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2026年度予算案:低炭素技術の研究・イノベーション支援に8億シンガポールドル

2026年度予算案:低炭素技術の研究・イノベーション支援に8億シンガポールドル

気候目標達成へ、新技術実用化プログラムも新設

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タン・シーレン・エネルギー科学技術担当相は3月2日の予算審議で、政府は脱炭素大規模研究開発プログラムに8億シンガポールドル(以下ドル、約1000億円)規模の新たな支援策を打ち出すと述べた。

国家研究開発新5カ年計画(RIE)での脱炭素に関するグランド・チャレンジ(大規模研究開発プログラム)「Decarbonisation Grand Challenge (DGC) 」の下、政府は今後5年間で8億ドルを投資し、産業・電力分野向けの低炭素エネルギー発電と産業プロセスに関する脱炭素化技術研究・イノベーション・実用化を支援する。

タン氏によると、DGCは科学技術を活用し、重要な成長産業で主導的地位を築き、新成長領域への進出を図る、政府のより広範な戦略の一環でもある。

同氏は「これまでの取り組みを踏まえ、電力・産業分野の排出削減と同時に、信頼性と強靭性を備えた電力網の確保に向け、効果が期待できる新技術への投資を大幅に拡大する」とつけ加えた。

DGCは国家計画「RIE2030」の2つの「グランドチャレンジ」のうちの1つだ。最初のチャレンジは2025年12月に発表されている。RIEのグランドチャレンジとは、国家の戦略的優先事項の実現を後押しする大規模研究開発プログラムだ。

脱炭素化は優先課題の一つとして位置づけられている。これは、シンガポールが2035年までに温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算で45〜50メガトンに削減し、2050年までにネットゼロ排出を達成することを目標としているためだ。

DGCの8億ドル投資は、シンガポールが気候目標を達成するために必要な低炭素技術の開発を後押しする。

同計画は、産業・電力分野の大規模脱炭素化実現が可能な技術に焦点を当てる。産業プロセスと発電がシンガポールの温室効果ガス排出量の80%以上を占めているからだ。

これらの技術には太陽光発電、水素とその派生物、エネルギー効率化、エネルギー貯蔵、炭素回収・活用、送電網の最新化などがある。

DGCは次世代低炭素技術の実験室での研究開発と、より実用化に近い技術の実証実験を支援する。
 

将来性のあるイノベーションの実証実験を行う新プログラム

政府はDGCの一環として、効果が期待できる新技術を実用化し、シンガポールの気候目標達成に貢献する新プログラムも立ち上げる。

DGCの「Singapore Pilots for Energy and Enterprise Decarbonisation (SPEED)」プログラムは、科学技術研究庁(A*STAR)が主導する。
 


SPEEDは、設備所有者、投資家、ソリューションプロバイダー、政府機関など、シンガポールの気候テック・エコシステム関係者を集結させ、将来性のあるイノベーションの実証実験と開発を支援する。
政府は今後数カ月以内に、SPEEDなど、DGCで実施する各種取り組みに関する詳細情報を公表予定だ。
 

 元記事「 Budget 2026: New S$800 million decarbonisation challenge launched to support research and innovation in low-carbon technologies - The Business Times 」(3月2日付ビジネス・タイムズ紙)から翻訳、編集しました。誤りについてはすべて翻訳側の責任となります。

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