当社は人材を中核とし、育成計画や研修、リーダーシッププログラム、海外赴任などで成長を支援しています。人材の専門性とインテリジェントシステムを組み合わせ、AIによるスマートなオペレーションで工場全体の効率向上を目指しています。
Q:組織としてどのようにAI導入を推進していますか。
A: 私は「トップを強め、ボトムを支える」という方針を大切にしています。意欲の高い社員には探究の自由を与えます。導入に抵抗のある社員には、実際に使用する機会を提供することで効果を実感し、挑戦する姿勢が生まれると考えています。
さらに、部門横断チームによる現場発のデジタルソリューション発表会を定期開催し、プロセス改善の知見を共有することで、顧客価値と競争力を高めています。
Q:現在進行中のAI関連の取り組みはありますか。
A: 検査AI、データ管理プラットフォーム、予測AIの三つに注力し、大規模言語モデル(LLM)を使ったナレッジマネジメントも進めています。
将来はこれらを統合したエージェント型AIを構築し、各種モデルやデータをつなぐ「頭脳」として機能させ、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンの地域ハブ化を支えていきます。
シンガポール:日本と世界市場をつなぐハブ
Q:企業は政府やエコシステムとどう連携できますか。
A: シンガポールが地域ハブとして機能するには、現地人材が海外で経験を積むことが重要です。投資や人材開発でEDBの支援を受け、日本やASEAN拠点での研修を通じてリーダー育成と拠点強化を進めています。
また、科学技術研究庁(A*STAR)との協業も大きな柱です。AIやデータマイニングの研修に加え、プロセス開発や予知保全モデルの構築など、多様な領域で連携しています。
Q:ご自身の経験から、日本企業は海外展開にシンガポールをどう活用すべき?
A:Murata Singaporeでの34年間で、シンガポールは東西のビジネス文化をつなぎ、日本をグローバル市場へ橋渡しする、非常に有効な拠点だと実感しました。
シンガポールは国土などで制約はあるものの、デジタル分野では無限の拡張性があります。Murata Singaporeは、高度なIT・AI人材を活用し、成長してきました。
日本の中核技術と、シンガポールのアプリケーション技術やAI活用の強みを生かし、スピードと柔軟性を伴うイノベーションを通じて新たな価値を創出できます。