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データが示す なぜ今、世界の先端企業がシンガポールに投資しているのか

SINGAPORE INVESTMENT DATA

  • BRIDGE Magazine
  • シンガポール投資動向

日本の固定資産投資が大幅に増加 2016年の世界経済は、資源国経済の失速などから2015年を若干下回る成長率となりましたが、そうしたなかでも、日本企業はシンガポールに引き続き活発な投資を行いました。

内外企業の2016年のシンガポールでの固定資産投資(Fixed Asset Investments)(FAI、表明額(commitment numbers)ベース、シンガポール経済開発庁(Singapre EDB)調べ)は94億シンガポール(S)ドルで期初予想の範囲内でした。FAIは企業の設備投資動向を示す代表的な指標ですが、日本企業によるFAIは7億Sドルと大幅な増加となりました。これは、日本の製造業のシンガポールにおける事業基盤確立・拡大に対する強い積極性を示すもとの言えます。

例えば、1980年代からシンガポールに進出し、同地に司令塔を置いてアジア全域で幅広く事業展開している工作機械メーカー大手の牧野フライス製作所は、西部トゥアス(Tuas)の既存工場の隣に新たな工作機械工場を建設することを決めました。既存工場も含めて段階的に設備を更新し、自動化された次世代型の製造拠点とする予定です。

一方、投資が生み出す人件費や賃料などの事業支出総額(Total Business Expenditure)(TBE)は、2016年で83億Sドルと前年比で48.2%増加しました。一時的な大型造船所プロジェクトが発足したことなどから、期初予想の55億〜65億Sドルから大きく上振れしました。投資に伴う雇用創出数は今後5年間で2万100人に達する見込みです。

TBEの増加は国際的企業がシンガポールにヘッドクオーター(本社・地域本社など)やR&D拠点を開設する動きが引き続き活発なことを示しています。例えば、電通の海外本社である電通イージス・ネットワーク(英国ロンドン)は、同社としては初となるR&D施設「グローバル・データ・イノベーション・センター」を開設、IoT(モノのインターネット)やビッグデータなどの技術を活用したマーケティングデータ分析の手法やアプリケーションの開発を目指しています。データサイエンティストなど専門家の育成もこの施設で行う予定です。

このように、ASEAN市場全体をカバーするR&D拠点や先端製造拠点をシンガポールに設置する動きが引き続き増加しています。

 

先端製造業のエコシステム構築が進む

シンガポール政府ではシンガポールを次のフェーズの発展へと導く施策として、主要23業種産業の国際的競争力を高める「産業変革プログラム(Industry Transformation Progra)(ITP)」を推進しています。そして、ITPの工程表である「産業変革マップ(ITM)」に基づいて、精密(Precision)エンジニアリング、エネルギー・化学(Energy&Chemicals)、エレクトロニクス、航空機などの製造業セクターで先端的な製造技術の導入を支援しています。

政府はまた、先端製造術導入による産業構造の転換にも取り組んでいます。この政策は、製造業がシンガポールに持つ拠点が他国にある工場のモデルケースとして進化することを促進すると同時に、製造業に対して技術やソリューションサービスを提供する企業がシンガポールで事業を始める呼び水ともなるでしょう。

こうした政府の支援を受けてすでにスタートしたプロジェクトの一つが、住友化学のIoTプロジェクトです。同社はアクセンチュアと協力しながらプラント内センサーを活用した予知保全、現場従業員へのスマートデバイス導入などを進めることで、生産性向上やエネルギー効率の最適化を図る計画です。この計画は同社のシンガポールにおける製造設備をすべてデジタル化することによって、IoTのセンター・オブ・エクセレンス(CoE、世界的研究拠点)を構築することにつながるでしょう。

2017〜18年はITMに沿って、サイバーセキュリティやデータサイエンス、デジタル製品のデザインや機能を設計する「UI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)」、デジタルマーケティングなどの分野でエコステム構築が進むものと見られています。成長する東南アジア市場での事業拡大を図ろうとする日本企業にとって、こうしたエコシステムが輩出する有能な人材は貴重なリソースになるものと思われます。

なお、2017年のFAIは前年と同水準の80〜100億Sドルになると予想されます。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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