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シンガポール・日本関係は60年間で大きく発展、両国はさらなる協力が可能:ウォン首相

シンガポール・日本関係は60年間で大きく発展、両国はさらなる協力が可能:ウォン首相


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3月17日、日本在住シンガポール人とその家族約500人と会見したウォン首相

シンガポールのローレンス・ウォン首相は、同国と日本の関係は60年間で大きく発展し、現在、二国間関係の新たな章に入る良い時期にあると述べた。

日本公式訪問を控えたウォン首相は、両国の数十年にわたるパートナーシップは、激しい不確実性、分裂、混乱に特徴づけられる世界を乗り切るための確固たる基盤も提供していると語った。

日本経済新聞への寄稿文の中でウォン首相は、二国間関係はシンガポールが日本から支援と投資を受けることから始まったが、すぐに多面的で相互利益をもたらすパートナーシップへと発展したと指摘した。

ウォン首相は2024年5月に首相就任以来、地域の主要パートナー国への一連の紹介訪問の一環として3月17日から19日まで日本を公式訪問し、高市早苗首相と会談した。

ウォン首相によると、1970年代、東芝、住友、三井などの日本の大手企業がシンガポールに事業を設立し雇用が創出され、当時まだ発展途上であったシンガポール経済に製造業の基盤を確立した。

1980年代には、品質と生産性向上の知識移転という日本の取り組みからシンガポールは恩恵を受けた。

この時期、日本からシンガポールへの投資も拡大した。また、シンガポールが労働集約的生産から資本集約的工業化への転換を図る上で重要な専門知識と技術をもたらした。

1990年代までには、シンガポールと日本の協力体制が確立された。1994年には、両国の協力で、日本初の第三国への技術支援提供イニシアチブ(JSPP)を立ち上げた。このプログラムは現在も続いている。

2002年には、日本・シンガポール経済連携協定(JSEPA)の署名により、両国の関係は大きな新段階に入った。これはシンガポールにとって主要経済国との初の自由貿易協定であり、日本にとってもいずれの国との初の協定だった。

JSEPAで、シンガポールを拠点とする日本企業のASEAN及びアジア太平洋地域市場への進出が促進された。また、国際ビジネスハブとしてのシンガポールの役割を強化すると同時に、こ地域との日本の経済的結びつきを深めた。

以来、両国間の経済協力は、地域やそれを超えた範囲にまでさらに拡大している。

両国は、ASEAN・日本包括的経済連携協定(AJCEP)、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の締約国であり、これらの協定は国際経済体制の重要な柱だ。

ウォン首相は「現在、我々は共に時代の重要な課題に取り組むリーダーシップを発揮している」と述べた。 例えば、シンガポールと日本は貿易のデジタル化について協力している。

両国はオーストラリアとの電子商取引協定の締結を促進し、世界貿易機関(WTO)の72の共同提案国によって支持された電子商取引に関して、世界初の基準規則を定めた。

今後についてウォン首相は、自由貿易とルールに基づく多国間主義への共通のコミットメントを持つ志を同じくする国として、シンガポールと日本がより多くの協力を行える5つの分野を提案した。

まず、相互に最大の貿易パートナーかつ投資国の一つである両国は、すでに堅固な経済関係をさらに強化することができる。

シンガポールと日本は同じ地域的、複数国間、国際的イニシアチブの多くに参加している。ウォン首相は「我々は経済的レジリエンスと共有された繁栄を確保するため、これらの基盤の上に(より強固な協力体制を)構築すべきである」と述べた。

第二に、両国は先進的なデジタルインフラと規制枠組みを持つこの分野の自然なパートナーとして、デジタル経済における新たな機会を追求することができる。共に国際基準を形成し、デジタル貿易において重要な、安全で信頼できる国際的なデータ移転を推進できるという。

第三に、両国は人工知能、量子技術、宇宙技術などの最先端分野で、より多くの協力を行うことが可能だ。

日本は先進的な技術力と産業の強みをもたらし、シンガポールは繁栄する研究・イノベーション・エコシステムを持つグローバルなハブだ。「両国は相互補完的な強みを組み合わせることで、未来の技術を共同で活用することができる」とウォン首相は述べた。

第四に、両国はASEANとより緊密な協力を行える。ウォン首相は、シンガポールがASEAN・日本関係の国別調整役であり、2027年にはASEAN議長国を務める予定である一方、日本も東南アジアとの関与を強化していると指摘する。

首相はまた、AJCEPを活用してASEAN電力網などの地域的優先事項を推進することを提案した。

最後に、ウォン首相は多くの分野での日本の既存のイニシアチブを基盤として、テロ対策、人道支援、災害救援などの安全保障関連の取り組みなど、より広範な地域でのさらに深い協力を求めた。

首相はまた、シンガポールは長い間、日本が地域の平和と安定の促進で、より大きな役割を果たすことができるという見解を持ってきたと述べた。同時に、シンガポールは、歴史的経験が一部の国々の視点を形成し続けていることも認識しているという。

「我々は、日本が信頼と信用を築く努力を続け、共に安全で安定した地域環境を維持できることを願っている」とウォン首相は述べた。

首相は、60歳の誕生日が日本では「還暦」として祝われ、再生と更新を象徴することに言及した。この節目はシンガポールでも同様の意義を持つという。

ウォン首相は「60歳を迎えたシンガポール・日本パートナーシップはすでに強固なものだ」とし、「我々はシンガポール・日本関係のエキサイティングな新章を共に想像し、共に創造し、共に発展させる良い時期にある」と語った。


元記事「S’pore-Japan ties evolved significantly over 60 years; both sides can do more together: PM Wong」(3月17日付ストレーツ・タイムズ紙)から翻訳し編集しました。誤りについては、すべて翻訳側の責任となります。

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