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2022年におけるシンガポール最新投資状況 固定資産投資額(FAI)は前年比でほぼ倍増、過去最高額を記録

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シンガポール経済開発庁(EDB)は、世界的にマクロ経済の先行きが不透明な中、2022年の固定資産投資額が過去最高となる225億SGD(約2兆2500億円)に達し、年間総事業費と雇用創出は中長期予測に沿う結果となったことを発表した。

固定資産投資額は過去最高

2022年の固定資産投資額は、中長期予測を大幅に上回る225億SGDを記録し、過去最高となった。投資の約3分の2を占めるエレクトロニクス分野で、上半期に大型の製造業向けプロジェクトが異例の規模で流入したことが要因として挙げられる。また、年間総事業費は、中長期予測範囲内の62億SGD(約6200億円)となった。より多くのグローバル企業が事業のレジリエンスを高め、アジア地域や世界市場へアクセスするためにシンガポールを拠点としたことから、総事業費の約半分が本社統括部門および専門サービス部門で占められた。

また、数年後に投資が完了した場合、1万7113人の新規雇用が創出され、年間付加価値額は206億SGD(約2兆600億円)になると予測。雇用の内訳は、61%が事業拠点および事業サービス、27%が先進製造業、12%がイノベーション分野となる見通しだ。

米国、欧州、アジアの多様な企業から質の高い投資を獲得したのは、シンガポールが経済基盤や安定性、信頼性、中立性の点で高い評価を受けたことによると見られる。成長著しい南アジア・東南アジア市場への参入を目指す中国をはじめとして、北東アジア諸国の企業からの関心も高まっている。

デジタル化とイノベーション支援が投資を後押し

デジタル産業の長期的展望は引き続き明るく、多岐にわたる業界において、データ、デジタル化、自動化など、継続した事業推進が見られる。また、フィンテック、クラウド、サイバーセキュリティー、B2B SaaS、ゲームなど、東南アジアで拡大しているデジタル経済による商機もあり、あらゆる業界でハイテク人材に対する需要が堅調に推移すると予測される。​シンガポールの活気ある研究開発とイノベーションのエコシステムは、製品改革を進める企業を惹きつけ、新たな成長分野と雇用を創出した。EDB は企業と協働し、シンガポールを拠点とする新しいベンチャー企業の設立と投資を継続的に行っている。2021年、試験的に導入されたCorporate Venture Launchpad (CVL) プログラムは継続・拡大し、今後 2 年間で 20~30社 のベンチャー企業の支援を目指している。 
 

脱炭素の取り組み

世界的な持続可能性への取り組みの一環として、EDB は炭素集約型企業と協力し、シンガポールの製造業界におけるネットゼロ目標を2050 年までに達成できるよう取り組んでいる。脱炭素化の導入支援、排出削減や再生可能エネルギー、農業ビジネス、循環型経済、カーボンサービスなどの分野で有望な技術を持つ企業を積極的に誘致することで実現可能となる。さらに、エンタープライズ・シンガポール(シンガポール企業庁)と共同でカーボンサービス分野の開発を進めており、現在70社以上の企業がエコシステムを構築している。
 

2023年に向けて

2023年の事業見通しは、世界需要の鈍化や追加利上げによって厳しくなると予測される。しかし投資は複数年にわたる長期計画であることから、先進製造業(エレクトロニクス、ヘルスケア、航空宇宙)、農業ビジネスを含むグリーン経済、デジタル経済など、高成長かつ高付加価値の分野にはチャンスがあると予測される。シンガポールは、サプライチェーンの管制塔としての役割を担い、起業家精神、イノベーション、民間資本の中核として機能を強化する。

そしてアジアへの投資を目指すグローバル企業や事業者、世界進出を目指すアジアの投資家にシンガポールの魅力を発信し続け、近隣諸国との緊密な経済協力を支援するとともに、労働力の質を高め、グローバル人材や補完的なスキルを持つ労働者に門戸を開き続けることで、国際競争力のある人材プールを育成・成長させるという。

EDB 長官のベー・スワンジン博士は次のように述べている。「2022 年の投資額は、シンガポールがビジネスの拠点として、またグローバル・サプライチェーンの重要な中核として信頼されていることを反映しています。世界経済の先行きが不透明な中、多くの国が投資誘致のための産業政策を展開し、投資獲得競争はますます激しくなるでしょう。我々はシンガポールの利点を活かして、グローバル企業や事業者を惹きつける商機と雇用機会を創出し続けていきます」

*1シンガポールドル=約100円 (100.54円、2023年3月10日現在)

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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