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リンデ

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ドイツ産業ガス大手リンデ・グループは、域内の工場やビジネスプロセスのデジタル化促進のために、3,000万SGD(24億3,000万円)を投じてシンガポールに「アジア太平洋デジタル化ハブ」を設立しました。ドイツ以外では同社初となるこの施設において、地域および世界規模のビジネスソリューションを開発・試験します。


同社は、メープルツリー・ビジネスシティーの地域本部に加えて、トゥアスとジュロン島にも施設を構えています。最高経営責任者(CEO)アルド・ベッローニ(Aldo Belloni)氏は、ミュンヘン本社でのデジタルアクセラレータの取り組み成功を背景に、同ハブを発足させたと語りました。デジタル化責任者フィリッピス・カルミレス(Philippis Karmires)氏は「デジタル技術は、新しいアイデアをテストし、迅速に追跡する方法を低コストで実現するものです」と述べています。これまでに同社が開発し成功を収めたデジタルプロジェクトとして、顧客へのガス配送タイミングを判定できるアルゴリズムや、プラント作業員訓練用のバーチャルリアリティヘッドセットなどの実績があります。

アジア太平洋最高執行責任者(COO)サンジブ・ランバ(Sanjiv Lamba)氏は、デジタル化の潮流に乗り今後数年間でジュロン島のガス生産工場を「未来の工場」に転換すると述べています。大規模なデータ分析と機械学習アルゴリズムを生産プロセスに統合することでこれを実現します。工場の生産、エネルギー、原材料消費に関するデータをクラウド上に保存し、リモートオペレーションセンターで監視することで顧客の行動を予測し、エネルギー消費を最小限に抑えます。

シンガポール経済開発庁(EDB)のベー・スワンジン(Beh Swan Gin)長官は、シンガポールには活気ある技術系のスタートアップコミュニティがあるとともに、データ分析とインダストリー4.0の能力を備えているため、リンデなどの企業が高度なデジタルソリューションを開発する上で理想的な場所であると語りました。また、シンガポールにデジタル化拠点を構える企業が増えているのは、多くの技術ソリューションプロバイダーとの分野を超えたコラボレーションの機会が豊富であることが理由のひとつであろうとコメントしました。

出典:The Strait Times © Singapore Press Holdings Limited. 無断転載禁止

1シンガポールドル(SGD)=81円(2018年3月22日現在)

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