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シンガポール、2017年度世界のスマートシティ・ランキングでトップに

シンガポール、2017年度世界のスマートシティ・ランキングでトップに

市場調査会社ジュニパーリサーチの調査によると、ロンドンとニューヨークを抑え、シンガポールが2017年に世界のスマートシティ・ランキングで堂々1位を獲得しました。インテルの後援を得て構築された「グローバル・スマートシティ・パフォーマンス・インデックス」は、モノのインターネット(IoT)技術と各種サービスの統合という視点で、移動性、ヘルスケア、公共安全性、生産性といった主要4分野におけるグローバル・スマートシティを20都市ランキングしています。


ジュニパーは同調査にて、スマートシティは年間1人あたり約125時間を節約できる可能性があることを明らかにしました。同社の予測・コンサルティング部門長ウィンザー・ホールデン(Windsor Holden)氏は「スマートシティが人々に実質的なメリットをもたらすという点は非常に重要です。自治体同士や行政サービスなどがIoTでつながることで、市民生活の質が大きく向上するでしょう」と述べています。


調査対象都市のうち、シンガポールはスマートシティ総合1位として評価されただけでなく、主要測定分野のすべてでトップを飾りました。同調査では、シンガポールのスマートネーションの取り組みおよび都市国家としての位置づけが、スマートシティのビジョン実現において一定の役割を果たしていることを指摘しています。

移動性に関しては、シンガポール陸運局が運用するスマート交通ソリューションに代表されるIoT対応インフラの活用により、ドライバー1人あたり年間最大60時間の節約が可能ということが調査で明らかになりました。

サンフランシスコとロンドンは、交通渋滞などの問題軽減を図る技術ソリューションに対する取り組みが評価され、移動性の分野でそれぞれ2位と3位にランクされています。

ヘルスケア分野では、血圧を監視するウェアラブルアプリなど、接続済デジタル医療サービスを有するスマートシティでは、年間1人あたり10時間近くの節約が可能とのことです。

同調査では「シンガポールとソウルは、デジタル・サービス・プラットフォームや遠隔監視機器など、さまざまな技術を駆使した高齢者向け医療サービス提供に重点を置いている点で特筆に値する」と記述されています。
 


また同調査によると、IoT技術の活用による公共安全性の向上は、都市部に住む人の時間節約に貢献し得るといいます。シンガポールのスマートビデオ監視などに代表されるようなIoT技術導入により、年間1人あたり約35時間もの節約につながる可能性が明らかになりました。

生産性の分野では、都市計画の課題解決を図るためのデジタルイノベーション促進、および市民がデジタルベースのサービスや地域情報を十分活用できるような環境づくりが、市民の生産性を向上させる上で重要であると指摘されています。シンガポール、ロンドン、シカゴは生産性分野の先駆的都市であり、それぞれが大規模かつオープンなデータストアを持つとともに、民間のイノベーションを促進する戦略を有していると記載されています。

インテルのスマートシティIoTソリューション・グローバル・マネジャー、サミール・シャルマ(Sameer Sharma)氏は「都市は経済活動の原動力です。我々は業界として、より柔軟性が高く反応のよいまちづくりをすることが求められています。都市計画立案者、政府関係者、民間企業、OEM、ソフトウェア開発者、新興企業などが連携することで、炭素排出量を削減しつつ市民生活がより便利になるスマートシティを実現できるでしょう」と語りました。

出典:シンガポールプレスホールディングス(SPH)

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