半導体のフォトマスクは、業界構造が寡占的なことで知られる。サプライチェーン(供給網)リスクを回避する観点から、半導体メーカーが複数のマスクベンダーに発注する傾向にあり、競合各社のシェアが拮抗(きっこう)しやすいためだ。
外販市場ではテクセンド、大日本印刷、米フォトロニクスの3社が大部分のシェアを占める。このうち大日本印刷とフォトロニクスは、中国と台湾で合弁事業を運営するなど提携関係にある。
テクセンドの小嶋洋介・事業戦略部統括部長は、「われわれの強みは、グローバルな供給体制を持ち、顧客のすぐ近くで生産できること。これを生かしてシェアを高めたい」と語る。
中国はマスクベンダーが20社超に増加
テクセンドは、前身の凸版印刷(現TOPPANホールディングス)が2005年に米デュポンフォトマスクの全株を取得し、海外拠点網を一気に拡大した。現在は日本を含む7カ国で8カ所の工場を運営する。
シェア拡大の焦点は先端対応にある。主要顧客のロジック半導体メーカーが回路線幅を微細化する動きに合わせ、各地のフォトマスク工場でも先端品に対応できるよう能力増強や受注内容の再編成に取り組んでいる。
米国テキサス州ラウンドロックでは、米国での需要拡大を受けて既存工場を拡張中だ。生産能力を40%以上増強するとともに、12ナノメートル(ナノは10億分の1)の先端品に対応する。