シンガポール、IMD世界競争力ランキングで首位奪還
 ―ビジネスの効率性向上で

シンガポール、IMD世界競争力ランキングで首位奪還

 ―ビジネスの効率性向上で

シンガポールが首位となるのは2024年以来2年ぶり。

Businessperson holding a digital globe with “No. 1” displayed over a connected network graphic.

シンガポールは2026年のIMD世界競争力ランキングで、前回首位のスイスを抜いて2025年の2位から首位に返り咲いた。

スイス・ローザンヌに本部を置く独立系ビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が6月18日に発表した同ランキングは、70の経済圏を対象に年1回発表される。

順位は、「政府の効率性」「インフラ」「経済パフォーマンス」「ビジネス効率性」の4カテゴリーを軸に、92の調査項目と172の統計データを基に決定する。

シンガポールは、ビジネスの効率性が前年比7ランク上昇し世界トップとなったことで、2024年以来の首位の座を取り戻した。ただし経済パフォーマンスのカテゴリーでは2ランク下落して3位となった。政府の効率性は3位を維持し、インフラでは1ランク上昇して5位だった。

IMDは声明で、「競争力とは、もはやコストや規模、あるいはイノベーションの優劣ではなく、制度的信頼性を競うものだ」と述べ、「世界の分断が進むほど、予測可能なルールや確実に履行されるコミットメント、国家の実効的な統治能力の価値が高まる」とも付け加えた。

OCBC銀行のセレナ・リン・チーフエコノミストは、こうした地経学的な分断や二極化は「中立性、ビジネスフレンドリーな環境、強固なガバナンス、制度構築力、そしてセーフ・ヘブンとしての地位というシンガポールの強みが発揮される局面だ」と述べた。「首位奪還は、シンガポールのオープンで機動的な経済モデルの真価を示すものだ」という。また「戦略と適応力は依然として大きな強みだ。事実、IMDはシンガポールの『効率的に軌道修正する適応能力』を重要な競争力の源として挙げている。」とも語った。

世界競争力センターのアルトゥロ・ブリス所長は「国際秩序が多くの国家のニーズを満たせなくなる中、実績ある信頼性の高い制度を持つ国々は、ビジネスが通常通り続けられるため優位に立っている」と述べた。

 

国・地域2026年2025年順位変動

シンガポール

1位

2位

+1

香港

2位

3位

+1

スイス

3位

1位

-2

台湾

4位

6位

+2

UAE

5位

5位

デンマーク

6位

4位

-2

アイルランド

7位

7位

オランダ

8位

10位

+2

スウェーデン

9位

8位

-1

米国

10位

13位

+3


国際経営開発研究所(IMD)発表を基に作成

 

IMDは、シンガポールの首位復帰について、「機動的な経済がどれほど迅速に勢いを取り戻せるかを証明している」と述べた。

一方で、OCBCのリン氏は「競争も激化しているため、人材の確保・育成・定着、AI導入、イノベーション、そして研究開発の商用化が依然として重要だ」と指摘した。「国内には依然としていくつかの課題が残っており、コスト競争力や高齢化に伴う構造的な課題もある」とも付け加えた。シンガポール政府の経済戦略見直し(ESR)の最終提言の実施が、シンガポールの競争力の維持と優位性の確保に寄与する可能性があるという。

ランキング全体では、香港が1ランク上昇して2位となった。政府の効率性が依然として「競争力を決定づける強み」となっている。スイスは、直接投資の流入が著しく悪化、経済パフォーマンスが急落して2ランク下げた。台湾は、堅調な国内総生産(GDP)と輸出の伸びを背景に2ランク上昇の4位となり、アラブ首長国連邦(UAE)は5位の座を維持した。

IMDは「今年トップ10に入った欧州諸国を見ると、全体的に緩やかな順位低下が目立つ」と述べた。かつて首位を争ったデンマークとスウェーデンは、制度的な強みは依然として健在だが、高い財政負担、コスト上昇、労働市場の低迷に押され、さらに順位を下げた。

米国は「経営者の景況感」の回復で、前回の13位からトップ10入りを果たした。ただしIMDは「企業の景況感は財政や貿易基盤の改善を上回るペースで回復しており、その持続性に疑問が残る」と警告した。
 


元記事「Singapore reclaims top spot in IMD world competitiveness ranking as business efficiency improves - The Business Times」(6月18日付ビジネス・タイムズ紙)から翻訳しました。誤りについては、すべて翻訳側の責任となります。

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