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資生堂

資生堂

化粧品グループ企業の資生堂は、シンガポールでのイノベーション、トレーニング、採用への投資拡大を計画していることを、2019年1月15日、セシルストリートにある地域本社公開の際に発表しました。


広さ5,476平方メートルの地域本社オフィスには、2016年にシンガポールに設立された同社アジア太平洋地域本社以外に、資生堂トラベルリテールのグローバル本社と資生堂シンガポールの関連会社も入っています。

また、特にアジアの消費者を対象とする新製品開発を目指す新しいアジア太平洋イノベーションセンター、および毎年域内全体から2,000人の業界専門家を養成できる美容ビジネス・管理スキルに関する専用トレーニング施設を備えています。

シンガポールに約250人の社員を擁する同社は、2020年までに130人の新規採用を目標としています。シンガポール新事務所の投資額については公開されていません。しかし、2018年6月の年次報告書によると、2020年までにグループ全体で140億円を人材開発に投資するとしています。アジアラーニングセンターの設立はその取り組みの一環です。
 


同社アジア太平洋地域の社長兼最高経営責任者ジャン=フィリップ・シャリエ(Jean-Philippe Charrier)氏は「新しい地域本社は、過去数年間でのアジア太平洋地域における堅調な成長の証であるとともに、消費者と社員に対する今後の私の姿勢を表すものです」と述べ、「リーダー・人材の開発、イノベーション、そしてアジアの消費者インサイトをより深く得ること。地域全体の成長を加速する上で重要な要素となるこれらの面での成長を期待しています」と語りました。

最新の財務諸表によると、同社アジア太平洋地域における事業の売上高は、2018年9月30日までの9ヵ月で519億円、前年同期比14.9%増を達成しました。また同地域の営業利益は6.1%増の71億3,000万円となっています。

同氏は開所式にて、アジアの主要市場に近いシンガポールのロケーションは、アジア顧客のニーズや好みをより良く理解する上で役立つと語りました。シンガポールの拠点には、海外5ヵ所目となるライフクオリティビューティーセンターも擁しています。ここでは戦後に日本で始まった、傷跡など深刻な肌の問題を抱える人々にメイクを提供する活動を行っています。

同社は最新のメディア発表の中で、シンガポールの新拠点は「中長期戦略の第2段階として成長加速に注力するビジョン2020に基づく企業変革の一環である」と述べています。同氏また、1月15日のイベントにて、eコマースの強化も計画していると述べました。

同社は、プレステージブランドの成長を加速させ、化粧品およびパーソナルケア分野の強固な基盤を構築するという地域戦略を盛り込んだ、新たな3ヵ年計画を2018年4月に発表しました。その際、「アジア市場では、プレステージブランドに加えて、現在日本を中心に販売している4ブランドを中国市場などのアジア地域にも拡大する」と語っています。

出典: シンガポールプレスホールディングス(SPH)

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