2014年に2億5,000万SGD(205億円)の初期投資で設立された最先端施設であるSgICには、500人の研究者、エンジニア、博士号取得者が雇用されています。製品のテスト、調合、発売の迅速化を目指して設計された同センターは、消費者調査、調合、フレグランスデザイン、新素材、プロセス開発、機器デザイン、包装デザイン、性能テスト、およびヘアケア、スキンケア、パーソナルケア、ホームケア、パーソナルヘルスケアなどのカテゴリーでの安全性評価に関する能力を備え、さまざまな製品カテゴリーを網羅するイノベーションチェーンを展開しています。
P&Gアジア太平洋・インド亜大陸、中東、アフリカ地域社長のマジェスバラン・スランジャン(Magesvaran Suranjan)氏は「ターマン副首相ご出席のもとで5年前にSgICを開所して以来、当社は大きな進歩を遂げました。SgICが先頭に立った製品イノベーションを通して、シンガポールはもちろん、世界の消費者の生活向上に貢献してまいりました」と語り、「SgICは、SK-II RNAパワー、パンテーン ミセラー、ヘッド&ショルダーズ シュプリーム、ジョイ ミラクルクリーン、ヴィックス ベビーラッブなどの新製品の開発から、オレイのスキンアドバイザーアプリのような新たな体験やSK-IIのホリデーシーズン限定ボトルなどの新しいパッケージデザインまで、一貫して製品イノベーションをリードしてきました」と述べました。
SgICは5周年を迎え、シンガポールから画期的な研究開発をリードしていくという考えを改めて強めています。同社は、シンガポール経済開発庁(EDB)と提携して、次の10億ドル規模のビジネスを展開するために1,200万SGD(9億8,400万円)を投資することを発表しました。同社のイノベーションアプローチに変革をもたらし、事業成長を強化するとともに、新たな競争優位の源泉を生み出すために、同社の社内起業制度開発・ベンチャー構築ユニットであるGrowthWorksをシンガポールに展開させます。これにより、熱意ある社内起業チームによる新しいブランド、新しい技術プラットフォーム、新しいビジネスモデルの実現が期待されます。この投資には、同チームが効率的に実験を行い、シンガポールを拠点とする企業と密接に連携するための800万SGD(6億5,600万円)のシード基金が含まれています。また、同社は10億ドル規模の機会を見込み、少なくとも3つの新規事業の拡大を目指しています。これらの事業は、設立から検証、育成、規模拡大、そしてグローバル本社の設置までシンガポールで行われます。
同社研究開発・イノベーション最高責任者のキャシー・フィッシュ(Kathy Fish)氏は「当社では、製品、パッケージ、コミュニケーション、そして経験において圧倒的な優位性を提供できるようレベルアップに取り組んでいます」と言い、「学習のスピードと質を上げることでイノベーションの方法自体の変革に取り組んでいます。GrowthWorksには、リーンスタートアップの起業家精神、企業の規模および優秀な人材という強みが凝縮されています。アジアの消費者のためにより迅速にイノベーションを進め、シンガポールのイノベーションエコシステムに貢献し続けることを目指します」と語りました。
GrowthWorksによって、同社は、シンガポールで新規事業の開発に向けた重要な能力を構築し、重要なリソースを投じるシンガポールで最初の大企業の1つとなります。これは、米国以外でのGrowthWorksプログラムにおける同社最大の取り組みであるとともに、EDBが最近発表した「シンガポールの企業と協力して社内起業家精神を高め、新たなベンチャーを創出する」という計画に従ったものです。EDBは同社とのパートナーシップで、同社が注力する戦略、ネットワーク、リスクシェアリングの資本に加わることとなります。
EDBのティエン・クィーエン(Thien Kwee Eng)副次官は「P&GのSgICは、シンガポールがイノベーションの最前線に立つための取り組みにおいて戦略的パートナーであり、シンガポール人にさまざまな雇用を創出してきました。今後GrowthWorksの取り組みによりその能力を拡大し、研究開発やイノベーションを通して多くのものが商品化されていくことを楽しみにしています。同社が創出しシンガポールから成長することになる新たな事業に対して期待を膨らませるとともに、より多くの企業が今後世界規模でのビジネスに向けた新たな成長機会を創出するために、シンガポールでこのような取り組みを行うことを望みます」と述べました。