シンガポール経済開発庁(EDB)は2025年11月12日、東京都内で、同国の経営コンサルティング会社Global Gateway Advisor(GGA)や人材派遣大手パソナシンガポールと共同で、「シンガポールの今を知る:-日系企業事業拡大セミナー」を開催した。
パソナ本社ビルで開かれたセミナーには、不動産、建設、食品、法務などの企業から約50人が出席した。冒頭、EDBのクラレンス・チュア日本・韓国地域局長が、海外地域統括拠点としてシンガポールを活用する方法を紹介した。GGAの板倉祐希取締役は、日系企業のシンガポール展開戦略について助言。パソナシンガポールの森村美咲マネージングディレクターは、現地の人材市場動向や採用成功のポイントを紹介した。
日本企業の国際化を支援―戦略的ハブとしての機能
EDBのチュア局長は「シンガポールは、日本企業が国際展開を進める上で戦略的な拠点となる。グローバル人材へのアクセス、世界企業とのパートナーシップ機会、そしてアジア市場への接続性が、日本企業の成長と国際化を支えている」と述べた。
日本企業とシンガポールとの関係は半世紀以上にもおよぶ強固なパートナーシップを保っている。例として、キッコーマンは1985年にシンガポールに進出し、現在では30カ国以上にしょうゆを供給する主要生産拠点となった。鹿島建設は2023年にR&Dやオープンイノベーション機能も備えた地域統括拠点「The GEAR」を設立している。アサヒホールディングスもグローバル調達拠点を設置し、機能強化のため企業内研究拠点(CoE)を3つ開設した。
シンガポールに持ち株会社を設置して同国外に子会社を置き、集約した資金を成長地域や成長領域に再投資することも可能だという。