豊富な高度技術者の人材プール
ビジネスを成功させたいのであれば技術だけでは限界があります。本当に差を生み出すことができるのは、そこで働く人々です。シンガポールでは十分な教育を受け高度な技術を持つアジア屈指の人材プールを活用できます。最新のグローバル人材競争力指数においてシンガポールは世界第2位となり、アジア諸国で唯一トップ10に入りました。また、シンガポールには多様な国々の人が集まっており、欧米諸国にとってアジアで最も馴染みやすい国の一つです。シンガポールの4つの公用語の1つである英語が広く話されているため文化や言語での障壁もほとんどなく、欧米企業の管理者は人材をスムーズに適応させることができます。
これらの利点から総合的に、アジアでの足場を確立・拡大したいIT企業やテクノロジー企業にとって、シンガポールはほぼ完璧なインキュベーターとなっています。次の各社の例でもそのことが示されています。
2017年5月、ヒューレット・パッカード(HPE)はシンガポールに新社屋を建設し、シンガポール経済開発庁(EDB)が支援するアクセラレータープロジェクトのイノベートネクストを開始するなど、1億4,000万USD(148億4,000万円)を投じました。現在同社はシンガポールで1,600名を雇用しており、今後さらに追加される予定です。HPEシンガポールの副社長兼マネージングディレクターのロー・カイペン(Loh Khai Peng)氏は「シンガポールでの当社の歴史は、初めてここに事務所を構えた1970年に遡ります。それ以来、政府が積極的に共同イノベーションを推進し、技術によって国の未来を加速させる取り組みに注力していることから、継続して投資を行ってきました」と語っています。
企業のITツールキットにおいて最も重要なコンポーネントの1つとなっている、オープンソースソフトウェア構成管理システムを開発するパペットは、急速に成長し、今年初めにアジア太平洋地域と日本にサービスを提供する新しい地域本部をシンガポールに開設しました。シンガポールを選んだ理由について、同社CEOのサンジャイ・ミルチャンダニ(Sanjay Mirchandani)氏は、最も魅力的なのは優れた人材へのアクセスだと言います。
サイバーセキュリティ企業のパロアルトネットワークは、最も重要なオフィスの1つをシンガポールに構えています。同社は2009年に初めてシンガポールに事務所を開設し、2014年にシンガポールに地域本社を設立、2017年3月にはAPAC本部を立ち上げました。同社シンガポール・マレーシア地域担当長のアルヴィン・タン(Alvin Tan)氏は、欧米企業にとってアジアへの進出は容易ではなくまた費用がかかることを実感する一方、どのような懸念よりも得られる利点の方が勝るとし、シンガポールは「人、プロセス、テクノロジーが見事に融合した」次世代ハイテク人材の宝庫だと語りました。
確立した地位とさらなる飛躍
ベルリン、ストックホルム、サンフランシスコ。これらの都市は、新規ビジネス立ち上げの場所として世界で最も人気のある都市として広く認識されています。しかし、独ベルリンに本社を置く調査会社ネストピックが実施した2017年スタートアップ企業の設立に適した都市ランキングにおいて、シンガポールはこれら全ての都市(およびソウル、上海、北京を含む80の都市)を上回りました。
イノベーションを促進するための高度なITインフラと企業を支援するエコシステム、即時活用できる高度な教育を受けた若い技術者と高度なソフトウェアエンジニアの人材プール、そしてアジア太平洋地域の活気ある技術市場への地理的近さ。新興企業にとってシンガポールが魅力的であるこれらの要素は、アジアでの事業基盤を確立したい企業リーダーにとっても同様に魅力的です。
シンガポールにオフィスを構えている大小グローバル企業はその製品やサービスと同様に多種多様ですが、共通点が1つあります。それは、シンガポールを技術と起業家精神のアジア拠点として見なしていることです。
アジアへの進出・拡大、あるいは世界を変える新しいベンチャー事業の創出を実現したい方は、ぜひご自身でシンガポールをよく見てみてください。きっと驚くような発見があるでしょう。
出典:シンガポール経済開発庁(EDB)
https://www.edb.gov.sg/en/news-and-resources/insights/innovation/singapore-flexes-its-standing-as-asias-technology-capital.html
1米ドル(USD)=106円(2018年3月22日現在)