シンガポールの新たな就労ビザ「ONE Pass」とは?
シンガポールは、新しい就労ビザプログラム「Overseas Networks & Experience Pass(ONE Pass)」を昨年8月に発表、2023年1月から申請の受付を開始した。シンガポールを人材のグローバルハブとするため、世界のトップクラスの人材を、誘致、維持、育成する戦略の一環として行われた。ONE Passの発給対象となるのは、金融、技術、学術研究、スポーツ、芸術などさまざまな分野で実績を上げている人材や月収3万SGD(約300万円)以上の高い技能を持つ人材だ。この発給基準は、既存の「Employment Pass(EP)」(外国人幹部・専門職向け就労ビザ)の給与所得額上位5%に相当し、有効期間はEPの2年よりも大幅に延長された5年間。さらに、保有者は複数の企業で就労可能となる。特定業種を対象とした他の就労ビザよりも柔軟な働き方ができるのが特徴だ。
外国人を含めても人口約560万という小さな都市国家であるシンガポールは、これまで国内労働力を補完するため海外の専門技能を持つ人材に依存してきた。
Nikkei Asia のインタビューの中で、シンガポール経済開発庁(EDB)のジャクリーン・ポー次官は、次のように語る。
「ONE Passは、シンガポールで不足する人材を呼び込むことで、国内人材やその育成を補完しようというものです。AI科学者、学術研究やテック分野で高度な技能を持つ方、あるいは芸術やエンターテインメントで実績を上げている方などを想定しています」
シンガポールにおける人材雇用の詳細はこちら:
https://www.edb.gov.sg/en/setting-up-in-singapore/business-guides/guide-to-hiring-in-singapore.html