A Singapore Government Agency Website A Singapore Government Agency Website How to identify keyboard_arrow_down
close

アジアのグリーンオアシス – サステナブルな企業の成長を約束する豊かな環境

  • ニュース
  • ビジネスニュース
  • General
  • 都市のソリューションとサステナビリティ

(2023年12月7日)世界中で低炭素経済への移行が進む中、新たなビジネスチャンスが生まれている。シンガポールにおけるグリーン移行の取り組みでは、この機会に対して積極的な企業との連携も行われている。

2023/12/07

西暦2050年、その遠くない未来において、アジアではネットゼロを実現していた。主要なエネルギー源は再生エネルギーとなり、排出された炭素は回収されるようになっていた。また、温室効果ガスを排出する企業がその対価を支払い、炭素税を負担する慣行は続いている。

シンガポールは、脱炭素化を目指すアジアの取り組みにおいて、常に支援と協力を惜しむことなく、力強く自らの役割を果たしてきた…。

このシナリオが現実となるか否かは、定かではない。しかし、これが、シンガポールが追求し続けている目標だ。

2年前、シンガポールは「シンガポール・グリーンプラン2030」を立ち上げ、持続可能な発展に取り組む決意を示した。昨年には、2050年までに排出量ネットゼロ達成という公約を掲げた。

その後、企業のエネルギー効率向上を促す奨励策の導入や、電力輸入によるクリーンエネルギー供給源の多様化などの進展を見せている。長期的には、2035年までに低炭素電力の輸入を、その時点でのシンガポールの電力供給の30%に相当する4ギガワットに引き上げることを目標としている。

しかし、なすべきことはまだ多い。たとえば、シンガポールでは他にも、ネットゼロ実現に向けてクリーン・テクノロジーの利用を拡大するため、炭素回収などのイネーブリング・テクノロジー(実現技術)の開発や、アジアにおける水素供給網構築を目的とする地域的連携の模索が進められている。

同時に、東南アジアの各国政府および企業が持続可能な経済成長に取り組んでいることを受け、グリーン成長の分野に大きな経済的機会が生まれることが予測される。コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーによる「Green Economy 2022 Report」によると、農産品、電気自動車、太陽光発電、自然由来ソリューションなどの分野の製造・サービス業界全般において、東南アジアで生まれるグリーン経済の機会は、2030年までに年間最大1兆ドルに上ると見込まれる。
 

これまでの歩み

2019年、シンガポールは東南アジアの他国に先駆けて炭素税の導入を発表した。政府は当初から企業に働きかけ、排出の削減と変革への対処を後押しするため、移行を促す枠組みを立ち上げた。

炭素税は現代の新たな歳入源ではなく、脱炭素化の取り組みを推進し、企業や消費者が受ける影響の緩和を目的としていることを、政府は明確に説明した。炭素税はシンガポールの排出量の80%を対象としており、価格シグナルを通じて脱炭素化をさらに促進している。

炭素利用と低炭素水素の分野で企業が新技術の導入を容易に拡大できるようにするため、この施設はプラグ・アンド・プレイ方式での運用を目指している。

これに続き、他にも脱炭素化の取り組みを進展させるための政策も発表された。中でも特筆すべきものとして、ジュロン島を、持続可能性にフォーカスしたエネルギー・化学産業拠点へと転換するプロジェクトがある(「Sustainable Jurong Island(持続可能なジュロン島)」)。 

「Sustainable Jurong Island」では、2019年から2050年にかけて、低炭素化ソリューションにより炭素排出量を年間600万トン超削減し、同島で生産されるバイオ燃料などの持続可能な製品の生産量を4倍に引き上げることを目指している。 

この目標は、ジュロン島に集まる100社以上の、エネルギー、石油化学、特殊化学の大手企業の取り組みを通じて達成されることが期待されている。

その一例が、特殊素材の世界的企業であるアルケマだ。同社では、再生可能・持続可能な原料であるトウゴマの実を利用したRilsan🄬ポリマー(高性能の耐熱・耐薬品性ポリマー)の生産を計画している。

政府はLow-Carbon Energy Research Funding(低炭素エネルギー研究資金提供イニシアティブ)を通じて企業や研究機関と連携し、脱炭素化技術の開発および既存技術の増強を図っている。この種の技術は試験的に導入したうえで規模を拡大する必要があるため、ジュロン島にLow Carbon Technologies Translational Testbed(低炭素技術試験用テストベッド施設)を設立することを検討している。

炭素利用と低炭素水素の分野で企業が新技術の導入を容易に拡大できるようにするため、この施設はプラグ・アンド・プレイ方式での運用を目指している。
 

気候変動対策の成果達成に向けた地球上で最大の機会

シンガポールには、東南アジアにおける有利な立地と産業界との確固たる協力体制という、革新的な持続可能性向上ソリューションの開発のための有利な強みがある。そのため、アジアの脱炭素化の歩みを支え、その過程で生じる成長機会を手にすることができる絶好の位置にある。

東南アジアの再生可能エネルギー分野に秘められた大きな能力を解き放つために、シンガポールは東南アジアの中心に位置しているという特長を活かして貢献することができる。東南アジアは2030年までに5億人の人口を擁する世界第4位の経済圏になると見込まれている。その将来的なエネルギー需要は膨大だ。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電量の拡大が、東南アジアの電力需要の増大への対応とネットゼロ目標達成の両立の鍵になるだろう。シンガポールはアジアの太陽光発電の中心地であり、100社を超える内外のクリーンエネルギー関連企業がシンガポールを本拠地としている。

研究開発プロバイダーを始め、プロジェクトや法務のアドバイザー、エネルギー貯蔵システム(ESS)インテグレーターなど、バリューチェーン全体の関係者から成る幅広いエコシステムが、再生可能エネルギー関連企業による同地域のプロジェクト開発・実行を支えている。

また、低炭素水素が燃料ミックスの重要な要素になる未来にも備えている。シンガポールでは、エンド・ツー・エンドの低炭素アンモニア発電・貯蔵ソリューションの開発プロジェクトに着手した。

このプロジェクトは、私たちのクリーンエネルギーの未来実現に貢献するだけではない。アンモニアが海上輸送可能な代替燃料候補として浮上しており、シンガポールの海運拠点としての地位向上にもつながる可能性があるのだ。

シンガポールは、バイオ燃料開発においても成果を挙げている。この種の燃料は使用済み食用油や獣脂などの廃棄物や残留物から生産され、温室効果ガスフットプリントが低い。たとえば、持続可能な航空燃料(SAF)は従来の航空燃料と比較して最大80%温室効果ガスを削減することができる。

当地に拠点を持つフィンランドの石油化学大手であるネステにより、シンガポールが世界最大のSAF生産国となっていることを私たちは誇りに思っている。2023年4月、同社は精製能力を拡張し、生産能力を倍増させた。その結果、年間最大100万トンのSAFの生産が可能になった。

また、シンガポールはアジアの炭素関連サービス・取引拠点としても注目されている。シンガポールは、東南アジアでもっとも炭素関連サービスプロバイダーが集まる都市であり、数多くのプロバイダーが当地のビジネスに有利な環境、需要地に近接した立地、協力的なエコシステムからメリットを受けている。

シンガポールは、South Pole、Nature Conservancy、カーボントラストなどの、気候変動や炭素取引市場の分野で活動する主要組織の本拠地であり、その他にも、シンガポールをアジアにおける炭素関連サービス提供の地域拠点にしている企業は100社を超える。炭素関連サービスやオフセットにとどまらず、グリーン金融の中心地としての地位を活かし、アジアにおける低炭素ソリューション投資の拡大に貢献している。
 

人材への投資

グリーン経済の成長により、国民がシンガポール発のより持続可能な未来に貢献できる有意義な就労の機会も生まれている。

低炭素化に関するアドバイザリー・サービスの提供や太陽光発電などのクリーン・エネルギー・ソリューションの開発など、シンガポール国民は、新卒者も求職者も、これらの新たに生まれた就業機会に高い関心を寄せている。

シンガポールのグリーン経済が成長を続けるには、スキルの習得・向上により、国民がこの分野の職に就けるようになる必要がある。この数年間、この成長産業に適切な人材を還流させるための取り組みが進められてきた。

たとえば、政府機関のワークフォース・シンガポール(WSG)のCareer Conversion Programme for Sustainability Professionals(持続可能性関連職種へのキャリア転換プログラム)は、講座受講とOJT研修によるリスキリングを通じて、シンガポール国民の持続可能性関連職種へのキャリア転換を支援している。

また、炭素関連の専門スキルをもつグローバルな人材も歓迎しており、近い将来、そのような人材のための就労許可制度が導入される予定だ。

国際的な人材とともに働くことが、シンガポール国民の競争優位性の向上につながることが望ましいと考えており、WSGのCapability Transfer Programme(能力移転プログラム)を通じてそのための支援を提供している。

気候変動に関する活動の機運の持続は、東南アジアにとって経済的なチャンスである。この成長するグリーン経済のニーズに応えるため、シンガポールは、資金、主要市場、人材へのアクセスに関して企業に提供可能な支援を通じて一翼を担うことができる。

また、ベンチャー資本のスタートアップ企業を含め、あらゆる規模・種類の国際企業との連携関係を通じて、新しい持続可能性テクノロジーの商業化の加速においても重要な役割を果たしている。

シンガポールで開発されたソリューションが、企業であれ、政府であれ、シンガポールのパートナーのグリーン移行の取り組みをグローバルに加速できれば、2050年に向けたビジョンを現実のものにし、意味ある変化を起こせる望みがある。

 

執筆:
シンガポール経済開発庁エグゼクティブ・バイス・プレジデント ダミアン・チャン(Damian Chan)
出典: 「The Business Times」2023年8月26日

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

詳細を見る

  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

詳細を見る

  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

詳細を見る

  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

詳細を見る

  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

詳細を見る

  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

詳細を見る

  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

詳細を見る

  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

詳細を見る

  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

詳細を見る