポールで唯一の動物と自然が織りなすマンダイ・ワイルドライフ・リザーブと呼ばれるエリアを管理しており、子供たちが オンライン・オフラインの体験を通じて、自然界や動物界を探索し、学習することができる製品などを提供しています。 
  • シンガポールのコングロマリット企業ケッペル・コーポレーション傘下の不動産ディベロッパーであるケッペル・ランドは、高齢者向けの住宅市場をリードする存在となることを目指し、高齢者介護向けのデジタルウェルビーイング、コンパニオンケア、コネクティビティ・ソリューション分野に乗り出しています。 
  • Navigatorは、シンガポール大手の金融サービス事業者であるSinglife with Avivaが立ち上げたベンチャーで、Singlifeの中核である保険事業の枠を超えた新たなウェルスプラットフォームビジネスを創出します。 
  • シンガポールの大手エネルギー企業であるSing Fuelsの新しいベンチャーは、金融収縮、透明性、炭素排出量の削減、デジタル変革など、海洋燃料産業を取り巻く様々な課題に取り組む貿易技術プラットフォームになることを目指します。  

CVL2.0の詳細と英文プレスリリースは以下をご覧ください: 

https://www.edb.gov.sg/en/how-we-help/corporate-venture-launchpad-programme.html

https://www.edb.gov.sg/en/about-edb/media-releases-publications/edb-expands-corporate-venture-building-programme-to-support-more-companies.html 

1: CVL 2.0 プログラムのメンバーとして任命された 6 つのベンチャースタジオは、企業の新規事業 を成功に導く必要なアイデアを出し、インキュベーション、構築を支援することを専門としており、それぞれのベンチャースタジオは、独自の能力開発サービス、方法論、人材などを提供する。
: 3 ヶ月から 6 ヶ月の期間で、コンセプトの綿密な検証、創業のためのステップの推奨などを行う。

 

シンガポール経済開発庁(EDB)とは

EDBは1961年に設立された貿易産業省傘下の政府機関で、シンガポールの産業育成、投資誘致を担っています。「外資系企業誘致のワンストップセンター」として、海外20カ所以上に事務所を持ち、外国企業に投資先としてのシンガポールの情報を提供するだけでなく、世界の経済、技術、市場動向を把握することで、シンガポールで競争力を持ちえる産業や分野を育成するための経済戦略を立案しています。日本には、東京に事務所を構え、日本企業のシンガポール投資をサポートしています。

Press Release

3 October 2022