ベルギーの物流会社カトエン・ナティ（Katoen Natie）は、2017年10月24日、米大手石油会社エクソンモービルの統合製造拠点で自動運転車両の実験を開始しました。今後自動運転車両を使用して、同社パッケージングセンターと中間保管施設間（往復約8キロメートル）での製品輸送を行います。これは、シンガポールでトラック運転手の雇用問題を解決する取り組みの一環で、間もなく公道へも展開される見込みです。

2018/01/22

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写真提供:カトエン・ナティ

同社は6か月間の試験期間中、毎日24時間、この自動運転トラックの試験を行います。この試験に成功した場合、さらに11台が追加され、全12台で毎年300万トンの貨物を輸送できるようになります(トラック1台で25万トンの貨物を運搬可能)。また、車両の速度制御機能による速度区分の明確化、施設内の標識の設置、接触によって非常停止する安全緩衝装置など、さまざまな安全対策も施される予定です。

自動運転トラックプロジェクトの第1フェーズでは、列車の信号システム機能による軌道通信と同様、道路に設置されたトランスポンダを用いてジュロン島の制限エリア内の固定ルートを走行していましたが、第2フェーズとなる今回の自動運転トラックの試験では、トランスポンダに代わり汎用パケット無線システム(GPRS)が使用され、車両が衛星によってナビゲートされることになります。最終フェーズでは、公道での運転を開始する予定です。

同社は、無人トラックによって大幅なコスト削減と生産性の向上を実現し、トラック運転手不足の解決に貢献できると期待しています。CEOのコエン・カルドン(Koen Cardon)氏は「若者はトラック運転手の職を敬遠するため運転手不足が広がっているとともに、運転手の高齢化も進んでいます。通常1台のトラックに約4名の運転手が必要なところ、自動運転車両では監督者1名の遠隔作業で足りることになり、生産性が大幅に向上します」と語っています。

エクソンモービル・シンガポール化学工場の製造ディレクター、ロバート・ジョンストン(Robert Johnston)氏は、このプロジェクトは業界が「労働者の生産性向上のために自動化を採用し続けている一つの事例だ」と語りました。

シンガポール経済開発庁(EDB)エネルギー・化学産業担当のダミアン・チャン(Damian Chan)局長は「十分な訓練を受け未来を担う人材なしには、業界の変革は起こり得ない」と述べています。

同社のプロジェクトは、2020年からの無人車両展開を推進する、シンガポールの自動運転車両技術イニシアチブの一環となります。シンガポール陸上交通庁は2020年後半までに公道に無人バスを導入する予定です。

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