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エプソンメッキ事業部

スマートファクトリーを実現する準備指標が国際標準化エプソンメッキ事業部の5カ年計画

  • 高度な製造

製造業がインダストリー4.0へ移行するための指標であるスマートインダストリー準備指標。シンガポール経済開発庁(以下、EDB)が2017年に発表したもので、製造業をプロセス、テクノロジー、組織の3つの指標で分析を行い、各企業がインダストリー4.0に向けてどの程度準備ができているのかを評価するツールである。

このスマートインダストリー準備指標が今、国際的な標準として採用が決定されている。今回はスマートインダストリー準備指標の世界標準への動きと、このスマートインダストリー準備指標を実際に評価に導入し、インダストリー4.0に動き出しているエプソンメッキ事業部の事例をご紹介しよう。

 

スマートインダストリー準備指標の国際標準化

今回のスマートインダストリー準備指標の国際標準化は、2020年10月20日に、EDBと世界経済フォーラムにおけるパートナーシップとして発表された。これによりEDBが立ち上げたスマートインダストリー準備指標が、世界中の製造業がインダストリー4.0へ移行する際の評価に用いられる。この評価指標をグローバルに拡張するため、90人の認定評価者が今後18カ月にわたりトレーニングを行い各国の政府機関、業界団体、製造リーダーと協力し準備指標の共有を行う。これにより2021年末までに世界中で500から750の評価を実施することが目標である。世界経済フォーラムのマネージングダイレクターJeremy Jurgens氏は次のように述べている。「製造業は、第4次産業革命という課題に直面しています。世界経済フォーラムは、EDBとその業界パートナーがスマートインダストリー準備指標の取り入れを加速し拡大するためのグローバルプラットフォームとして機能します」。このスマートインダストリー準備指標は、2017年以降、シンガポールで数多くの企業に導入され、その数は15カ国からシンガポールに進出する350社以上の企業で評価が行われている。

シンガポール エプソンメッキ事業部

それでは実際にスマートインダストリー準備指標の評価を受け、インダストリー4.0の移行へ動き出しているエプソンメッキ事業部についてご紹介しよう。エプソンメッキ事業部は1979年にシンガポールに進出して以来、SEIKOの時計のメッキに始まり幅広い業界のメッキ処理加工を行っている。工場では、ドライコーティングからウェットコーティングまで総合的な表面処理を行っている。具体的には加飾コーティングや機能性コーティング、シード層コーティング、選択的コーティングなどで、こうした高いメッキ技術を駆使し、時計から自動車、石油、ガス、医療、高周波、半導体までさまざまな製品に幅広く対応しており、技術開発から生産までワンストップで対応可能だ。

 

評価に基づくインダストリー4.0へ向けた5カ年計画

今回エプソンメッキ事業部がインダストリー4.0に向けて準備指標で評価を行ったのは時計部門で、5年後のスマートファクトリーを目指している。また自己認識と自己予知能力を生産システムに備えることを目指し、2024年までにITとオペレーションテクノロジーによって全部門を統合し、メッキ部門のトータルマニュファクチャリングソリューションを構築する計画だ。この自動化に向けた計画に向けてスマートインダストリー準備指標による評価を行ったところ、同社の現在の強みと、注力すべき分野が明確になった。同社の強みは、戦略と企業統治、リーダーシップと職務遂行能力であり、重点分野として推し進めていく分野が、工場フロアの自動化、コネクティビティ、AI化である。これによってスマートファクトリー化が進むとまず現状の可視化が可能となる。インダストリー4.0への取り組みを進めていく中で、これまでマニュアルで行われていた生産工程が自動化され、生産や販売に関するリアルタイム情報に基づく迅速な対応が可能となり、生産工程の安定性と品質向上が実現する。次に、分析をデータ中心に切り替えることで、よりスピード感のある予測と意思決定が可能となる。さらに意思決定も自動化され、実行におけるパフォーマンスの最適化と 資源の効率化が行われる。それでは実際にエプソンで行われている自動化の一例をご紹介しよう。それがネジ締めと検査、表面洗浄工程を自動化したものだ。従来はねじ止めと検査、表面の清掃は手作業で行われていた。表面に付着した粉塵は、作業者がエアブローで除去しなければならなかった。同社ではエプソンの6軸のロボットアームを搭載した自動ネジ止め機を導入し、ネジ止めから検査までの全工程を自動化したほか、自動検査用のエプソンMIPLEシステム、表面洗浄法のオートイオナイザーシステムを導入した。
そこにかかっている人員を1名、年間の労働コストで24,000シンガポールドル(約186万円)を削減し、1時間あたりの検査数を36点から44点に高めることに成功している。これは16カ月分のROIに相当する。

 

エプソンメッキ事業部は5カ年計画によって、スマートファクトリー化していく計画だ。スマートインダストリー準備指標は、スマートファクトリーへ移行するにはどこから始めるべきかという現状と、どの分野に重点的に注力すべきか、さらには移行後にビジネス全体がどのように進化するのかといった点を企業が特定するのを助けてくれる。それによって、スマート化の設計図を描くのを支援してくれる。この指標がグローバルに展開されることで、世界中の製造業がスマートファクトリーになるためのビジョンを持つことができる。

 

*1シンガポールドル(SGD)=77.8円:2020年11月27日現在

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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