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シンガポール政府、今後5年でAIに1億SGD超を投資

シンガポール政府、今後5年でAIに1億SGD超を投資

シンガポールはスマート国家およびイノベーションの中心地となることを目指し、主要先端技術である人工知能(AI)とデータ科学への投資とイニシアチブの強化に取り組んでいます。


シンガポール情報通信省のヤーコブ・イブラヒム(Yaacob Ibrahim)大臣は、国家研究基金(NRF)が国内の様々な機関と連携して2つのイニシアチブを立ち上げることを発表しました。

その1つが、NRF、首相府傘下のスマートネーション・デジタル政府オフィス(SNDG)、経済開発庁(EDB)、情報通信メディア開発庁(IMDA)、SGイノベート、総合健康情報システム(IHiS)の6つの政府機関との提携による国家プログラム「AI.SG」です。

同大臣はシンガポールで開催された展示会「イノブフェスト・アンバウンド」にて、「AI.SGの主な取り組みは3つあり、1つ目に社会と産業の両方に影響を及ぼす主要課題への対応、2つ目に次の科学技術革新の波に乗るための深い能力への投資、そして3つ目にAIイノベーションの促進と企業への導入です。特に金融、都市管理ソリューション、ヘルスケアの3分野への応用に注力していきます」と語りました。
 


NRFは今後5年間で最大1億5,000万SGD(118億5,000万円)をAI.SGに投資する予定です。このイニシアチブを指揮するのはSNDGのタン・コックヤム(Tan Kok Yam)副次官と、シンガポール国立大学(NUS)研究技術担当の副学長、ホー・テックフア(Ho Teck Hua)教授です。

NRFのCEOであるロウ・テックセン(Low Teck Seng)教授は「NRFが研究開発に投資することで、AI.SGは、これまでシンガポールを拠点とする研究機関全体で積み上げてきたAIに関する知識と能力をさらに高めることができます」と述べました。

イニシアチブの連携は研究機関に留まらず、ソフトウェア・ツール、オープンソースフレームワーク、匿名化データセット、その他のAI高性能コンピューティングなどのリソースや設備の提供、ネットワーキングイベントやハッカソンを通して地域コミュニティとの関係も築いていきます。これによりAIベースのソリューションを開発し、現実の問題に対処したい考えです。

また同大臣は、NRFとシンガポールの大学・研究機関との連携によるシンガポール・データサイエンス・コンソーシアムの設立も発表しました。大学、研究機関、各産業間の連携を強化する狙いです。

これにより企業は、NUS、南洋理工大学、シンガポールマネージメント大学、科学・技術・研究機関のデータサイエンス専門家との人脈を活用でき、「企業はデータサイエンスや分析技術を導入し、現実の問題に対処できるようになります」と同大臣は語りました。

1シンガポールドル(SGD)=79円、1米ドル(USD)=109円(6月9日現在)

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