多岐にわたる高付加価値投資
EDBは2025年、分断化が進む経済、予測不能な地政学的情勢、急速な技術革新といった不安定な世界環境にもかかわらず、近年と同水準の投資を確保した。2025年の設備・インフラへの計画投資を示す固定資産投資(FAI)は総額142億シンガポールドル(以下ドル、約1兆7230億円)となった。
人件費や研究開発費など、企業が事業運営のために計画する年間総事業費(TBE)は89億ドルに達した。今後5年間でこれらの投資が実現した場合、180億ドルの付加価値(VA)を生み出すことが見込まれている。
製造、統括拠点、研究開発への投資
固定資産投資(FAI)コミットメント額142億ドルのうち、約121億ドルは製造業からのものだった。製造業各社は、半導体やサーバー、電気自動車、バイオ医薬品・医療機器、スペシャリティケミカル、サステナブル素材、航空宇宙保守・修理・整備(MRO)サービスへの世界的需要の高まりに対応するため、工場の新設や既存施設の拡張を行っている。
例として、半導体フォトマスクメーカーのテクセンドフォトマスクは、グローバル展開を推進し、東南アジアとインドへの供給能力を強化するため、シンガポール唯一のフォトマスク生産施設を建設中だ。
また、スペシャリティケミカルメーカーのクラレは、域内需要の増加に対応するため、シンガポールにテクニカルセンターを設立した。年間総事業費(TBE)コミットメントの大部分は、統括本部、専門サービス、研究開発部門によるものだった。
世界中の企業がシンガポールに海外戦略を担う統括拠点を構え、海外市場へのグローバル展開を推進している。Asahi Global Procurementは、調達業務全体へのサステナビリティの導入、デジタルおよびデータ主導による成長加速、グローバルサプライチェーン全体にわたる戦略的リスク管理のため、3つのセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を設立した。