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インダストリー 4.0:未来を見据えたビジネス変革

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真の変革には、考え方の転換が必要です。これはオプションではありません。と言うのも、オプションとは別の選択肢があることですが、これには別の選択肢はないのです。

著者: STエンジニアリング社長兼CEOヴィンセント・チョン(Vincent Chong)

ハノーバーメッセの関連イベントとしてシンガポールで初めて開催された、インダストリアル・トランスフォーメーション・アジア太平洋(ITAP)が幕を閉じました。ビジネスリーダー、エキスパート、政府代表者、その他のステークホルダーが集結してインダストリー4.0について議論した中、アジア・インダストリー4.0ダイアローグのパネリストであった私を含む誰の目にも明らかだったことは、アジア全体での技術の浸透が未だ安定的でないということです。これは変革が起こっていないということなのでしょうか。決してそうではありません。インダストリー4.0は革命ではなく、進化なのです。こうして話している間も、産業は変化し続けています。今日、企業が未来を見据えた準備が整っているかどうかは問題ではありません。重要なのは、企業が第4次産業革命に参加しない場合、企業のアクションとは無関係にインダストリー4.0が進展する中で引き起こされるであろう影響を理解しているかどうかです。

産業の進化

シンガポールの地場産業は、運用コストの高騰と人材の逼迫を受け、インダストリー4.0の導入が不可欠であることを理解しています。技術・エンジニアリング企業である当社も、10年以上前に航空宇宙事業「Aerobook」においてワークフローのデジタル化を開始しました。当社の変革は、ビジネスケースが明確になった場合にだけ拡張現実/仮想現実(AR/VR)やロボット工学などの先進技術を導入するという進化的なものでした。また、価値提案を再定義すべく、デジタル化プロセスにおける顧客参加とモバイルインターフェース、ARを介したエンジニアとメカニック間のやり取り向上による修理時間の短縮、付加製造による所要時間の短縮と航空機部品の在庫の最小化など、その他の可能性も具現化しました。これにより、現在までに生産性が最大15%改善されています。当社の事業はこれに留まらず、航空機検査におけるドローンの使用の認証にも取り組んでいます。航空機検査においてドローンが使用可能になると、効率が向上し職場事故を最小限に抑えることができます。航空宇宙事業の例では、当社の技術的進歩は、シンガポール、ドイツ、米国など高コスト地域での運用において生産性と効率を向上させ、品質および価値における競争に優位な差別化要因を拡大するという長年の目標によって促進されています。このように、ビジネスリーダーはビジネスケースを特定し、優先順位を付けることが必要です。

 

変革における課題

シンガポール政府のインダストリー4.0に対する支援は充実しています。2018年3月、シンガポール経済開発庁(EDB)は、さまざまな産業の中小企業(SMEs)、大手現地企業(LLEs)、多国籍企業(MNCs)の産業変革を加速させるために、スマートインダストリー準備指標を使い、政府負担で300社を調査することを発表しました。多くの人材移転プログラムも実施していビジネスリーダーは実践重視のままであり、変革の前進が見られるのは強力な推進要因がある場合のみとなるでしょう。また多くの企業はデジタル化への取り組みを開始しても、すぐに価値を見出すことができる場合にのみ投資を行うと考えられます。共にパネリストを務めたインドネシアのアイルランガ・ハルタルト(Airlangga Hartarto)工業相は、インダストリー4.0の展開計画のもと、何百万人ものインドネシア人の人材がデジタルリテラシーを習得するための訓練が必要となるだろうと述べました。また別のパネリストであるドイツPepperl + FuchsのCEO、ギュンター・ケーゲル(Gunther Kegel)博士は、同社は人材の準備に数百時間を費やしてきたと語りました。さらに、変革への賛同を得られたとしても、コンピュータ支援からコンピュータ主導のプロセスへと変更し、過去20年間行ってきた仕事の取り組み方を変える必要があると語りました。しかし、シンガポールのチャン・チュンシン(Chan Chun Sing)通商産業相がパネルディスカッションで指摘したように、多くの企業は技術の適用段階で「立ち往生してしまい」、再構築の段階である「ステージ3に行くことはない」というのが実情です。同相は技術産業における普及、適用、再構築、真の変革の4つの段階を挙げ、技術を単に応用するだけでは、「現在のプロセスを機械化、自動化、デジタル化」するだけであり、真の変革につながらないとする見解を示しました。組織を変革するためには、リーダーとスタッフ双方の考え方の転換が必要です。コー・ポークン(Koh Poh Koon)通商産業省上級国務相がITAPで述べたように、インダストリー4.0の成功に不可欠なのは「ワーカー4.0」です。まず、管理者と社員はどの技術が必要なのかを常に実用的に考えた上で、より戦略的かつ未来志向の視点に立ち、インダストリー4.0がもたらす可能性とビジネスにおける最善の活用方法について検討する必要があります。ビジネスと経済の成長につなげることが必要であり、技術のために技術を追求すべきではます。政府が時間と資源を投資して産業の変革に取り組む一方で、ありません。成功事例が増えれば、導入率の向上が期待できます。ビジネスケースが明確であると、導入率の向上はさらに加速するでしょう。上級幹部には、障壁や抵抗を乗り越えて変革の実現を推進するために、トップダウンのアプローチを取ることが求められます。

 

人材の準備

またチャン通商産業相は、学習サイクルを短縮させる必要性も指摘しました。人材を量産するための訓練校システムを使用した従来のモデルは、今後のニーズに対応していくためには遅過ぎます。さらに同相は、基礎の習得では従来の学習システムを活用しつつ、最先端の知識習得法については企業において繰り返し実験を行うことで習熟する必要があると語っています。私は同相の意見に賛成です。パネルディスカッションでも述べたように、組織は高等教育機関(IHLs)によるインダストリー4.0に通じた人材の開発を歓迎するでしょう。学位コースに加えて、自律システム、ロボット工学、データ分析、サイバーセキュリティなどのオンデマンドのマイクロラーニングモジュールも提供する必要があります。これらは企業、政府機関、IHLsが連携して共同開発することができる分野です。当社はインダストリー4.0に向けて人材の訓練および再訓練について多面的なアプローチを行っています。上位100名に選ばれた管理者はデータ分析とサイバーセキュリティに関する幹部向けワークショップに参加し、上層部から率先して考え方を転換するよう推進しています。またエンジニアには専門領域をさらに強化するためのコースの受講を課しています。たとえば、これまでに70名のエンジニアが、サイバーセキュリティの専門学校であるサイバーセキュリティアカデミーで訓練を受けました。また、350名のエンジニアがロボット工学とデジタル化の技術コースに参加しました。このコースは、シンガポールポリテクニックとの戦略的パートナーシップにより、当社の要望を取り入れたデジタル変換・ロボットコースが設置されたことで実現したものです。さらに今後1年半にわたり、シンガポール国立大学において専用のデータ分析プログラムでの訓練を社員1,000名に提供するための準備を進めています。また、データ分析やサイバーセキュリティなどの分野で深い能力を開発するとともに、製品とソリューションの差別化を図るために当社全体のサポートを提供する戦略的技術センターを立ち上げました。内部ですべての能力を構築することはできないことも認識し、コーポレートラボ、企業ベンチャー、オープンイノベーションラボを通して、外部の技術パートナーやIHLsと広く連携していきます。

 

ビジネス変革に向けた準備

インダストリー4.0は、多くの組織にとって大きな変化です。ビジネスリーダーは、技術的進歩を真の変革のための基盤として、ビジネスモデルとプロセスを再定義・再構築する準備ができているでしょうか。国や組織レベルでのプラットフォームやインフラストラクチャの整備において変革への推進力が十分ではない場合、おそらく競合他社に取り残されてしまうでしょう。

 

出典: シンガポールプレスホールディングス(SPH)

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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