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A Tale of Two Cities

神戸×シンガポール二都物語

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世界の玄関口として名高い神戸。そして、東南アジアの代表的な交易拠点としての地位を確立しているシンガポール。ともに港町であるということ以外にもじつはさまざまな共通点を持つが、両都市の企業や団体はそれぞれに国を超えてどう関わり、いかに協力してきたのか。その“物語”をお届けする。

共通点から再発見する神戸とシンガポールの魅力

シンガポールはいくつもの航路が交わるマレー半島に位置し、シンガポール港を中心に栄えてきた都市国家である。1820年ごろ交易拠点として整備されると、中継地として急速に成長。長い歴史のなかで世界中の人やモノを迎え入れてきた。

神戸もまた、神戸港を中心に国際貿易の拠点として発展してきた街だ。海と山に囲まれた魅力的な街並みは人々を惹きつけ、1868年の開港以来、多くの外国人が定住。多様な文化が交差するマルチ・カルチャーな都市として発展してきた。

そんな両都市には、ほかにもいくつかの共通点がある。例えば、スタートアップ支援に力を入れているところもその一つだ。

シンガポールは、政府がベンチャーキャピタルのスタートアップへの投資活動を促進するための規制緩和を行うなど、政府主導で起業を支えるエコシステムをかねて整備している。シンガポール統計局(DOS)とシンガポール企業庁(ESG)によると、現在、シンガポールには約3,800社のスタートアップ企業が存在しており、とりわけ、デジタル技術分野のスタートアップの一大拠点となっている。

一方、神戸市がスタートアップ支援を本格化したのは2015年ごろ。2016年には、日本発のスタートアップ・エコシステムを神戸から生み出すことを目指して、アメリカのベンチャーキャピタル・500 Startups(現500 Global)と連携し起業家支援プログラム「500 KOBE ACCELERATOR」を開始。以来スタートアップを国内外から積極的に呼び込んでおり、既に100社以上の誘致や創業に関わってきた。

医療分野から広がる神戸とシンガポールの連携

さらに、医療関連企業が集積している点も両都市に共通する。シンガポールには世界をリードする医療技術企業約50社が拠点を設置。企業と研究機関、大学が連携するエコシステムが形成されている。

対する神戸市は、1995年の阪神・淡路大震災以降、復興プロジェクト「神戸医療産業都市」を推進している。プロジェクトの一環として、市内の人工島・ポートアイランドに先端医療技術の研究開発拠点を整備。計算速度を競うランキングで世界第1位となった、かの有名なスーパーコンピュータ「富岳」が設置されているほか、医療関連施設や企業が多数集まり、最近では、眼科専門の公立病院・神戸アイセンター病院が、iPS細胞を用いた網膜シート移植手術を世界で初めて実施するなど、神戸の医療産業は順調に成長している。

そうした共通点を持つ神戸とシンガポールとは親和性が高く、国を超えて連携する企業や団体も少なくない。

先述のプロジェクト・神⼾医療産業都市の中核的⽀援機関である神⼾医療産業都市推進機構は、組織のミッションとして医療技術の開発など神戸経済に貢献するイノベーションの創出を促すなかで、神戸とシンガポールの医療産業をつなげてきた。

例えば、2年に1度シンガポールで開かれている医療・ヘルスケアの国際的な見本市「Medical Fair Asia」では、神⼾医療産業都市推進機構が出展を希望する神戸の企業を募集。今年も8月末から開催される同見本市への参加が検討されており、同機構の神戸医療産業都市進出企業および神戸市内企業の海外展開への支援は続く。

神戸市がシンガポールの有望スタートアップとコラボ

神戸とシンガポールが関わりを持つのは医療分野においてだけではない。神戸市は里山の保全・活用に向けた実証実験を2020年10月に行ったが、その際パートナーに選んだのは、シンガポール国立大学発のスタートアップのブレイン・プール・テック(Brain Pool Tech)だった。

実験とは、市内にある里山の航空写真をドローンで撮影して、地形情報を可視化。AI解析して、その地区の災害リスクや生態系などを把握し、用地管理・活用の参考にするというものだ。市は地域や社会の課題解決に向けた取り組みを、先端技術を持つ国内外のスタートアップとともに行ってきており、この実証実験もそのうちの一つだった。

今回のパートナーのブレイン・プール・テックは、地形データのAI解析などに優れた技術を持つ有望なスタートアップで、朝日放送グループホールディングス傘下の投資会社・ABCドリームベンチャーズが日本での事業展開を支援している。

また、神戸市が2021年6月に開始したエンジニア育成事業「神戸エンジニアラボ」でも、シンガポール発のスタートアップ・GAOGAO(ガオガオ)ゲートが運営を担っている。同社はシンガポールのソフトウェア開発企業・GAOGAO Pte. Ltd.の日本法人で、プログラミング教育や研修事業などを手がける企業だ。首都圏の学生と地方の学生とはプログラミング学習の機会に格差があり、その点に問題意識を感じていたことから、神戸市のこの事業に参加。同年9月には本社を東京から神戸に移転し、社会課題を解決に導く次世代IT人材の創出に向け、神戸市とともに本格的な活動を始めた。

 

未来へ向けた高度な連携強化

さらに、シンガポールに拠点を置く複合企業・Keppelが設立したベンチャー・Keppel Data Centresは、Keppelグループで使用する電力の燃料として水素を活用するために、液化水素供給インフラの開発を開始。神戸市に本社を置く機械メーカー・川崎重工業ほか3社と協力して、2021年末をめどとする計画で開発を実施。輸出ターミナルや海上輸送、輸入ターミナル、貯蔵ユニット・再ガス化施設など、液化水素輸送に必要なインフラについて、参画各社の知見をもとに、実現に向けた技術および商務面の評価や検討を行っている。

また、2021 年11 月15日、高度情報科学技術研究機構(RIST)とシンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)は、スーパーコンピュータ「富岳」の利用に関する協定を締結した。この協定により、NSCCがRISTと連携して募集したシンガポール研究者による「富岳」の利用が可能となった。「富岳」を活用したスーパーコンピューティング分野における国際共同研究などの一層の拡大が期待される。

このようにさまざまな分野において国を超えて連携し、互いの経済や文化を広く、深く支え合っている神戸とシンガポール。ちなみに、神戸青年会議所とシンガポール・シティ青年会議所とは、姉妹JCを締結して来年60年になるが、神戸青年会議所の坂田氏は「コロナ禍が落ち着いたら、60年に向けてお互いにがんばっていきたい」と、交流の再開への思いを述べた。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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