更に世界的な半導体市場とともに注目すべき分野は、自動運転の分野(電気自動車と自動運転車両の両方)で、2017年の374億USD(約4兆616億円)から、2023年には、585億USD(約6兆3531億円)にまで拡大する見込みだと同副首相は述べた。
STの新工場では、シンガポールにおける8インチウェハーの生産能力が2倍以上になり、自動車の電子化とデジタル化、また他の高成長産業の生産プロセスの分野の拡大を目指している。
今回の同社新工場の開所式は、アメリカを本拠地とする世界的な半導体企業マイクロンがシンガポールで「数十億ドル」規模のウエハーファブ拡張計画を発表したわずか一カ月後に行われた。
マイクロンの3D NANDフラッシュメモリー製品の大半はシンガポールで生産しており、そのクリーンルームを拡大するためのものだ。今回のST新工場での新世代チップやマイクロコントローラの製造に加え、各企業が従業員、特にシンガポールの人材確保と育成に投資していることに注目している。
この新工場では、現在の従業員に加えて、新たに400人以上を雇用した。
現在、STは、シンガポールに5, 000人ほどの従業員を抱えている。半導体製造のフロントエンド任務の約40%以上は、オペレーターであり、エンジニアと技術者がこれに続く。
ヘン副首相は、2019年は同社がシンガポールで操業を開始して50年であることに触れ、STとシンガポールのパートナーシップは、「経済危機と困難を乗り越えて」おり、その度に強く成長してきたと述べている。
「厳しい経済状況の間、シンガポール政府はSTなどの企業と密接に協力して、現在の従業員を再訓練し、技能向上させてきた。」その結果、あの困難な時代から、従業員たちはより強く、より能力を高めることに成功した。」
この開所式では、 同社の最高経営責任者ジャン・マーク・シェリー(Jean-Marc Chery)氏も次のように述べている。「人口増加とモビリティの複雑さを解決するエレクトロニクス製品の需要は、増加の一途をたどっています」。また、「テクノロジーを信奉し、イノベーションを推進する企業であるSTは、重要なビジネスイネーブラーとして、製造業に投資を続けていく」と述べた。
また、同社は、特に自動車の分野においてリーディングカンパニーになることを望んでいるとも語った。
さらに、シンガポールは同社の投資にとって「戦略的な場所」であり、ビジネス指向の経済政策と高度な教育を受けた熟練した労働力が存在すると付け加えた。
出典:ザ・ストレーツ・タイムズ