AI戦略による新たなビジネス機会
シンガポールのローレンス・ウォン首相は2026年予算案で、AIを戦略的優位性として活用する方針を打ち出した。
これに先立ちシンガポール貿易産業省(MTI)は2月10日、2025年の通年国内総生産(GDP)成長率は5.0%と発表している。特に製造業の成長率が8.7%と、前年の3.8%から大きく伸びた。人工知能(AI)の浸透による半導体、サーバーとその関連製品の需要が急増したことで、エレクトロニクス分野の伸びが著しかった。
シンガポール経済開発庁(EDB)もAIを成長分野の1つと位置づけ、付加価値の高い投資を誘致している。
政府は、ウォン首相が議長を務める国家AI評議会(National AI Council)を新設し、国全体でAI戦略の方向性を示す予定だ。
まず、先端製造業、物流・港湾・貿易などのコネクティビティ、金融、ヘルスケアの4分野へのAI導入による変革に重点を置く。対象となる業界の企業は、政府が提供するデータセット、コンピューティングリソース、規制サンドボックス(仮想環境)を活用し、開発から導入まで、または試験運用から大規模実用化までの時間を短縮できる。
また、新プログラム「Champions of AI」では、AIを活用して事業全体を変革する意欲のある企業に対し、企業変革と人材育成の両面でオーダーメイドの支援を提供する。
税制・助成金制度の拡充
企業イノベーション制度(Enterprise Innovation Scheme 、EIS)
条件を満たしたAI関連支出に対する400%税額控除が新設される。年間5万シンガポールドルまでの支出を対象とし、研究開発(R&D) 、イノベーション、人材育成などの既存項目も継続される。