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グラクソ・スミスクライン

グラクソ・スミスクライン

チャン・チュンシン(Chan Chun Sing)貿易産業大臣は2019年7月5日、グラクソ・スミスクラインの新製造工場の開所式で、企業と政府機関の協力関係の構築と意欲が高い労働者が、シンガポールが世界的なバイオメディカルハブであり続けるための重要なステップになると語った。


グラクソ・スミスクラインの1億3000万SGD(約102億8千円)の新たな医薬品製造工場は、グラクソ・スミスクラインとシンガポール経済開発庁(EDB)による「10年間の シンガポール製造ロードマップ」のパイオニアの一環として建設された。写真提供:ザ・ストレーツ・タイムズ:マーク・チョン CHEONG

また、「シンガポールは高品質の医療製品を生産する世界的なバイオメディカルハブの1つです。そして現在、我が国は、この産業の最前線にいますが、ここまで発展させてきた基盤を忘れることは決してありません」と続けた。これらの基盤の中には、業界の企業との信頼できるパートナーシップの構築、シンガポールの知的財産保護や労働者の育成に対する姿勢も含まれている。

しかし、同大臣は、現在医学の性質が変化してきており、この分野の需要は主に個人に合わせて作るカスタムメイドを求める個別化医療にあると指摘した。「こうした状況の下、シンガポールが持っているすべての要素を必要としている。だから私は、引き続き順調に発展する我が国の未来を確信している。この状況に沿った新製品を絶えず開発していけるように、データの流れ、交換、分析、処理を実現する環境を持たなければならない。」

「だから、我が国の広範なエコシステムの一環として、確実に他の国々とのつながりを維持することが極めて重要となっている。」

また、同大臣は、政府、経済官庁、企業間の信頼と協力、そして、変革に沿って労働者を育成する重要性も強調した。

同大臣は、国際的な製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)とシンガポール経済開発庁(EDB)による「10年間のシンガポール製造ロードマップ」の一環としてパイオニア地区に建設された総工費1億3,000万SGD(約102億8千円)の医薬品製造工場の開所式で祝辞を述べた。

ここでは、通常のバッチ生産ではなく、最新技術による連続生産が行われる。敷地内の製造棟の1つも拡張された。

バッチ生産では6か月かかっていた医療生産プロセスが、連続生産では42日間に短縮されるため、臨床試験用の医薬品有効成分をより速く製造することができる。

また、製品の品質の精度が高まり、使用する機器がコンパクトになるため、二酸化炭素排出量を75%削減できる。

この施設ではまず、慢性腎臓病に伴う貧血の新しい経口治療薬が開発される。

グラクソ・スミスクラインは、機能を強化したこのプラントで、HIV治療用の鍵となる医薬品生産をさらに改善することができる。

同社の医薬品サプライチェーンの社長であるレジス・シマード(Regis Simard)氏は次のように述べている。「シンガポールは世界で最も革新的な都市の1つであり、革新的なソリューションを創出する様々な企業と組織によるエコシステムの本拠地です。」

「イノベーションはグラクソ・スミスクラインの中核だ。私たちは、シンガポールの科学技術の卓越性に投資して、患者と消費者のニーズを満たす次世代製品を開発し、発売できることを嬉しく思っている。」

同社は、医薬品製造部門の最前線にとどまるためには高度な製造システムが不可欠だと指摘している。

工場のスタッフは、新技術を使うためにトレーニングを受ける。すでにトレーニングを完了したスタッフが、次のグループのスタッフのトレーニングをサポートを行う。

製造リーダーマニバナン・セルバラジュ(Manivannan Selvaraju)氏(56歳)は海外でトレーニングを受け、連続製造の新プロセスを学ぶスタッフの指導にあたっている。

「年齢は問題ではない。一生懸命働く意欲があれば、そこにチャンスがある」と同氏は語っている。

出典:ザ・ストレーツ・タイムズ

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