最初に立ち寄ったのは、すぐ近くにあるコンビニエンスストアです。セブン-イレブン・シンガポールがアジアで初めてImpossible™ Burgerを販売したと知り、早速来てみました。300店舗以上のセブン-イレブンで販売されているImpossible™ Deluxe
Burger(5.90SGD、約477円)は、植物性のビーフパティ、ホワイトボタン・マッシュルームと採れたてほうれん草のソテー、そして軽いサワークリームソースが特徴です。
一口食べてみると、ビーフパティの食感が本物の肉に似ていることに驚きました。見た目も本物にそっくり!特に、サワークリームソースの酸味がハンバーガー・パティの脂っこさを和らげているところが気に入りました。この組み合わせは病みつきになりそうです。代替タンパク質についてあまり考えたことがなかった私にとって、植物性ハンバーガーがこんなに簡単に手に入ることは驚きでした。
地元のレストランでも、代替タンパク質を使ったメニューが増えてきています。次に訪れたのは、日本の代替肉開発スタートアップ、ネクストミーツ株式会社とコラボしているシンガポールの日本食チェーン店ABURI-ENです。カルビ丼セット(13.80SGD、約1,116円)とスタミナ定食(15.80SGD、約1,277円)を注文しました。大豆のたんぱく質で作られたカルビは、焼き目がついていて、本物の肉のような食感。お店の人によると「動物性の肉に比べて、カロリーは低く、タンパク質は2倍、脂肪は10分の1なので、罪悪感なく食べられますよ」とのことです。
また、ミシュランの星を獲得しているペラナカン・レストランCandlenutでは、ジャックフルーツの「肉」の細切れをポークに見立てて5種類のスパイスで味付けし、ブランクルの皮で包んだ伝統料理ngoh hiangが楽しめるそうです。このレストランでは、シンガポールを拠点とする植物性食肉ブランドKARANAがジャックフルーツを細切れ肉にしたものを活用し、他のレストランとも提携してヴィーガンやベジタリアン向けのメニューを提供しているとのこと。私の「食べたいものリスト」にしっかり入れておきました。
食感や味が肉に似ている植物性の肉。とはいえ、舌の肥えた人にはわずかな違いが感じられるかもしれません。そのため、シンガポールでは、細胞培養タンパク質のバリエーションを増やしています。
シンガポールのパイオニア的存在であるShiok Meats社は、昨年、エビの幹細胞から培養したエビのひき肉で画期的な成果を上げ、最初の試作品をセイロ入りのエビ焼売にしました。試食会に参加したゲストは、肉の新鮮さとジューシーさに驚いたとか。養殖エビ肉は、持続可能なタンパク源であるだけでなく、マイクロプラスチックや水銀による海洋汚染がないため、消費者にとっても有益であると言われています。
一方、TurtleTree Labs社は、機能的な生物活性タンパク質と人間の乳に含まれる複合糖質を使用した、初のヒト細胞ベースの乳製品の商品化に向けて準備を進めているそうです。これらの成分は腸や脳の健康に役立つので、乳児や高齢者の栄養補給に適しているとのこと。
今日、私たちは食べ物の起源とその持続可能性を意識するようになっています。植物性や細胞性の代替タンパク質の普及は始まったばかりですが、食べ慣れた肉のおいしさを楽しみつつ、環境に優しい行動が取れるのなら、選ばない手はありませんよね。今回の取材を通して、私はすっかり納得しました。さて、今日の晩御飯は、植物性のからあげにしようかな?
著者Edbie(エドビー)について
Edbie(エドビー)は、シンガポールのBRIDGE特派員です。シンガポールの隠れた一面を発見したり、新しい景色や流行、文化を発見するのが大好きです。
「今度シンガポールを訪れたら、ぜひ代替タンパク質を使った面白い料理を試してみて!人生が変わるかもしれませんよ!」