A Singapore Government Agency Website A Singapore Government Agency Website How to identify keyboard_arrow_down
close

「Growing for Good」シンガポールをアジア太平洋のハブとして成長を続けるサントリー

  • コンシューマービジネス
  • 都市のソリューションとサステナビリティ
  • 本社

世界的にも有名な日本の飲料メーカー・サントリーは、成長ドライバーと位置づけているアジア太平洋の地域統括拠点をシンガポールに置き、シンガポールの経済成長に大きく寄与しているパートナーだ。2011年の拠点設置以来、瞬く間に域内各国への進出を果たしてきた同社が、シンガポールをどう見ているのか、また多国籍企業として大切にしてきたこととは何なのか——サントリー食品アジアパシフィック 最高人事責任者兼グローバルヒューマンリソース部門長の河本光広氏に聞いた。

グループ企業との連携が欠かせない地域統括拠点こそシンガポールに

「飲料市場の規模は人口に大きく左右されます。そのためサントリーは、人口が増加しているアジアへの進出に積極的に挑戦してきました」。そう河本氏が語るサントリーのアジア進出は1990年、シンガポールの大手健康食品メーカーCerebos Pacific Limitedの経営権取得とともに始まった。

その後2011年、シンガポールにアジア太平洋の統括拠点として設置されたのがサントリー食品アジアだ。同社はサントリーのグループ企業・サントリー食品インターナショナルの完全子会社として設立され、以降、サントリーのアジア太平洋での事業展開は一気に加速。子会社設立やM&A、合弁会社設立などさまざまな手法を組み合わせてグローバル経営の基盤を築き、アジア太平洋では既にシンガポールのほか、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、香港、オーストラリア、ニュージーランドなどへの進出を果たしている。

そして現在、シンガポール拠点は、アジア太平洋域内のグループ企業の飲料事業と健康食品事業を統括。財務、資金調達、人事、生産・品質管理、マーケティングに加え、M&Aの実行などの事業開発機能をリージョン統括として担っている。

具体的な業務について、河本氏は「例えば商品開発なら、食の嗜好には微妙な地域差があるので、各国にあるグループ企業の担当者がマーケティングを行い、シンガポール統括拠点がディレクションするといった具合で進めています」と説明する。

そのように各国のグループ企業との連携が欠かせない地域統括拠点にとって、シンガポールのビジネス環境は最適だという。

「我々は業務上、グループ企業それぞれの状況を把握しておく必要があります。その点、シンガポールは東南アジアの中心に位置し、アジア太平洋諸国へアクセスしやすいため、出張するにも動きやすく、非常に効率的です。また、シンガポールは法整備や情報通信、物流などのインフラも整備されていて、業務がスムーズに進みます。」(河本氏)

サントリー初のシンガポール工場がついに生産開始!

サントリーの商品は、シンガポールではカシスドリンクの「Ribena」、滋養強壮栄養ドリンクの「BRAND’S®︎ Essence of Chicken」、他のアジア太平洋地域では、日本でもおなじみの「BOSS」のほか、「TEA +」「V」「STING」といった飲料や健康食品を流通。2020年度のアジア全体の売上収益は2,000億円を突破しており、それについて河本氏はこうコメントする。

「アジア太平洋は巨大市場なうえ、アジアでは人口が増加しています。そのため、サントリーはこのエリア『アジアパシフィックリージョン』を成長ドライバーと位置づけて、サントリーブランドの拡大や新カテゴリーの創造を行うなど開拓に力を入れています。」

アジア太平洋地域では、新型コロナウイルスの影響を受けながらも営業利益は伸びている。それは徹底したコストマネジメントの結果であり、例えばサントリーでは、「飲料は重量があり、輸出するとなると採算が合わなくなるため、現地生産・現地販売が基本」としている。

一方で、アジア諸国は、人口の増加により排水処理が追いつかず、水質汚濁が問題になるなど、水環境に恵まれているとは決して言えない。そんななか、「サントリー天然水」をはじめ水にこだわる同社は、商品に使用する水の品質をどう保っているのか。

「サントリーは何よりも品質を第一に考えています。たとえ工場近くの川の水質が良くなくても、工場の地下深い水は、地層によるろ過や遮水作用により水質が安定していることも多々あり、そういった場合にはその地下水を使うなど、厳しい品質レベルに合う水を確保しています。また、工場で使用する水は、日常的に分析や検査を実施し、品質マネジメントを徹底しています。」(河本氏)

これまで、シンガポールでサントリーが販売する商品は、国内ではなく、隣国のマレーシアで生産したものを輸入していた。そのため、シンガポールは生産工場を持たなかったが、ついにサントリー初となるシンガポール工場が新設され、2021年に生産も開始された。

「まだ始めたばかりで、少しずつ展開しています。シンガポールの人口は600万人弱と市場としては大きくなく、同工場から域内への展開を計画しています。」(河本氏)

グローバル展開では文化の違いを互いに理解できるかがポイント

このように、シンガポールをハブとしてアジア太平洋での事業を着々と拡大してきたサントリー。それを支えてきたのは言うまでもなく“人”だ。そのことについて河本氏は「優秀な人材をいかに採用し、社員の質を上げていくか。それこそがグローバルビジネスを成功に導くカギだと捉えています」と語る。そして、シンガポールでの人材の獲得について、こう続ける。

「シンガポールは教育水準が高く、数ヶ国語が話せる優秀な人材があちこちにいます。さらに、留学や、シンガポールに集まる多国籍企業でビジネスの経験を積むなどしてグローバルな視点を持つ若者がたくさんいます。グローバル展開を進めている弊社では、そうしたシンガポールの方に入社してもらうことも多いです。」

多国籍企業として事業を展開するうえで大きな障壁となるのは、文化の違いだろう。シンガポール拠点には、日本人の駐在員に加えて、シンガポール人の従業員たちが多数在籍する。そうした多様性がある職場でビジネスを円滑に進められるかどうかは、文化の違いを互いに理解できるかがポイントになると、河本氏は考える。

「シンガポールの方々は一般的に、サントリーのホームカントリーである日本の良さを理解してくれていると思います。ですから、あとは、企業文化に合いそうな人に働いてもらうようにしています。」

とはいえ、国を超えて企業文化を伝えることはそう容易ではない。「アジア太平洋地域は転職率が高いです。そうした事情もあり、大学を卒業して以降ずっとサントリーで働いているような日本の従業員と比較すると、アジア太平洋諸国で働く従業員へのサントリーの企業文化の浸透は道半ばかもしれません。それでも、長期的視点を持って働いてもらえるよう、企業文化を根づかせていこうと取り組んでいます。」

その甲斐があって、少しずつではあるが着実に、企業文化は浸透してきているという。例えば、「水と生きる」をグループ理念として掲げるサントリーがかねて行っているサステナビリティへの取り組み。東南アジアの小学校では2015年以降、授業や自然体験プログラムを通じて水の大切さや水源保全の重要性を伝える「水育」の活動を展開。シンガポール拠点も活動に協力し、これまでにベトナム、インドネシア、タイ、日本を含め、19万人を超える児童が参加している。

「私たちは、この社会のために成長し続ける=『Growing for Good』を志としています。環境活動も社会のためになることなので、そうした活動を含め、従業員にはやりがいを持って働いてもらいたい。それがひいては、社会、そして企業の成長につながると思っています。」(河本氏) そんなサントリーは健康志向の高まりを受け、アジア太平洋地域では初のカテゴリーとなるノンアルコールビール「オールフリー」のベトナムでの販売を開始。今後も健康にまつわるさまざまな商品開発に力を入れていく計画だ。サントリーが大切にしている「やってみなはれ」の精神は、任された従業員側が必ずやりきってみせるという「みとくんなはれ」という言葉と一対になっており、そうした心意気でシンガポール拠点はアジア太平洋のハブとして、挑戦そして成長を続けていくに違いない。

 

 

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

詳細を見る

  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

詳細を見る

  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

詳細を見る

  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

詳細を見る

  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

詳細を見る

  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

詳細を見る

  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

詳細を見る

  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

詳細を見る

  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

詳細を見る