同社の発表によれば、特許取得済みのマグネシウム合金で作られたマグネジックス(Magnezix)インプラントは、骨内で完全に溶解する。従来の金属製インプラントと異なり、インプラントを除去するための2回目の手術は必要ない。同インプラントは骨組織に変化して治癒過程を助ける。
シンガポールの生産拠点は、ウルリッヒ・サンテ(Ulrich Sante)在シンガポールドイツ大使とベー・スワンジン(Beh Swan Gin)シンガポール経済開発庁長官の立ち会いの下、同社の創立者兼CEOのウッツ・クラーセン(Utz Claassen)氏により正式に開設された。
同インプラントはシンガポールを含む56カ国で製品登録され、国立大学病院(National University Hospital)、シンガポール総合病院(Singapore General Hospital)、センカン総合病院(Sengkang General Hospital)、グレニーグルス病院(Gleneagles Hospital)などの国内病院で使用されてきた。
同社の話では、同インプラントは「インプラント除去手術とそれに伴う感染や麻痺のリスクを過去のものにすることで、何千人もの命を救える」
開設後にクラーセン氏がビジネスタイムズ紙(The Business Times)に語ったところでは、同生産拠点の初期投資は「1桁」×100万SGD(約7,930万円)の範囲内だが、2024年までに投資額が2億SGD(約159億円)に達し、それまでの累積収入は5億SGD(約397億円)となる可能性がある。これはメディカルテクノロジー産業の膨大なポテンシャルの恩恵だと同氏は言う。
2019年5月、同社はドイツ・イノベーション・アワード・イン・ゴールド(German Innovation Award in Gold)を「エクセレンス・イン・ビジネス・トゥ・ビジネス – メディカルテクノロジー(Excellence in Business to Business - Medical Technologies)」部門で受賞した。
出典:ストレーツタイムズ